エピソード29 進化
歌舞伎町、昨今なにかと世間を賑わせている街。
そんな場所で実際に経験したこと聞いたこと考えたこと
そんなことを織り交ぜたノンフィクション風ファンタジーです。
店を出て、
バーへ向かう。
メロを、
今後どう進めていくか。
正直、
毎回バーでアフターは無理だ。
先輩に言われた。
還元率はだいたい10%。
10万円使ってくれたら、
1万円くらいのアフター。
行かない子には、
累計でプレゼントなどで還元。
今日の会計は、
4万円ほど。
うちの店は――
セット7000円
TC 5000円
指名料 3000円
サービス料 38%
消費税 10%
最低で、
約22,200円。
端数切り上げで、
23,000円。
俺が席に座るだけで、
23,000円。
改めて考えると、
やっぱり高い。
そこに、
缶もの1セット2本で3000円。
ショット1杯2000円。
あっという間に、
3万、4万。
メロも、
リコピンも。
その価値を、
俺に見出してくれているのか。
少し、
重い。
でも、
今の俺はまだ未熟だ。
還元率を気にする段階じゃない。
一生懸命来てくれたメロに、
アフターで返す。
リコピンにも、
何か形で返したい。
そんなことを考えていたら、
バーに着いた。
三回目。
店員が笑う。
「メロちゃん今日ご機嫌だねー!」
「ずっと奏楽くんのこと惚気てるよ」
……おい。
ガチ恋に進化してるの、
こっちか?
「おまたせ」
「今日はありがとうね」
「まったよー!」
「今日は潰れないように頑張る(笑)」
そうだ。
毎回、
俺だけ始発で帰ってる。
「俺の始発までは耐えてくれよ」
「あーそっか、
奏楽いつも始発か」
「遠いんだよ」
「泊まればいいじゃん」
軽く言う。
「高いし」
「私出すし」
止まる。
「え、一緒にかよ」
「えー嫌なのー?」
距離が、
一段近づく。
「安い担当にはなりたくないな」
冗談めかして言う。
「えーなにそれ」
「なんかするとか思ってるの?」
にやっと笑う。
「からかうなよ」
「バーでいいじゃないか」
メロは少し視線を逸らした。
「まあねぇ……」
「いつかね……」
「ん?なんか言った?」
「なんでもなーい」
「のもー!」
グラスが鳴る。
でも、
聞こえていた。
“いつかね”
その意味。
まさか、
メロがこんな方向に来るとは。
リコピンは明るい。
りんは壊れかけ。
メロは、
じわじわ近づいてくる。
俺は、
どこまで線を引けるんだ。
よんでいただきありがとうございます。
感想、評価、レビュー思ったままにお願いします
ブックマークしていただけるよう謹んでまいります。
今後とも長いおつきあいをよろしくお願いします。




