第四十一話
〜ノーザイア城〜
「矢島!あの2人はどこへ行ったんだ!?」
担任の向井が声を荒げる。
「知らねーよ。俺はアイツらのお守りはしてねーからな」
問われた矢島は全く興味を示さない。
「ねぇ、アイツら戻ってこないってことは…ヤバいんじゃない?」
そんな矢島にくっついていた遠藤が矢島に耳打ちした。
「あぁ、殺られた可能性が高いな。もう4日経ってる…ウザ井には言うなよ、うるせーから」
矢島も遠藤に耳打ちで返す。
ウザ井は担任である向井のことだ。
向井が怒りながら去ったあと、生徒だけで現状把握とこれからの行動指針について話し合いが行われた。
発案者は委員長の『日比野 颯太』だ。
成績優秀で学年トップだ。
その日比野が眼鏡を上げながら皆に向かって
「みんなも知っている通り赤井君と鳥井さんがいなくなって4日経ってる。僕の考えでは生存は絶望的だと思う。
そうなるともう8名のクラスメイトがいなくなったことになる。
そこで、まずみんなが知っている情報をまとめてみたい。何か知っていることがある人は挙手してほしい」
一人の女生徒が手を挙げて「赤井と鳥井が城から抜け出すのを見た」と答えた。すると、他からも俺も見た、私も見たと口々に言い始めた。
日比野はみんなを落ち着かせ、
「じゃあ、次にサーニャ攻略について何か知っている人は?」
今度は男子生徒が手を挙げて「俺、城の兵士の立ち話を偶然聞いて……なんでも要塞って呼ばれているヤツらが邪魔をしているらしいんだ。今回のサーニャ攻略だけじゃなくその前のアーガイアへの侵攻もその要塞のせいで失敗したらしい」
「そんな強いヤツらなのかよ…」「やべーんじゃねーのか?」「私たちどうなっちゃうの?」とクラス全体がざわついた。
「わ、わたしもあの6人は本当は逃げたんじゃなくて……死んだんだって噂を聞いた」
「マジかよ…」「このままノーザイアにいたら…」「いやぁぁぁ!死にたくない!」
「とにかく、その要塞がノーザイアに敵対しているのは明白だ。だが、何者なのかがわからない。
そこでだ。罠を仕掛けて相手を探ろうと思う」
「罠?」「どんな?」とこれまた口々に騒ぐ。
「あぁ、今の話だとアーガイアとサーニャは失敗。そうなると残りは3大国だ。その中でもアトランティスは海の中ということで除外。残りのうち適しているのは…」
「ムガだろ?ドワーフ王国の」
今まで黙っていた矢島が日比野より先に答えた。
日比野は眼鏡を上げ
「その通り。で、作戦なんだが…………」
「それ最悪の場合敵に囲まれるってことだろ」「そんなの誰がやるんだよ」「私は嫌!」
そんな中「私がやるわ。スキルも適しているし」と名乗りをあげたのは副委員長の『嶋崎 日向』だった。
かくして、ロストエデンを誘き寄せる罠が実行された。
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