4−0 エスクエラの印象
今章のプロローグ的な1話です、よろしくお願いします。
最上位精霊体『悪魔』の襲来で試験はてんやわんやに終わった。
幸いなことに、露天風呂以外にいた人たちは精霊魔法で眠らされていただけで被害はほぼなし。
試験結果が決まった後に起こった出来事だったのため再試験の必要も生じなかった。
被害らしい被害といえば、アレクサンドラさんから脅される事になった僕と、山の中で眠らされ、虫に食われまくって凄まじい事になったリードくらいだろう。
主人であるルディを筆頭に、その顔を見たみんなは一様に笑い転げた。あの仏頂面が板についたレイチェルでさえ吹き出しそうになっていた。顔を背けて隠したつもりだろうけれど、肩が揺れていたのを見逃さなかった。
報告を受け、事態を重く受け止めた中央評議会と精霊騎士団は最終試験を中止。
これは試験とは名ばかりのエキシビジョン的な催し。個人の能力を見るついでに合格者の順位を決めようというトーナメント戦。後から聞いたところによると、戦闘が得意でなければ棄権が許され、よほどの事がなければ失格にはならないらしい。
やる気に満ちた一部合格者から若干の不満がでたものの、アレクサンドラさんが持ち帰った(僕に関する事以外の)ルシファーについての情報を基にした調査や、防衛方針の検討など……まあ、要するにバタバタして棚上げとなった。
そういうことで、試験中に仲良くなった受験生たちも含めた僕たちは、晴れて精霊騎士候補生……アンダーナイトとしてエスクエラに迎えられたのである。
「第……何期生だっけ? ………まあいいや、どうせこのオリエンテーションが終わったらバラバラになっちゃうんだし。みんなー、お互いの顔をよく見とけよー、今覚えないと同期の顔忘れるぞー……んんっ、とにかくまあ、なんだ、新アンダーナイトさんたち、入学おめでとうございまーす。みんな仲良く上を目指して、世の中の役に立つ立派な精霊騎士になってねー」
オリエンテーションを担当した幼い見た目の個性的な女性教導官が言っていたように、施設の使い方など、最低限のレクチャーを受けた後は実力主義の社会にただただ放たれる。
磨くも、サボるも、休みさえも自由。問われるのは結果だけ。見られるのは実力だけ。
それが精霊騎士養成大学校、通称エスクエラの印象だった。
ご精読ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。




