表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆめちゃんと猫ちゃんず  作者: ももやまゆめ
4/12

3 カイザーとキャロライン  来世でも一緒に

3話目になります

今回の猫はどんな猫ちゃんでしょう?

今日から連休じゃぁー。

とはいえニ日だけなんだけどね。

私の仕事はサービス業。どんなお客様にも大嫌いな上司にも嘘つきな同僚にも笑顔で対応していますぅ。心の中では罵詈雑言の嵐が吹き荒れる。我慢我慢。この我慢は我慢手当として給料に入ってるはずだから?割り増ししてほしー。

そして我慢と共にストレスは溜まっていく。身体にも精神にも余裕はなくなった。

そろそろ癒しがほしい。


夏の日差しが強い。暑いなー。

今日はどの癒しが来てくれるかな?

白猫のミルクだ。ミルクは真っ白で少し毛が長い。目はブルー。お鼻がピンクでとってもキュート。性別は不明。


ミルクの後ろには今日も白いモヤの塊が。

また連れてきた。

何やら桜の下でモヤとお話をしているようだ。

するとモヤが光った。だんだん人の形になっていく。これには慣れた。今回は男の人だ。

少し長めの金色の髪を青い紐で後ろでしばって、赤い瞳だ。目鼻立ちはよろしく背が高くガッチリした体型の美丈夫だ。20代半ばぐらいかな?白い正装?騎士服?耳にはブルーのピアスをしている。腰には長い剣を携えて。剣の柄にはブルーとレッドの宝石らしき物が着いている。

それって銃刀法違反じゃないですか?

手に赤いバラの花束を持ってる。

騎士様はミルクちゃんを抱いてこちらにゆっくり歩いて来る。

私は緊張した。だって剣持ってるし。


「少しこちらで待たせてもらえないだろうか?」

「ど、どうぞこちらに掛けてお待ち下さい。」

テーブルセットへ促した。

「お茶お持ちしますね。」「ありがとう。」

この間買った紅茶をだそう。お菓子はーそうだクッキーがあった。ミルクは煮干しでいいね。

お茶とお菓子を出すと美味しそうにモグモグ食べた。男の人のモグモグは以外とかわいい。

これも癒しだわ。


「貴方も虹を渡るのですか?」

「そうです。約束ですから。」

「無事に虹がでるといいですね。」

こんなに晴れてるから虹出ないんじゃない?

「虹は必ず出るとこの猫が言っています。」

「猫が言ってるんですね?」ミルク話せるの?

「申し遅れました。私はカイザーといいます。」

「私はゆめといいます。」

「ええ、存じ上げています。」

わぁ...この人も名前知ってるぅ〜なんか怖い。


このカイザーさんは騎士として活躍した人。生まれは平民で苦労して聖騎士団長にまでなった。うんうん見た目そんな感じ。

持っている剣は聖剣で教会から与えられた由緒ある剣。聖剣をもつ聖騎士は生涯未婚でないといけない。どうしても結婚するときは聖騎士を辞めないといけない。結婚したら聖剣が使えなくなるからだって。

厄介なヤツ与えられたもんだね。

カイザーさんは結婚したい人がいたんだけど聖騎士になる前にその人が亡くなってしまった。相手の人は修道院でシスターをしていたキャロラインという人。とても美しく優しい人なんだって。 顔赤いよカイザーさん。

キャロラインさんが病気で亡くなったときは、とても悲しかった。亡くなる時、二人が天国に行ったら結婚する約束をした。カイザーさんは寿命が尽きるまでキャロラインさんのことを忘れずに生涯独身を貫いた。

ふーんこの話ってなんか知ってるなー?


急にミルクが「にゃーん。にゃーん。」と鳴いた。雨がザーッと降ってすぐにやんだ。

それから、お日様が差してきて、桜から空に向かって虹が出た。

すると桜の横で白いモヤが現れて人の形になった。今度は女の人だ。パールのような艶のある白く長い髪、ブルーの瞳で大きな目。女神のような微笑みをたたえた綺麗な人。金色に光るドレスを着て胸元には赤い宝石がついた金のネックレスをしている。

うぉっ!眩しい!


「カイザー。やっと逢えた。」

「待たせてごめんね。キャロライン。」

「私たちやっと一緒になれるのね。」

「そうだよ。結婚しよう。指輪を用意してきたんだ。」ポケットから赤いケースと花束を差し出した。 

「わぁ嬉しい。ありがとう。」

「これから結婚式をしよう。」

「はい。」

「じゃあ行こうか。」

二人は手を繋いで桜に向かって歩く。

「お世話になりました。」そう言って微笑みあいながら空に向かって虹を渡って行く。


「お幸せにー。」私は手を振って見送った。

ミルクも「にゃーん。にゃーん。」と鳴いた。

虹が消えるまで。


今度は忘れ物は無いよね?椅子の方を見て確かめた。無かったー。よしよし。

虹が消えるとミルクは行ってしまった。


夕方、パートナーが帰ってきた。

今日のご飯はーそうめん大盛りで。

デザートはりんご。

食後のお茶はつめたい麦茶。

お茶を飲みながら一日の話をする。日課だ。


忘れ物は無かったことやあの剣は少しビビったとか白い髪の人初めて見たとか。

「あれは、銃刀法違反だわ。」

「剣抜いたの?カッコよかった?」

「抜いたら逃げるっす。」

「いつも思うんだけど逃げ足だけは速いよね。」

「あーそれ良く言われる。そういえば結婚式するっていってたよ。」

「ふぅーん。僕たちは?」

「しなくていいよ。」

「なんでよ?」

「こんなじゃドレス着れないしぃー。面倒くさそうだし。」

「僕ね、そろそろ真剣に言おうと思ってたんだー。」

えっ!ドキドキ!!なんだろ顔が熱くなる。

「痩せなさいって。」

「チッ!」舌打ちが出てしまった。


また夢を見た。

あの二人が白いチャペルで結婚式をしていた。

指輪の交換はあの指輪だ。赤い石がついた指輪はキャロライン。青い石がついた指輪はカイザー。お互いの色だね。

式が終わって外に出る。チャペルの外は雲の上だ。羽がつい小さな天使が飛んでいる。

天国や!ここは天国や!

私はなぜか持っていた花びらを二人にかけた。

「おめでとう。」「ありがとう」「よかったね。」

「私たち来世も一緒になるの。また、約束したのよ。」

「そっかぁ。幸せになってね。」

「ゆめちゃんも幸せになってね。」

「うん。頑張る。」何をって?

まずはダイエットかな?


そこで目が覚めた。

今日も休みだから二度寝しちゃおう。

ムニャムニャ.....。

午後からパートナーと買い物行ってー

アイス食べてー。

あっ!!ダイエットしなきゃ!!

まっいいかー明日からで。


登場猫

ミルク…全身が白い長めの毛、ブルーの瞳。

    鼻先がピンクでキュート

    近くの池がお気に入り。

さて、次回はどんな猫ちゃんでしょう?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ