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精霊界のノル・クァイン〜無腕無敵の最強騎士伝説〜  作者: 凡風
〜精霊騎士養成大学校 決闘編〜
43/51

4−5 好みは?

よろしくお願いします。

「ま、どういう事情かは大体分かったわ。一家安泰のために相手を探していたなのなら、最初からそう言えばいいのに。私はてっきり、醜い性欲がおもむくままに何かしようとしてるんだと思っていたわ」


「言いがかりも甚だしいですね、この心的苦痛はどこへ訴えればいいですか?」


「うーん、自業自得なところもあるから、なんとも言えないかな」


 エレーナが事情を把握したところでミーティングが再開された。


「人の感情を動かすことに秀でた、娯楽の国(ウンタール)出身者のエレーナさんが加わりますと大変心強いですわね」


 ルディが言うように、エレーナの出身国であるウンタールは、ルルティアの一つ前に生まれた第六の国で生業を娯楽としている愉快な国だと聞く。

 世界中に溢れている、音楽、芸術、芸能、文学からテーマパークなどの遊戯施設の運営に至るまで、人が楽しみを見出す娯楽にあたるものはウンタールが排出している。


 そのためなのか、国民性は感情表現の豊かな芸能人気質な人柄が目立つらしい。


「えっと、ボクも一応……出身はウンタール、なんですが」


 と自信なさげにつぶやいていたヤンはひとまず置いておくとして。

 得意な人が現れた途端、自然とその人物に注目が集まる。誰が言い出したわけでもなく、ここからはエレーナが場を回し始めた。


「先に言っておくけど、私が関わる限り中途半端は許さない。必ず相手をゲットするまでこの集まりは続けるから……いいわね?」


「「「お、おう……」」」


(これでフューくんと頻繁に会える♪)


 心の声が漏れて聞こえてきていたけれど、僕は聞こえなかったことにした。

 動機なんてどうでもいい、心強いのは確かだしいいじゃないか。それがwin-winの関係なら後腐れもしない。


「とりあえず、ぶっつけ本番だとアンタは何やらかすか分かったもんじゃないわ。一度練習……ロールプレイング形式の特訓をします。次の星の日に教室を抑えるから、時間を合わせてまた集まりましょ」


「えー! 休みの日にやるんですか!?」


「当然でしょ? 曲がりなりにもあたしたちは騎士候補生なんだから。それにサボって恋バナなんかするよりも、一生懸命講義や訓練に臨んでいる方がモテるわよ」


「最初から休みの日にやろうと思っていました」


 キリッと言い直してもねぇ。なんだか締まらない。

 これはこれでお調子者のいいキャラをしていて、僕は好きなのだけれど……本気で騎士を目指すような真面目な人とは、元々相性は悪いのかもしれない。

 エレーナが言うように、念には念を入れた方が賢明だろう。


「まずは参考程度に、あんたの好みを聞いておこうかしら。参考にもならないかもしれないけど」


「ちょいちょい失礼ですよねアナタ……あ、改めて聞かれると、ちょっと恥ずかしいですね。うーむむむむ……やっぱり、その、本心を見せてくれる人、ですかね」


 ヤンの答えが意外でみんな一瞬ポカーンとしてしまった。


「意外……そんなピュアな返事が返ってくるとは思わなかったわ」


「ああ、俺はてっきり胸がデカいとか、顔がいいとか言い出すのかと思ったぜ」


「ち、ちなみにフューくんは? どんな女の子が好みなの?」


「俺か? 俺はそうだな、生き様がカッコいい女かな。真っ直ぐで、何にも揺らがない信念を持っている人の力になりたい」


「そういう抽象的な答えじゃなくて! 顔のタイプは可愛い系? 綺麗系? 髪の長さは、長いのと短いのどっちが好み? あと身長は……」


「そんな一気に聞いても答えられないでしょう……てか、ボクの話はどうなったんですか?」


 暴走しかけたエレーナは、視界に割り込んできたヤンの不満げな顔を見て冷静になったようだった。


「はいはい、そうだったわね。抽象的なのはあんたもそうよ、本心を見せてくれるかどうかなんてパッと見で分からないじゃない。あたしの友達を紹介する訳じゃないんだし。こういう時は、見てわかる範囲の好みを言えばいいの、カッコつけないでよね」


 冷静にはなったものの、やや不機嫌そうではある。


「見た目ですか……まあ、綺麗系よりは癒されそうな可愛い系の方が好きだと思いますよ」


「ノルくんは?」


「え?」


「ノルくんの好みは?」


 突然振られたから一瞬何のことかと思って聞き返してしまった。

 なぜかエレーナは僕にまでその話題を振ってきた。


「みんな言ったのにノルくんだけ黙っているのは不公平でしょ? いいから教えて」


 別に言いたくない訳じゃないからいいんだけど。でも何故かクァインの方を気にしているのはちょっと気になった。


「僕は、そうだね。年上の女の人と過ごす時間が長かったから、そういう人と過ごすのが好きかな」


「年上好き、ですか」


「そう聞くとノルだけなんか生々しいな……」


「あでも、年下の女の子ってあまり話したことないから新鮮で楽しいかもしれないね」


 そう言うと、みんなは温かい目を僕に向けてきた。


「なんだかノルくんって下心を全然感じないのよね、不思議」


「あ、やはりエレーナさんもそう思われるのですね。あたくしもノル様からは男性的なオーラをほとんど感じませんの」


「それって褒められているのかな? ねえ、クァイン」


「ノルはノルのままでいい」


 そう言うとクァインは、僕をそっと後ろから抱きしめて頬擦りをしてくれた。


「褒めているかどうかというよりは……ただの感想ですかしらね。好意的なのは同じですが」


「あ、そうだ。それよりもフューくんの好み。他の人はみんな言ったんだから、フューくんも教えてよ」


「ん? ああ、それもそうか。俺の好みは………」


 僕たちはいつの間にか話しに夢中になってしまい、周囲へ気を配ることができていなかった。

 だからもしかしたら、声が思っているよりも大きかったのかもしれないし………。


「庭の隅っことはいえ、いちゃいちゃいちゃいちゃと………浅はかで低俗な輩が、我々アンダーナイトの威厳を損なわないで貰えるかな。君たちのように間違って入学してしまった不適合者は即刻。エスクエラの格式を損なわぬうちにいち早く! ………出ていって、貰いたい」


 少なくとも、この人が近づいてきていることに、誰も注意を払っていなかった。

はみ出し設定資料〜精霊界の曜日編〜

ふうの日、の日、すいの日、の日、の日、せいの日、(あん)の日

以上、精霊魔法の属性を司った7曜がある。イメージ的には風の日=月曜日〜に該当します。

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