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悪役令嬢に転生してしまった。だから、私を裏切る婚約者の事を絶対に信じません!  作者: 絶華 望(たちばな のぞむ)


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ゲームオーバー1

読み方

「」普通の会話

()心の声、システムメッセージ

『』キーワード

<>呪文


(それにしても占いって面白いわね。ミリアって自分とアルトの将来は占ったことないのよね?)

(うん、お母様には占ってもらったけど、自分でやったことは無いわ)

(なら、お姉さんが占ってあげる♪)


 セリアは、東屋でおもむろに立ち上がり、占いを始めた。

「ミリア、急にどうしたの?」

 隣に座っていたマリアが怪訝な表情で問いかけた。

「ああ、気にしないで、ちょっと占ってみたいことがあるの」

「分かった」


 セリアの体から黒い魔力が立ち上り、カードがセリアの手から浮き上がり、球形を描いてシャッフルした後で、セリアを中心に一列の円形になり、回転を始めた。そして、一枚のカードがセリアの眼前に現れた。


「16番、塔、逆位置、世界は征服される……」


 セリアは、イメージを見た。




 目の前には、黒くうごめく何者かの大群、それを阻む城壁、城壁の上には騎士たちが立ち並び、黒くうごめく何かを撃退していた。


「お願い!持ちこたえて!」

 純白のドレスに身を包んだマリアが、聖剣『陽光』を掲げて騎士たちを鼓舞していた。

<全知全能の神よ我に力を!ホーリー・プロテクション>

<全知全能の神よ我に力を!ブレイブ・ハート>

<全知全能の神よ我に力を!エンチャント・ホーリーウェポン>

 そして、魔法で騎士たちを強化し、黒い軍勢に攻撃を仕掛る。


<全知全能の神よ我に力を!ホーリー・レイン>

 マリアの眼前に巨大な魔方陣が出現し、魔方陣から無数の光の帯が黒い軍勢に放たれる。黒い軍勢の一部が消滅する。追い打ちをかけるように騎士たちが矢を放った。聖なる光が付与された光の矢の雨が黒い軍勢を消していく。だが、それでも一部を削ったに過ぎなかった。


(なに、この光景、見たことが無い……)

 セリアは茫然と目の前の光景を見ていた。

(というか、なんでマリアが『陽光』を装備しているの?あれは、アルトの物のはず)


「マリア、もう無理よ!退きましょう」

 フレイアがマリアに話しかける。

「ダメよ!ここを突破されたら王国は滅びる。分かっているでしょう?」

「でも、どうしようもない。もう、こちらの兵力は1000を切ったわ。相手はまだ10万は居る。私たちだけではどうすることも出来ない」

「それでも、ミリアは言った『不安に打ち勝ち前進するとき、あなたの道に勝利はもたらされる』って」

「それは、昇格試験の時の占いでしょ?」

「そうだけど、それでもあの時、私がもっと早く勇気を出せたのならアルト様は死なずに済んだ。今回はきっと道を開けるはず」

「あれは、あなたのせいじゃない!それに、今は逃げるべきよ」

「逃げてどうするの?ここが陥落して王国が滅びるのを黙ってみているの?」

「違う!チャンスを待って再起を図るのよ!」

「チャンスは待っていても来ないわ。自ら進んだときに訪れるものだもの」

 マリアは一歩も退く気が無かった。

「それに、ミリアは予言していたんでしょう?私が聖女になるって」

「それは、そうだけど」

「フレイアだって、ミリアの言葉を信じて、ミリアが死んだ後も私に協力してくれた。だから、私は聖女になった。そして、聖女の力があったから、この砦はまだ落ちていない。■■を倒せば形勢は逆転する!私は、そのために居るんでしょ?」

「死ぬかもしれないのよ?」

「そうかもしれない。でも、今、戦わないとアルト様の死もミリアの死も無駄になる。だから、戦う」

「分かった。私も付き合う」

「君が行くのなら私も行くよ」

 隣で話を聞いていたロイが言った。

「私も行くよ。クルルの仇を取る」

 メガネの奥で、鋭い殺気を放ちながらエースは言った。

「俺もアンネ様を守るために戦う」

 ジークが赤い大剣を担ぎながら言った。

「ありがとう。みんな」

 マリアは前に進む覚悟を決めた。


「この砦は、もう持たない。だから、勝つために城門を開き、敵陣に突撃を行う!逃げたいものは逃げよ!だが、王国の勝利の為に私と一緒に戦ってくれるものは付いて来てほしい」

 マリアの言葉に一人の騎士が応える。

「不肖、ゴンザレス。お供します」

「良いの?」

「ミリア様に騎士道を教わりました。自分の死に場所はここだと思います。エルデラン公の騎士として聖女様の盾となりましょう」

 そこには、礼節を知り、知性を得たゴンザレスが居た。ゴンザレスに続くように他の騎士たちも名乗りを上げた。

「ありがとう。みんな」


 城壁から降り、城門の前に馬に乗ったマリアたちが並んでいた。

「それでは行くぞ!目指すは■■の首、ただ一つ!突撃~~~~~」

 マリアの号令で城門が開き、マリアを先頭に黒い軍勢に突撃していった。




(え?なに?どういうこと?なんでアルトが死んでいるの?ミリアも死んでるし、クルルも死んでいる。アランは?)

 セリアは混乱していた。目の前の未来が知っているゲームの未来と大きくかけ離れていたからだ。

(ゲームだと、誰かが死ぬと即ゲームオーバーだった。アルトが死んでゲームオーバーになった後の未来って事?いったい何がどうなっているの?)

 セリアがそう思うと声が聞こえた。


「アルトは試練の迷宮でミリアを庇って死亡する。

 ミリアはアルトの死後、アルトを追って自殺する。

 クルルは、アルトの死から半年後、何者かによって殺害される。

 ヒイロは、アルトの死から半年後、何者かによって殺害される。

 イリアは、アルトの死から半年後、何者かによって殺害される。

 セトは、アルトの死から半年後、何者かによって殺害される。

 アランは、アルトの死から半年後、何者かによって殺害される。

 ジェーンは、アルトの死から半年後、何者かによって殺害される。

 マリアはミリアの死後、フレイア、エース、ロイ、ジーク、アンネと共に神域の迷宮を攻略しサジタリウスの使徒となり、聖女の力に目覚めるが、■■軍との戦いで戦死する。

 フレイアは神域の迷宮にてタウルスの使徒となるが、■■軍との戦いで戦死する。

 エースは神域の迷宮にてライブラの使徒となるが、■■軍との戦いで戦死する。

 ロイは神域の迷宮にてアクエリウスの使徒となるが、■■軍との戦いで戦死する。

 ジークは神域の迷宮にてアリエスの使徒となるが、■■軍との戦いで戦死する。

 アンネは神域の迷宮にてヴァルゴの使徒となるが、■■軍との戦いで戦死する。

 ■■が軍勢を興し、王国に攻め入る。結果、王国は滅びる」


(なに、この救いようのない未来……)

 セリアが結果に驚いていると場面が変わった。


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