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盲目の鴉  作者: かわしま
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一幕 雨男①


入学から約一ヶ月が経過しようとしていた。

世間は、ここ数年猛威を奮っていた新型のウイルスに少し慣れたというか耐性がついたのか、やってくる大型連休を心待ちにしている様子であった。


僕も連休は実家に帰ろうかなとか、所属した軽音楽サークルの新歓があるので楽しみだな、とか色々考えていたが、それでも頭を離れないのが、


初めて投稿日に出会ったヘッドホンの彼女だった。



どうやら彼女は同じ大学の同級生であったようだった。


学科は心理学科のようで、共通科目で何度か同じ教室で見かけることがあった。名前は「伊桜 美知」と書いてイサクラ ミサト、という名前らしい(教授に出席を取るときに、なんと読むのか聞かれて答えていた)。


大学に友人はおらず、時折学食の4人がけの机に一人で座り、難しそうな本を読んでいるかと思えば、ヘッドホンで大音量で音楽を聞いているのが漏れているようで、つまるところ、避けられているような、ボッチ女子のような感じだった。


でもそれを気にしていないようで、一人でふわふわと授業を受けており、

(意識はしていないのだが)目を離せないような、不思議な感覚を継続して覚えていた。


大学が終わり、そういえば今日は、毎月購読している漫画雑誌の発売日だった、という事に気づき、

いつものバスに乗らず、大学から徒歩20分ほどの場所にある繁華街に向かっていた。


夕暮れ時で、オフィス街も近いことから、仕事帰りのサラリーマンや買い物に訪れる主婦も多く、人は結構出歩いている様子だった。

僕はお目当ての雑誌を買い、帰りに少し買い食いをしようと思い、そこから家まで向かう別のバスに乗るためにバス停に向かおうとしていた。


横断歩道で信号待ちをしているとき、小さい女の子がドン、とぶつかってきた。


「あ、ごめんなさい、急いでて…。」


そう言い残し彼女は走り去っていき、あっという間に見えなくなった。


その後すぐに、黒いスーツに身を包んだ2人の男が走っていった。

なんとなく、関わってはいけないような直感に襲われた僕は、その場を去ろうとした。


その時、その2人の男を追いかけるもうひとつの影があることに気付いた。


例の彼女、美知であった。


フードは被っていたが、特徴的なピンクのパーカーだ、人混みの中でも目立って見えた。


ヘッドホンを口元に向けて、走りながら、ブツブツと何か喋っているような気がした。


僕は彼女の姿に惹かれ、関わってはいけない、という直感があったものの、只事ではない、非日常的な何かを感じ、

後をつけてみることにした。

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