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『気ままなポーション生活〜異世界転生したら万能薬スキル持ちでした〜』  作者: ゆう


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第24話 受け入れるか、拒むか

若返ったゆうは、その事実を前に揺れていた。

しかし森で暮らす以上、隠す必要もない──

そう思い至ったゆうは、ひとつの決断をする。

第24話 受け入れるか、拒むか


若返りの事実を知った翌朝。

ゆうは湧き水の前に腰を下ろし、

ぼんやりと自分の顔を見つめていた。


「……やっぱり、若返ってるよな」


湧き水に映る自分は、

数年前より若いどころではない。

40代前半、いやアラフォーの頃よりも整って見える。


「加工アプリじゃねぇんだからよ……」


苦笑しながら呟く。


森での生活は気楽だ。

誰に見られるわけでもない。


「でもこれ……人里に出たらさすがにおかしいよな」


一昨日出会ったティアを思い出す。

彼女と再会した時、

「別人」だと思われる可能性さえある。


(いや……俺、しばらく村に行かないって決めたんだったな)


そう思い直すと、肩の力が抜けた。


「まぁ……この森にいるぶんには問題ないか」


クロがゆうの足元に寄り添うように座り、

鼻先で軽く足をつついた。


「大丈夫だって言いてぇのか?」


クロは誇らしげに尻尾を振る。


ゆうは立ち上がり、

世界樹の鉢へ目を向けた。


小さな芽は昨日よりも少し伸び、

葉のようなものがうっすらと開き始めている。


「お前のせい……って言い方は変だよな。

 俺が水やって育ててるんだし」


ゆうはしゃがみこみ、

芽の先端をじっと見つめた。


「でも……この聖域が普通じゃないのは確かだよなぁ」


自然の空気が澄んでいて気持ちいい──

そういうレベルではない。


木々が静かに呼吸しているような、

森そのものがゆうを歓迎しているような、

そんな不思議な安心感がある。


若返りの原因がこの場所にあるのは、

どう考えても確実だった。


「……なぁ、クロ。

 もし俺がもっと若返ったら、どう思う?」


クロは迷いなくゆうの手を舐めた。


あたたかくて、優しい動き。


「そっか……気にしないんだな、お前は」


ゆうは思わず笑ってしまった。


こんな森の奥で、

誰に遠慮することがある?


村に行かなければ、

誰にも怪しまれない。


「よし、決めた」


ゆうは小さく深呼吸した。


「若返りは……受け入れよう。

 だって俺、森で暮らすんだし」


広い森、誰もいない土地、

気楽な一人暮らし。


50歳の身体より、

若い身体のほうが作業が楽なのは確かだ。


「ただし……調子に乗りすぎないこと」


そう自分に言い聞かせる。


「原因が聖域なのか、世界樹なのか、

 ポーションなのか……それはちゃんと調べる」


いくらスローライフでも、

理由を知らずに異常を放置するのは危ない。


ゆうは木の椅子に腰を下ろし、

手作りの作業台を見渡した。


「どっちにしろ、拠点づくりは続ける。

 この森で生きるための家だしな」


クロが「ウォフッ!」と吠え、

全力で賛成の意を示した。


世界樹の小さな芽は、

ゆっくりと揺れていた。


まるで──

ゆうの選択を肯定するように。

若返りを受け入れると決めたゆう。

だが、この変化はまだ序章にすぎなかった。


次回、第25話「もうひとつの変化」。

世界樹が、聖域が、ゆうの身体が──

さらに“何か”を起こし始める。

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