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精霊界のノル・クァイン〜無腕無敵の最強騎士伝説〜  作者: 凡風
〜精霊騎士養成大学校 決闘編〜
49/51

4−11 こういう雰囲気

場面転換的な感じなので短いです。

もうちょっとで今章終わると思います。よろしくお願いします。

「ちょ、ちょっとちょっと。これは正式な決闘なんですよ、いくらご高名なアミグダリア様とは言え困ります」


 超がつく有名人の乱入により会場は一時騒然となった。


 ルルーデは、慌てて駆け寄ってきたハリソン教導官の手から音声拡張魔導具(マイク)を奪い取ると、会場に向けて高らかに宣言する。


『突然ごめんなさい。でもお願い。この決着は、このルルーデ・アミグダリア・レド・ジエル……騎士候補生教導統括長の名において預からせて貰います』


「……いいわね?」


 ルルーデはマイクを通さない声で改めて見届け人のハリソンへ許可をとった。

 ハリソンは一度だけ肩をすくめて見せ、ビシッと姿勢を正す。


「そう言われちゃ、俺は何も言えませんね……はっ! 見届け人として、了承いたします!」


「あなた達もそれでいい?」


 いつの間にかアレクサンドラが評議会員を率い、決闘場内へ駆けつけていた。

 会長のアレクさんを先頭にして横に並び、全員面を復し、膝をついて敬意を表している。


「……はっ、もちろんでございます。今のエスクエラに、貴方を超える権限をお持ちの方はいらっしゃらないかと」


「そ、そういうのに頼るの、本当は嫌なのだけれど……でもこの場は、それで収めたいと思います」


 責任関係をはっきりさせてから、ようやくルルーデは決闘者(ノル達)の方へ体を向けた。


 それとほぼ同時に、ノルやレクススの名を呼ぶ声が聞こえてくる。

 声がする方へ振り向くと、フューエン達やレクススの取り巻き、関係者たちが一堂に集まってくる所だった。


 これだけの面子が一堂に会するのであれば、このままここで話をつけてしまおう。

 そう思ったルルーデはハリソンに人払いを頼もうとしたのだが、まだ名前を聞いていない事に気が付く。「えっと……」と言い淀むルルーデを見て、ハリソンは先に口を開いた。


「ハリソンです、ハリソン・クロス・ブラックウッド。エスクエラで教導官をしています」


「ハリソン教導。申し訳ないのだけれど、あとはこの場にいる当事者同士で話をつけようと思うの」


 ルル姉はちらりと観客席に視線を向けながらマイクをハリソン教導へ返した。

 意図を察したハリソンは、観客に向けて指示を出す。


『諸君。申し訳ないが、決闘はこれで終わりだ。結果は追って張り出すとする。解散!!』


 そう伝えると今度は違った雰囲気で会場がどよめいた。


「えー! せっかくあの伝説のアミグダリア様を拝めたのに!」


「お噂以上にきれいな人!」


「もうちょっと居させろよー!」


「そうだそうだ! 初めてお会いするんだぞ!」


 瞬く間にブーイングが起こった。上の者に対して口答えをするなどと、立場が物をいう貴族社会、ましてや上下関係が厳しい軍に近い騎士の世界において、本来こんな事はあり得ない。

 だがハリソンの人柄をよく知っている付き合いが長いアンダーナイトたちには容赦がなかった。


 上官の前で晒された醜態にハリソンは流石に焦る。


「あ、アミグダリア様、これは……」


「くすくす、いいじゃないですかハリソン教導。貴方のお人柄がよく知れます。こういう雰囲気、私は嫌いじゃないですよ」


「面目ございません……『くぉおらぁ!! 祭りは終わったの、いいからお前らは大人しく帰れ! アミグダリア様は本日から騎士候補生教導統括長としてこのエスクエラに配属されるんだ! 運が良ければいつでも会える。それにこっちも後日改めてお披露目の式典があるから、それまで待ってろ……このひよっこども!!!』」


 本性が知られてしまったハリソンは取り繕うのをやめてストレートに伝えた。

 今度は言いたいことがきちんとみんなに伝わったようで、やがて観客席からは人がいなくなった。

ご精読ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

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