青い鳥
私に幸せをくれたあなたへ。
ハロー、ハロー。
あなたは、今、何をしていますか?
幸せですか?
それとも、泣いていますか?
もしも泣いているのなら、私の幸せを分けてあげましょう。
私からあなたに会う事は出来ないから、あなたから来てくれると嬉しいわ。
私は、いつもの場所で、青い折り紙を空へ飛ばしながら待っているので。
あなたが来てくれたのなら、私は笑いかけてあげるから。
あなたが笑い返してくれると、私も満足かもしれない。
もうすぐ、夏が終わってしまいますね。
あなたが消えて、それでも季節はまわっていくのかと思うとすこし寂しいけれど、それでも私は頑張ろうと思います。
あなたが消えても、世界は廻る。
あなたがいない世界で、私はおばあちゃんになるまで、廻り続けようと思います。
一つだけわがままを言えば、わたしがおばあちゃんになって、
幸せな一生を終えて、お墓に入る時が来たら。
迎えにきて欲しいわ。
悠はずいぶんモテるから、新しい彼女が出来ているかもしれないわね。
それでも、もしも、私の事を覚えていてくれたならば。
少しで良い。私に笑いかけてくれると、嬉しいわ。
来年の夏には、きっとこの折り紙は無くなっているわね。
その時のお墓参りには、この白い鳥を持っていくわ。
私があなたから貰った幸せを、少しでも返してあげたいの。
私は、今、幸せです。
あなたの幸せを願って 由梨
このお話は、最初は短編にするお話でした。
けど、なんだか分けて書いた方がスッキリするかな、と思って長編に変更。
結果、私の初めての長編の完結作品になりました。
このお話を読んで、少しでもいいな、と思ってくださったら嬉しいです。
他にも連載している小説があるので、其方の方もよろしくお願いします!




