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第四十九話

アーガイア国最大の祭りを絶賛満喫中の俺たち


「お兄ちゃん!早く早く!」

メイが俺の手を引っ張って先導する。

麻奈もさすがにメイには何も言わない。少し不満そうではあるが…


メイが見つけたのは、アーガイアの民族衣装のお店だ。

赤を基調としたどこかの部族のような服が並んでいる。布面積は少なめだが、至るところに細かい装飾がなされており手がかかっていることが素人目にも見て取れる。



そこの女店主が俺たちに声をかけた。


「あら、珍しいお客さんですね。

ヒト種、魔族、エルフ、それにマーメイド。

アーガイア国の民族衣装は……」


そこまで言いかけたとき、女店主は俺を見て驚いた。


「あ、あなたは……もしかして、要塞の…?」


「…………あー!もしかして…?」


しかし、本当は全く覚えておらず『内心誰だコイツはー!』状態だ。

今のはとりあえず時間を稼ぎ、相手の反応から推測もできるという素晴らしい返しの奥義である。



見ると女店主は涙を浮かべていた。



(待て待て待て待て!マジで思い出せ俺!

ここで誰だお前はー!?って言ったらメイや他のやつらに白い目で見られそうだ)



実際気のせいかもしれないがリンやユイはちょっとこっちを見る目が冷たい気がする…

麻奈にいたっては相手に敵意を剥き出しだ。



涙を浮かべていた女店主はおもむろに口を開いた。


「あのときの私たちは明日への希望すらなく絶望する毎日でした…

でも、あなたがたが二度も助けてくださったお陰でこうして日々を楽しく過ごせております」


ここまで言われても????の俺を見かねてフェルトさんが横から『旧ウェル領』とヒントを出してくれた。

(ナイス!フェルトさん、なんて有能なんだ…)


「元気になったようで俺も嬉しい。

あれからアーガイアに戻って治療を受けたの?」


「はい!

ですが、私の場合は特に精神的なものが酷かったので…

そんなとき、サーニャと友好関係を結んだのをキッカケにエルフの泉を使わせていただけることになりまして…」



多分フェルトさんだ。しっかり外交してるじゃないか。

まぁあの魔王だからな。フェルトさんがしっかりしてないと国が成り立たないだろう。

というか、、、フェルトさんいないとこの国詰むんじゃないのか?

俺も人のこと言えないが…多分ナターシャとレディが消えたらロストエデンは詰みだ。



「ご存知だと思いますが、エルフの泉には精神を癒やす効果がございまして…

その効果でここまで回復したのです。

あなた方が旧ウェル領から救い出してくれただけでなくサーニャも護ってくださったとお聞きしております。

本当にどうやって御礼を差し上げたらよいか…」



んんんん????

エルフの泉ってエルフのお姉さんがまっぱで水浴びするとこなんじゃねーの?そんな効果初耳なんだが…

それならそうと言え!ルーミルめ…



「も、勿論知っていたとも。

我々はキミたちを真に救う為にもサーニャを護ったのだよ。

うむうむ、元気になって何よりだ!」


隣でメイが「お兄ちゃん凄〜い!」とキラキラした目で俺を見上げている。


しかし、後ろでは何やら

「ご主人様、相変わらず嘘がわかりやすすぎて可愛い♡」「魔王様並の分かりやすさですね…」「なんて嘘が下手な方なんでしょう」と聞こえるが努めて無視する。



「それで今日は観光でお祭りですか?」


「あぁ、そうだ。

せっかくアーガイアの祭りだから、衣装もそれっぽくしたいな。

俺たち8人分見繕ってくれないか?」


女店主は目を輝かせて


「お任せください!

恩人の為ですから、勿論代金は頂きません!」


俺は慌てて

「いやいや、魔王が払うからしっかり代金を請求して構わない」


「まあ!魔王様が…?

でもやはりいただくわけにはいきません。

魔王様がサーニャとの友好を結んでくださったのですから」



あの魔王が!?

意外だ…大地震の前触れじゃないのか?



女店主に見繕ってもらい、俺たちは全員アーガイアの衣装に着替えた。


女子組はみんなよく似合っていた。

ともするとアーガイアの姫のような感じさえ漂っている。


一方俺たち男子組は…なんだろう…別に似合ってないわけではないんだが…



うむ、わかりやすく言おう!

モンスターハンタ◯の装備の感じといえば一発でわかるだろ?


まぁメイ、リン、ユイ、ジェシー、麻奈が喜んでるから良しとするか。

麻奈だけなんか「これで夜の方も…グフフ…」と不穏な発言が聞こえるが…



それからも俺たちは祭りをへとへとになるまで満喫した。

最後にメイ達が遊び疲れて眠ってしまったので今日はアーガイア城に泊めてもらうことになった。


申し訳ありませんがオリ・パラの為、更新遅くなります。

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