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混沌から星屑を拾う  作者: 三山 千日


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18/97

目覚め ※

目覚めの7本


※一部に怪異、死、ややグロテスクな要素があります。苦手な方はご注意ください。

『おはよう、世界』


 空が白んできた。鴬が鳴いている。

 布団の中は温かく、寝る前に入れた湯たんぽもまだほのかに温かい。

 昨日は春とは思えないほど寒かったが、今日はどうだろう。暖かければいいのだが。


 さて、今日の朝ごはんはどうしようかな。

 そうだ、お味噌汁には新玉葱と玉子を入れよう。昨夜のツワと厚揚げの煮物も出して、子持ちシシャモを出してやる。

 うん、いいんじゃない?


 ぬくもりを惜しみつつも意を決して布団を捲る。うう、寒い。

 おはよう、世界。今日もいい具合にヨロシク頼む。






『不眠』


 鴬うたう

 車ゆきかう

 明るめの窓

 薄明るい寝室

 知らぬ間に去った夜

 気づかぬままに来た朝

 眠れぬゆえに目覚めぬ私






『箪笥の怪』 ※怪異注意


 婆ちゃんの箪笥の中、嗚咽が聞こえる。ひとつじゃなくていくつも。

 震える手を叱咤して、エイヤッと観音開きを開けたらば、ナフタリン臭漂う服がギッシリ詰まってた。

 どれも古臭く、すべてにクリーニングのタグが付いている。


 嗚呼、成程。可哀想に。嘆いていたのは箪笥の肥やしだ。






『あなたがいるということ』


 あなたがいるということ

 心臓を鷲掴みにされるということ

 切なさと苦しさを知るということ

 恋と愛の違いがわかるということ

 幸福を積み重ねていくということ

 失う危機の影に怯えるということ


 あなたがいるということ

 いずれ心の住人になるということ

 その存在は永遠のものということ


 あなたがいるということ






『会いに行く』


 貴方がいなくなったら、私は夢を渡り、もしくは輪廻を巡り、ひょっとすると次元をも超えてでも、貴方に会いに行くでしょう。


 大丈夫、迷子にはなりません。私と貴方には二人を繋ぐ縁がありますから。






『しといのち』 ※ややグロテスク、死要素注意


 鰯の腸に初めて触れた際、ゾッとしたのは死を感じたからだと思うのです。

 いりこのワタを取るときは感じなかった恐れでした。


 死は……いえ、命は湿潤と温度でより身近に感じられるのかもしれません。






『復讐細胞』 ※死要素注意


 貴方を壊した細胞が今、肉塊ごと目の前の小瓶の中に封じられています。

 復讐したくとも細胞相手にはどうにもできず、眺めることしかできません。

 なので、ずうっと眺めていようかと。

 その細胞の一片までもが朽ちるまで、その死を。

おはよう、世界 2024.3.22

不眠 2024.3.26

箪笥の怪 2024.3.27

あなたがいるということ 2024.3.28

会いに行く 2024.3.29

しといのち 2024.3.29

復讐細胞 2024.3.29

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