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混沌から星屑を拾う  作者: 三山 千日


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15/75

黒と夢 ※

よくない黒、いとしい黒、儚い夢、おろかなものの詰まった7本


※一部に鬱要素が含まれます。苦手な方はご注意ください。

『黒』 ※風刺


 黒に限りなく近いグレー

 暗くなるほど見えにくくなるから

 黒に近いほどわるいやつらが好き勝手するの


 わるいやつらは黒が好き

 でもわるいやつらだから黒を白に塗りたがる


 好き勝手 やりたい放題

 白から黒へ

 黒を白に


 白にすら取り繕わなくなったら

 もうおしまい






『いとしき黒猫』


 黒猫の何が好きって、

「そうです、私は夜の化身でして。

 ほらご覧なさいな、この闇に紛れる漆黒艶々な体躯。

 物音を立てないところも夜の静寂を思わせますでしょう。

 それにね、私の目ときたらまるで、輝く月かはたまた煌めく星か至極の宝石のようだと思いません?

 はーどっこいせ」

ってすぐ隣で寝転がるところ。






『春と命』


 空気がキンと冷たい日、幼なじみが袖を引く。

 指さす先は紅椿。濃緑の葉に紛れて紅が、黄を抱いて狂い咲き。


「もっとよく見てごらん」

 小声に目を凝らしたならば、蜜泥棒……もとい、恋の仲介役がそこにいた。

 紅に埋もれる苔色、若葉色、春の鳥。愛らしいその姿。羽毛に散る黄。命のやりとり。

「春だね」


 朗らかに笑うその足元には落ちた花。

 傷み、褪せ、潰れ、腐る花の九相図。あまりにも潔い朽ち様。


 沈黙する命もまた春を報せる。






『女の子の夢』


 ママの秘密の花園はハイヒールの箱だった。

 お洒落な包装紙をキレイに貼りつけた蓋を開ければ、手製のドールハウスになっている。


 レースの天蓋、雲のようにフワフワなラグ、アンティークの調度品、可愛い食器。

 そのドールハウスにはママの理想と夢が詰まってた。

 最後はまるごとゴミ捨て場に行った夢が。






『才能と価値』


 私にはなんの才能も価値もないんだと自覚した瞬間、笑えた。

 笑って泣いてひとしきり叫んだ後、ふと疑問が湧く。


 才能ってなにと比較して?

 価値って誰の、なんの為の?


 答えはわからなかった。当然だ。

 私と別の何かを比べる必要なんてどこにもないのだから。






『おろか』 ※鬱要素注意


 何気ない発言が誰かの毒になること。

 自らの発言が巡り廻って毒となって戻ること。

 他者の発言を盾にすれば、悪ノリの免罪符になると勘違いしている輩。

 都合のいいものだけしか見ない者。

 都合の悪いものばかり見てしまう者。

 仕様がないの積み重ねが誰かの不幸になること。


 どれも見た。






『反』 ※鬱要素注意


 素通りすればいい。

 横目で一瞥し、素早く目を逸らし、或いはそっぽ向き、

 内心嘲笑い、蔑み、臭いものに蓋をして、

 識らぬふりをすればいい。

 ドブネズミはここにいる。

黒 2024.02.23

いとしき黒猫 2024.3.01

春と命 2024.3.02

女の子の夢 2024.3.02

才能と価値 2024.3.08

おろか 2024.3.08

反 2024.3.08

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