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精霊界のノル・クァイン〜無腕無敵の最強騎士伝説〜  作者: 凡風
〜精霊騎士養成大学校 入学試験二次試験編〜
23/51

3−4 周辺地形の掌握?

よろしくお願いします。

 女子たちが入浴に向かった。

 ヤンがおもむろに口を開いた。


「覗きに行きましょう」


「正気か、お前....試験中だぞ?」


 今、部屋には僕とヤン、フューとフリードリッヒくん。男子しかいない。

 ちなみにクァインもみんなと一緒にお風呂へ行って貰った。もちろん二つ返事とはいかず、半ば無理やりに連れて行って貰った。

 流石にお風呂は、ねえ? 一緒は無理だ。


「....アテはあるの?」


「おい! ノルまで。どうしちまったんだ急に」


 僕の質問にヤンはニヤリとほくそ笑んだ。


「いい質問ですね。施設の裏手に小高い山があります。ノルくんたちを待っている間に、施設の見取り図と周辺の地形を照らし合わせあせ.....絶好のポイントを見つけておきました」


「あの時か....お前、そんな事を考えていたのかよ」


「フューくん」


「な、なんだよ」


「ここには、身分が高い貴族の令嬢子息が多く宿泊しています。周辺警戒をするのは間違ったことでしょうか? ハリソン監督官による注意事項の中には、外出禁止の言は含まれていませんでしたよね」


「そ、それは....」


「自分たちの身の安全を守るために調査を行なっていたら、偶然...そう、偶然にも視界に入ってきてしまった....それは覗きと言えるでしょうか」


「覗きだろ」


「ヤンくんすごいや、ぐうの音も出ない。君はエロいことになると知能が上がるタイプの人なんだね」


「ノルくん、そう褒めないでくださいよ。照れるじゃないですか」


「褒めてないと思うけどな」


「でもそこまで間違った事も言っていないと思うよ」


「だから問題なんだよ! 確かに、敵が隠れていそうな場所を予め調査しておくことは、騎士として何も間違っていない....」


 僕は憤るフューに顔を寄せて小声で話しかける。


「ねえ、アレは1人でも行くよ。失格し(やり過ぎ)ないためにも、ついて行った方が良いって」


「ノル、お前そこまで考えて.....」


「それになんだかすごくワクワクするじゃない? こういうの」


「お前もかよ!」


 覗きがと言うよりは、同年代の男の子とするノリのようなものが、だけど。


「仕方ねえ、俺も行くよ。フリードリッヒお前はどうする? 残るか」


「....いや。おれも行くよ」


「「「むっつりスケベ」」」


「違うよ!」


 フリードリッヒは言葉を詰まらせながら弁解を述べる。


「おれは、その。戦い方に、地形が大きく関係してて。何か、あったら。おれはお嬢様を守らないと、だから」


「決まりましたね。それではオペレーション・エンジェルの開始といきましょう。目標を仮にB地点とします。総員、出動!!」


「「お、おー」」


 * * * * * * 


「みてみて、すっごーい大きな露天風呂! 気持ちぃい〜」


「あんまりはしゃぐと転びますわよ。まあ、悪くはないですわ」


「....あ、ごめんねマリアンヌちゃん」


「くす、いいえお気遣いなく。見えなくても、ちゃんと感じております。空気の流れ、音の反響などで空間の広がりは分かるのでございますわ」


「うわ、それにしてもマリアンヌちゃん。服脱ぐとちっちゃくて可愛い〜」


「あはは....お帽子とお洋服で少々、サバを読んでおりまして、お恥ずかしい限りでございますわ」


「恥ずかしいことなんかないよ。マリアンヌちゃんを守りたいって言う男の子、いっぱいいると思うよ」


「もう、いい。私はノルのところへ....」


 年頃の女子のノリに耐えきれず踵を返すクァイン。すかさずルディが腕を掴んで止めた。


「待ちなさい! まだ湯船にも浸かっていませんのに!! 何しにきたのか思い出しなさいな。洗ってもいない汗臭い体で、殿方に使えるおつもりですの?」


「....っぐ」


 ノルのことを出されてはクァインも弱い。ルディの説得は的確だ。

 クァインは渋々抵抗をやめた。


 そんなやりとりを何気なく目で追っていたエレーナは、クァインの絞り込まれたボディラインに気がついて目が釘付けになった。


「く、クァイン....すっごい綺麗な体。すらっとしてて、肌もきめ細かくて色白。バランスいいな〜。見てよ、あたしの中途半端なこの体型、ぷよぷよ....うらやましいな〜」


「エレーナさんくらいが1番女の子らしくて魅力的ですわよ」


 そういうルディも無駄のない曲線美を披露している。


「ぐぬぬ....これが持てる者の余裕か!」


「ははは」


 エレーナも言うほど太っているわけではないが、比較対象のせいで肉付きがよく感じてしまう。太い細いは相対的な用語であるとエレーナは強く感じた。

 そういった話には参加したくても中々難しいマリアンヌ。乾いた笑声が虚しく響いた。


 そんなこんな。いつ洗っていつ風呂に浸かったのか。無言のまま粛々と入浴を済ませたレイチェルは早々と風呂から出て行こうとする。


「レイチェルさん、もういいんですか?」


「....長風呂の趣味ない」


 その後ろ姿を、体を洗いながら羨ましそうに見送るエレーナ。


「うっわ....レイチェルさんの体もすっご。あの長身にあの胸、極めつけはあの尻ですよ。爆裂魔法ですかっての。足も長いし」


「淑女はシリとか言わないんですの....まあ、もしあたくしが男なら、間違いなく放っておかないですわね。アレは」


「....私も、もうあがる」


 体も洗ったし、さあ今度こそと立ち上がったクァイン。

 だがまたしても、今度はエレーナとルディに両脇を固められてしまう。


「だーめ」


「ダメですわ」


「なぜ」


「ノル様とのご関係、気になりますの」


「そうそう。女湯(ここ)でしか女同士で話せないんでしょ? じーっくり聞かせて貰うから」


「うぅ、の、ノルぅ........」


 クァインはそのまま、ずるずると湯船に連行されていった。

ご精読ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

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