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歌舞伎町が僕を食べる。  作者: 夜坂ネオン


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エピソード27 セルフプロデュース

歌舞伎町、昨今なにかと世間を賑わせている街。


そんな場所で実際に経験したこと聞いたこと考えたこと


そんなことを織り交ぜたノンフィクション風ファンタジーです。


  出勤の時間。


ヘアメも、

だいぶ慣れてきた。


でも、

いまだに正解が分からない。


今のところ、

美容師さんにお任せ。


だけど最近、思う。


ここも、

武器にできる場所だ。


俺みたいなタイプは、

爆発的な華があるわけじゃない。


だからこそ、

細かい部分を

自分で作る。


セルフプロデュース。


積み上げるしかない。


今の流行は、

センターパートの“わかめ”。


アイロンを交互に曲げて、

ウェーブを出す。


……俺は、

それが絶望的に似合わない。


だから、

七三で分け目だけ指定する。


それで大体、

わかめは回避できる。


はずだった。


今日は、

わかめだった。


鏡を見る。


納得いかない。


髪が決まらないと、

一日のモチベーションが

崩れる。


少し迷ってから言った。


「すいません、

ここをこう流す感じで、

ここはこっちに持ってきてもらえますか」


初めて、

全体のイメージを伝えた。


仕上がりを見て、

思う。


――これだ。

挿絵(By みてみん)


今までで一番いい。


これをベースにしよう。


出勤すると、

何人かに言われた。


「今日ヘアメいいね」


小さな積み重ね。


でも、

ちゃんと手応えがある。


今日も、

リコピン来てくれるかな。


早く見せたい。


そう思いながら、

掃除をする。


オープン。


まだ来ない。


さすがに、

オープン直後ではないか。


まずはヘルプ。


「えー奏楽くん、その髪型いいねー!」


ヘルプ先でも褒められる。


悪くない。


一時間ほど経った頃。


「奏楽さん、C3でリコピンさんいらっしゃいました」


よし。


「今日もありがとう。

見て、ヘアメ変えてみた」


「えー!

めっちゃいいじゃん!

惚れそう(笑)」


「お、ガチ恋に進化か?」


「進化しちゃうかもー!」


今日も、明るい。


いい空気。


そう思った瞬間。


「奏楽さん、B4で初回指名です」


え?


誰だ?


「ちょっと呼ばれたから行ってくるね」


「はーい、いってらっしゃーい」


B4へ向かう。


「奏楽、おはよー!」


……メロ。


「え?

どうしたの?」


「今日じゃないの?

LINEしたじゃん」


「お店行ってからバーって……

お店って俺のとこ?」


「担当のとこだと思ったわ(笑)」


「え?

あー、担当切ったわ。

言ってなかったね」


一瞬、止まる。


「だから今のとこ

奏楽本担(笑)」


「いやいや、

何があったの?」


「彼女?とのプリクラ晒されててさ。

ガチ恋じゃなかったけど、

さすがにキモいわ(笑)」


なるほど。


「俺はそんなん無いように気をつけるわ」


「ほんと頼むよ(笑)」


――二卓かぶり。


急に、

現実味が出る。


うまく回せなければ、

崩れる。


C3へ戻る。


「ただいま!」


北斗さんがヘルプでついてくれていた。


「奏楽くんおかえり。

テキーラいただいてるよ(笑)」


嫌な予感。


「奏楽ー!飲むよー!!」


リコピン、

今日も元気すぎる。


「よし、飲むかー!」


三人でテキーラ。


一段落。


「ちょっと行ってくるね」


B4へ。


「ただいま!」


そこには、春さん。


空気が違う。


「えーー春さん!

ありがとうございます!」


「めろ、

春さんはうちのナンバーワンだぞ」


「そうなんだ!

ありがとうございます!」


春さんは、

笑っているだけなのに、

場が整う。


「最近頑張ってるからねー」


「いやいや、

まだ足元にも及ばないです」


本物だ。


こういう人が、

売れる。


俺も、

いつか。


そのためにも、

今日は落とせない。


二卓。


初めての本当の勝負だ。

よんでいただきありがとうございます。

感想、評価、レビュー思ったままにお願いします

ブックマークしていただけるよう謹んでまいります。

今後とも長いおつきあいをよろしくお願いします。

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