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歌舞伎町が僕を食べる。  作者: 夜坂ネオン


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17/21

エピソード16 そうめん

歌舞伎町、昨今なにかと世間を賑わせている街。


そんな場所で実際に経験したこと聞いたこと考えたこと


そんなことを織り交ぜたノンフィクション風ファンタジーです。


 店内に入ると、

麗の言っていた通り、

思わず足を止めたくなるほどの高級感だった。


店の中心に、

大きな厨房。


それを囲むように、

カウンター席。


通路を挟んで、

仕切りの高い半円状のソファー席が

いくつも並んでいる。


奥には、

個室もあるようだった。


――そうめんの店、だよな?


正直、

想像していたものとは、

まるで違う。


でも、

初めて来た反応をするわけにもいかない。


平然を装って、

声をかける。


「どう?

そうめんのお店とは

思えないでしょ?」


「やばい。

めっちゃ美味しそう」


目を輝かせて、

続ける。


「まじ、歌舞伎」


その言い方が、

いちいち今どきで、

少し笑いそうになる。


席に着いて、

メニューを開く。


暖かいそうめんと、

冷たいそうめん。


でも、

内容は完全に

パスタ寄りだ。


これは、

かなり面白い。


……麗、ありがとう。


俺は、

明太子の冷やしそうめん。


彼女は、

すだちの冷やしそうめん。


「同伴、

頼んでよかったー」


素直な声。


「めちゃ楽しい」


「それはよかった」


そう返しながら、

一つ、釘を刺す。


「でも、

ここがメインじゃないからな」


「わかってるー」


軽く笑って言う。


「お店のほうが

楽しみだから。

まじで!」


その一言に、

胸の奥が少しだけ

熱くなる。


「奏楽くんにして

よかったかもー」


「……ほかに、

候補がいたってこと?」


冗談半分で聞くと、


「うん」


あっさり。


「SNS見て、

奏楽くんともう一人で悩んでて」


「同時にDM送って、

先に返ってきたほうに

しよーって思ってた」


「そしたら、

奏楽くんが

まじ早かった(笑)」


なるほど。


これは、

チャンスを拾った、

ってやつだ。


そうめんが運ばれてくる。


彼女は、

すぐにスマホを取り出して、

写真を撮り始めた。


パシャ、

パシャ。


その様子を見ながら、

思う。


……それにしても、

可愛い。


正直、

かなりタイプだ。


仕事だから、

そういう感情は

殺したい。


でも、

可愛い。


その瞬間、

りんの言葉が

頭をよぎった。


――覚悟、

あんのか。


そうだ。

仕事だ。


これは、

仕事。


「よし、

写真撮ったし、

食べよー!」


そう言って、

箸を伸ばす。


「ん、

美味しいね!」


彼女も、

素直に喜んでくれた。


会話も、

途切れない。


気づけば、

あっという間に

食べ終わっていた。


時間も、

ちょうどいい。


「じゃ、

行こっか」


そう言って、

席を立つ。


そうめん屋を出て、

夜の歌舞伎町へ。


同伴は、

うまくいっている。


少なくとも、

今のところは。


この流れを、

店の中まで

持っていけるか。


それが、

今日一番の勝負だった。

よんでいただきありがとうございます。

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今後とも長いおつきあいをよろしくお願いします。

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