表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歌舞伎町が僕を食べる。  作者: 夜坂ネオン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/23

エピソード20 正解

歌舞伎町、昨今なにかと世間を賑わせている街。


そんな場所で実際に経験したこと聞いたこと考えたこと


そんなことを織り交ぜたノンフィクション風ファンタジーです。


 みくから、返信が来ていた。


「大丈夫。

担当とも仲直りしたし、

迷惑かけてごめんね。

いつか、ごめしゃんしにいくから

待っててね」


ごめしゃん。

ごめんねシャンパンのことだ。


初シャンパンが

謝罪名目なのは、

正直、少しだけ嫌だった。


でも、

それを言える立場じゃない。


「よかった。

無理せず、

担当さんと仲良くしてね」


そう返した。


それで、終わりだ。


最近、

休みの日は

りんと電話をすることが多い。


りんは、

相変わらず

窓のない部屋から

電話をかけてくる。


「今日も、

とりあえず二本。

仕事終わって、

落ち着いたよ~」


淡々とした声。


「お疲れ様。

頑張ってるね」


「奏楽は?

今日は出勤?」


「今日は休み」


「休みでも、

いろんな子に連絡したり、

私に電話したり、

大変だよね」


少しだけ、

冗談めいた口調。


「りんと電話するのは、

仕事じゃないよ」


軽く、

そう言ってみた。


少しの沈黙。


「大丈夫。

わかってるから」


りんは、

静かに言った。


「私、

この仕事の前、

キャバ嬢だったから」


「営業じゃない電話なんて、

なかったし」


「でもさ、

“仕事だよ”って

言われるのも、

ムカつくでしょ」


一拍置いて。


「だから、

今の言い方で

ワンセット」


「正解」


……りんは、

正解を知っている。


しかも、

それを

ちゃんと教えてくれる。


ホストの先輩より、

女の子目線で、

ずっとためになる。


「ねえ、奏楽」


少し、声色が変わる。


「今度、

名古屋来てよ」


「一日、

休み取るから」


名古屋。


一瞬、

頭の中で計算する。


距離。

時間。

金。


「……そうだな」


「来週、

行こうかな」


即答ではなかった。


でも、

行くこと自体が

答えだと

分かっていた。


何かが

劇的に変わるかは、

分からない。


でも、

行動することが

信用を作る

一番早い方法だ。


ついに、

動く時が来た。


予定の日。


名古屋へ向かう。


バンド時代、

名古屋は

月に一回くらい

来ていた。


機材車で、

三、四時間。


でも、

こうして

一人で

新幹線に乗るのは、

初めてだ。


仕事なのに、

仕事じゃない気もする。


新幹線で

二時間ほど。


でも、

もっと早く

着いた気がした。


待ち合わせは、

名古屋駅地下の

喫茶店。


少し早く着いた俺は、

コーヒーを頼んで、

席につく。


カップから

立ち上る湯気を眺めながら、

考える。


この一日で、

何が起きるんだろう。


何も、

起きないかもしれない。


それでも。


ここまで来たこと自体が、

もう、

一つの選択だった。


カップに口をつけた、その時。


入口のほうで、

人影が動いた。


俺は、

顔を上げた。

よんでいただきありがとうございます。

感想、評価、レビュー思ったままにお願いします

ブックマークしていただけるよう謹んでまいります。

今後とも長いおつきあいをよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ