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悪役令嬢に転生してしまった。だから、私を裏切る婚約者の事を絶対に信じません!  作者: 絶華 望(たちばな のぞむ)


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夏合宿(民宿)

読み方

「」普通の会話

()心の声、システムメッセージ

『』キーワード

<>呪文


 色々とハプニングはあったが、その日、ミリアとフレイアは泳げるようになり、全員で遠泳のトレーニングを行えるようになっていた。夕方になり、男性陣と女性陣に分かれ、それぞれ宿に戻った。


 女性陣は民宿の部屋で、浴衣姿で夕食を待っていた。

「ねぇ、ミリア。なんで民宿を選んだの?」

(ここにはロイヤルホテル以外にもシーサイドホテルとか、色々な宿泊施設があるのに、何で民宿?セキュリティの面からもホテルの方が何かと便利なはずなのに……)


「それは、セリアの提案よ」

「え?セリアの提案だったんだ」

「そうよ、合宿と言えば民宿でしょう」

 セリアは自信満々に言い放った。

「そうなの?」

「ホテルの高級料理も良いけど、海の近くにある民宿で出される新鮮な海鮮料理!これこそが合宿のだいご味よ!」


 セリアは剣道の合宿で出された海鮮料理の味を思い出していた。

(プリプリの刺身、民宿独特の家庭的な料理の数々。そして、何よりも量が多い!)

「セリア、よだれが出ているよ~」

「姉さん!何やってるの!?私の評判が落ちちゃうじゃない!」

 ミリアはセリアから体の主導権を奪い、口を拭った。


(ああ!ご飯は、ご飯だけは食べさせて~~~~)

(はいはい、ご飯の時は変わってあげるから、それまでは大人しくしててね~)

(は~い)


「話は変わるけど、フレイア、だいぶ強くなってるみたいね」

 ミリアは、昼間にフレイアから受けた攻撃から、フレイアが土属性の強化魔法を達人レベルで習得しつつあると判断していた。

「そう?お父様にはまだまだ未熟だって言われてるんだけどな~」

「え?フレイアって授業で魔法を習ってるんじゃないの?」


「え~っと、最初は授業に出てたんだけど、エースと会って、事情を話したら私のお父様から魔法を習った方が良いって言われて、お父さまに相談したら、普通の鍛え方ではダメだって言われて、それからお父様直々に私に指導してくれているわ」

「ちょっと待って、フレイアのお父様って確か昔、エースのお父様と魔法師団長の座を争っていた魔法使いで、『黒鉄クロガネのコーエン』って呼ばれてた魔法の達人だよね?」

(『黒鉄のコーエン』ってフレイアとの親密度を上げると出てくる教官だったわね。確か、魔法発動に関係する便利なスキルを教えてくれる教官だったはず。フレイアの父親だったんだ)

 ミリアとフレイアが会話している裏で、セリアはゲーム内の設定を思い出していた。


「そうそう、だから、なんか、詠唱なしでもイメージを明確に保ち、いつでも、どんな状況でも常に複数の魔法を発動し、効果を維持できるような特訓を受けてるんだよね」


「え?それってすごい事やってるよね?」

(ゲーム内で言ったら、無詠唱スキルと二重詠唱スキルと魔法効果延長スキルを取得してる状態だな~。って、この段階で習得できるスキルじゃないじゃん!)

 セリアはフレイアが取得しているスキルがゲーム終盤でようやく身につけることが出来るものばかりで驚いていた。

「そうみたいね」

「フレイアって天才だったの?」

「お父様は何も言わないわ。あと、授業にも出てないから他の人と比べたこともないし……」

(これは、授業にでたらヤバい事になりそうね。というか、ある意味チートだ)


「多分だけど、魔法戦でフレイアに勝てる生徒は居ないかもしれないわ」

「え~、そんなことないよ~。だって私、攻撃魔法はまるで才能が無いもの」

「そうなの?」

「うん。なんか相手との距離を見極めるのが下手らしくて、近くなら当てられるけど、遠くだと完全に目測を外しちゃうんだよね……」

「そうなんだ」

(フレイアは、ゲーム内でも近距離の命中率は悪くないんだけど、遠距離攻撃の命中率は0だったわね……)


「ところで、マリアは回復魔法を覚えた?」

 ミリアはマリアにも話題をふった。

「はい、言われた通りに魔法の授業を受けたら驚くほど簡単に習得出来ちゃいました。セリアが言っていた意味が良く分かりました」

「そう、順調で良かったわ」

「あ、でも、実践経験が無いので模擬戦をしたいのですが、何故か誰も相手をしてくれないんです……」

「え?そうなの?」

(ユリアの仕業か?だとしても、平民や王家派閥の人間まで手を回せないはず。となるとマリアに問題がありそうね)

 ミリアはマリアが模擬戦の相手が居ない理由を何となく察した。

「なら、私が相手になってあげる」

 ミリアは、マリアの実力を測ることにした。

「じゃあ、私も……と言っても、私に出来るのはサンドバックだけだけどね」

 フレイアは親切で申し出た。ただし、攻撃魔法はノーコンなので的にしかならない。


「二人ともありがとう」

「良いのよ」

 ミリアは笑顔で返事をした。

「そうそう、私たち友達なんだし、困ったことがあったら言ってよね」

 フレイアも笑顔で返事をした。


 そんな話をしていると、海鮮料理が運ばれてきた。

(おお~~~。待ってました~~~~)

 セリアのテンションが上がっていく。運ばれてきた料理は、とれたての魚をさばいた刺身と、魚の煮つけ、魚介類の天ぷらに、サラダと刺身のマリネなど、民宿に相応しい料理が並んでいた。

(あれ?でも、文化的にどうなんだ?ゲームだと中世西洋風だけど、回復アイテムとかゲームグラフィックでは日本食や中華料理っぽいのも出てきてたな……。武器も和洋折衷だったし、この世界もゲーム準拠だと考えるとなんでもありなのか?まあ、考えても仕方ない。美味しい刺身が食べれる事を喜ぼう)

 セリアは、美味しい料理が食べられれば理由は何でも良かった。だから、考えるのをやめて料理をむさぼった。


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