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歌舞伎町が僕を食べる。  作者: 夜坂ネオン


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エピソード25 ヘルプ

歌舞伎町、昨今なにかと世間を賑わせている街。


そんな場所で実際に経験したこと聞いたこと考えたこと


そんなことを織り交ぜたノンフィクション風ファンタジーです。


 ホストは、

自分の客が来ていても、

ずっとその席にいることはできない。


初回にも行くし、

他の席のヘルプにも回る。


その間は、

誰かが自分の席に入ってくれる。


持ちつ持たれつ。


リコピンとの話は、

まだまだ尽きなかった。


でも、

行かなければいけない。


「ちょっとヘルプ回ってくるね!

待ってて!」


そう言って、

席を立つ。


ヘルプは、

また別の難しさがある。


夜のルール。


年齢、

仕事、

家庭の話は、

こちらからはしない。


だからまずは、

服装や外見を褒めるところから。


できれば共通の趣味。


なければ、

相手が気持ちよく語れるものを掘る。


そして、

担当を立てる。


ヒト対ヒトだ。


苦手な人もいれば、

一瞬で噛み合う人もいる。


俺は、

元々そんなに喋る方じゃない。


だから最近は、

話題をリスト化している。


ヘルプにつく前に、

軽く目を通す。


地味だけど、

武器だ。


一通り回り終えて、

自分の席へ戻る。


遠目で分かった。


リコピンが、

手を叩いて爆笑している。


その正面に――麗。


さすがだ。


「麗、ありがとう」


「リコピン、ただいま」


「おかえりー!」


「麗さんめっちゃ面白いし、

昔の奏楽の話も聞いちゃったー(笑)」


嫌な予感。


「おいおい、

麗なに言ったんだよ(笑)」


「大丈夫っすよ(笑)」


麗がニヤニヤする。


「俺の童貞卒業を

奏楽さんがサポートしてくれた話です(笑)」


懐かしい。


今でこそ

“ホンモノ”の麗だが、

高校時代は

女子に少し奥手だった。


麗が好きになった相手が、

俺の同級生で。


恋愛相談に乗って、

間を取り持って、

付き合うところまでアシスト。


それでも手も繋げなかった麗に、


「三人で放課後遊ぼう」


と提案して、

麗の家へ。


そして俺は、


「ごめん、

学校から呼び出された」


と、

ギリギリで抜けるという演技。


翌日、

麗は真顔で言った。


“童貞卒業は

奏楽さんのおかげです”


と。


「麗は意外と奥手だったもんな」


「はい。

奏楽さんのおかげで

ここまで成長しました」


「成長しすぎだろ!」


「俺を超えすぎ(笑)」


リコピンが、

ケラケラ笑う。


「なにそれ青春!」


「三人でテキーラいこー!」


勢いのまま、

グラスが並ぶ。


「さて!」


リコピンが立ち上がる。


「仲良し記念で

三人テキーラ乾杯ね!」


テキーラが

テーブルに置かれる。


この瞬間。


これは、

営業でもあるけど。


ちょっとだけ、

青春の延長みたいだった。


歌舞伎町のど真ん中で、

高校時代の話をして、

爆笑している。


不思議な感覚。


でも、

こういう時間があるから、

この仕事はやめられない。


「よし、乾杯!」


グラスが鳴る。


――今日は、

ちゃんと覚えていよう。

よんでいただきありがとうございます。

感想、評価、レビュー思ったままにお願いします

ブックマークしていただけるよう謹んでまいります。

今後とも長いおつきあいをよろしくお願いします。

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