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混沌から星屑を拾う  作者: 三山 千日


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13/76

ねむりねむる ※

夢を覗く7本


※一部に暗め、鬱要素があります。苦手な方はご注意ください。

『呪/祝』 ※暗め注意


 あなたに恋はやめました。

 愛することはもう二度とありません。

 代わりに心の底から呪いましょう。

 あなたが知れば狂うような恐ろしい呪いを。

 だから密かに呪ってあげます。


 ――幸せになれ。

 ――私が絶望するくらい幸せに。

 ――まわりを不幸にしてでも幸せに。

 ――あなたの幸せが皆を苦しませるほどに。


 あなたは人の不幸に埋もれながら幸せになれ。






『月の魚』


 月面の"静かの海"をテクテクと、俯きながら歩いてる。


 零れた涙は宙に浮き、いつか海へと還るでしょう。

 "静かの海"が涙で満ちて、やがてこの身を浸す頃には、失った故郷を忘れられているのでしょうか。


 私は魚。

 昔は青い星の、青い海にいました。






『ゆめうつつ』 暗め注意


 夢で逢いましょう。

 あなたは此処にいらっしゃらず、

 私にあなたを連れ戻すすべはないから。


 夢で逢いましょう。

 あなたは彼岸にいらして、

 私はヨモツヒラサカには参れませんので。


 ですので、せめて夢で。






『おはよう』


 お日さまもお寝坊してる冬の早朝。

 あなたは無粋なアラーム音に引っ張られ、夢の深海からうつつの浅瀬に。


 私におはよう、なんてまだ誰も言ってくれなくて、のろりと布団から這い出るんだ。


 おはよう、朝だよ。じき、お日さまも目覚める。

 まずは顔を洗って、コーヒーを淹れようか。






『春の夢』


 大きな、鯨ほど大きな鳥の羽ばたきを聞いた。

 ゴオと音がして、山のすべての木々が靡くような強い風。なのに命の息吹を感じるぬくもりがあった。


 春の前触れか、はたまた冬への子守歌か。

 未だ訪れぬ春を思いながら、私は再び午睡に就く。






『孤』 ※鬱要素注意


 真っ黒な夜

 強い風

 波の音

 紫煙

 無言

 味のない酒

 空の酒瓶

 吸い殻

 割れたスマートフォン


 それでも朝は来る

 明日も来る

 何度でも






『独』 ※鬱要素注意


 そっと囁け、助けて、と。

 誰も気付きゃしないから。


 気付いたとて、誰も助けてなぞくれないよ。

 遠くから俯くオマエを眺めるだけさ。

 その口を笑みで歪めて。


 だからオマエは立って、前だけを見て、歩くしかないのさ。

呪/祝 2024.02.14

月の魚 2024.02.14

ゆめうつつ 2024.02.14

おはよう 2024.02.15

春の夢 2024.02.16

孤 2024.02.19

独 2024.02.19

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