オーダー8:鈴夏高校妖怪調査隊
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鈴夏高校の昼休み
シズカ、アカネ、水彦の前に、リスちゃんが現れ、こう言いました。特にシズカにようがあるようです。
リスちゃん「ねぇねぇシズカちゃん、A組のエミちゃんが話したいことがあるって。」
シズカ「エミちゃんって確か、猫ヶ崎エミちゃんのこと?」
さっそくリスちゃんは、その猫ヶ崎エミをB組の教室に連れて来ました。
エミ「失礼します。猫ヶ崎エミと申します。」
エミは薄紫色のロングヘアーに青ぶちメガネが特徴のほんわかとした人間の女の子でした。
シズカ「エミちゃん、私に話したいことって?」
エミ「実はシズカちゃんのバイト仲間で、カフェチャーミーキャットの店長のこねこちゃんに頼みたいことがあるのです。」
エミはその頼みの内容をシズカ達に話しました。
最近、鈴夏高校は夜になると恐ろしいことが起こるという噂があります。なんと色んな妖怪が現れ、夜に学校に残っている生徒を脅かしているのです。しかし、妖怪にある程度詳しいエミは、多くの妖怪は甘い食べ物が大好きで、食べさせれば大人しくなるということを知っています。そこで妖怪達を大人しくするために、ケーキ作りが得意なこねこちゃんに協力してもらえないかと頼んで来たというのです。
エミ「という訳なんです。別に無理にとは言いませんが。」
シズカ「う〜ん…。とりあえず、こねこちゃんに相談してみるね!正直私、ホラーとか苦手だけど、良かったら私も協力するよ!」
オバケやホラー映画が苦手にも関わらず、鈴夏高校に潜む妖怪達を止めようとするエミに協力することを決意しました。しかもシズカに続き、アカネ、水彦、リスちゃんの3人もエミに協力することにしたのです。
そんなシズカ達に優しさに、エミは安心しました。
エミ「皆さん…ありがとうございます!」
???「話は聞かせてもらった!その妖怪調査の件、この僕も協力させてもらうぞ!」
アカネ「うわっ、ビックリした!」
すると突然、犬の一種であるゴールデンレトリバーの男の子が現れ、大きな声でエミ達の協力を宣言しました。
エミ「まあ、同じA組のレトくん。」
彼はエミと同じく、1年A組の生徒であるレトくん。
なんとレトくんは天才発明家であり、色んな発明品を作れるのです。しかも天才発明家だけあって、数学と理科だけなら学年トップの成績なのです。
水彦「レトくんも僕らと一緒に行ってくれるのかい?」
レトくん「無論さ。こう見えて、妖怪や幽霊には興味があってねぇ。天才発明家である僕のスーパーアイテムで、その謎を解いてみせようぞ!」
アカネ「自分で天才とか言うなし。」
そして夜、
シズカ、アカネ、水彦、リスちゃん、エミ、レトくんに加え、こねこちゃんと春人も学校に集合しました。
シズカから事情を聞き、こねこちゃんだけでなく、春人も妖怪調査に賛成してくれたのです。
こねこちゃん「私、前から妖怪にあってみたかったんだ〜!」
レトくん「おぉ!君とは気が合いそうだなぁ!」
こねこちゃんは怖がるどころか、妖怪に会う気満々でした。なので妖怪に興味のあるレトくんとも意気投合しました。するとエミがこねこちゃんに近づき、その可愛さにメロメロになりながらこうたずねました。
エミ「まぁ♪本当に可愛いですね!良かったらあご、ナデナデして良いですか?」
こねこちゃん「ありがとう!お願〜い!」
エミは、こねこちゃんのあごを右手でなでました。
こねこちゃん「ゴロニャ〜ン♪」
エミ「うふふ♪」
あまりの気持ち良さに猫なで声をあげるこねこちゃん。
そんなこねこちゃんの姿を見て、なでているエミも癒されていました。
一方、怖いものが苦手なシズカは、怖がりながらアカネにしがみついていました。
シズカ「やっぱり怖いよ〜…。」
アカネ「昼休みの威勢はどこ行ったんだ?」
春人「まぁ無理はしないでいいからね。」
そして7人は夜の鈴夏高校の中へ入っていきました。
するとレトくんがさっそく自分の発明品の1つを取り出しました。
レトくん「テッテレ〜!妖怪レーダ〜!」
妖怪レーダーとは、その名の通り妖怪を探すための小型メカ。丸いスマホのような形をしており、紫色の丸い印が妖怪を表しています。
こねこちゃん達は妖怪レーダーを頼りに、学校の廊下を進んでいきました。怖がるシズカにしがみつかれながら歩くアカネは、レトくんの発明品が役に立つのか疑っていました。
アカネ「おいおいレト〜、ホントにそんなもんで妖怪が見つかんのかよ?」
レトくん「失礼だな土方さん。この天才発明家レトくんの辞書に、ふかのうの4文字はない!」
アカネ「そこは3文字でいいだろ。」
などとつぶやきながらツッコみするアカネ。
するとレトくんが持っている妖怪レーダーがピピッと鳴り響きました。
レトくん「むむっ!どうやら妖怪が1匹近づいてくるぞ!」
そこへライトの光がこねこちゃん達を照らし、こねこちゃん達は思わず悲鳴を上げました。
一同「うわぁぁぁぁ!!」
アヒル校長「みなさん、こんな夜遅くに何やってるですぞ?」
でも現れたのは妖怪ではなく、アヒル校長でした。
アカネ「なーんだ、アヒル校長かぁ。」
リスちゃん「ビックリして損した。」
アヒル校長「悪かったですねぇ、損をさせてしまって!それよりなんでこんな時間に学校にいるですぞ?」
こねこちゃん「私達、学校にいる妖怪達を調べているの。」
アヒル校長「まったく何言ってるんですか!そんなのただの根も葉もない噂ですぞ!妖怪なんているわけ…」
カッパ「いるよ〜。」
笑いながら妖怪の存在を否定するアヒル校長。
でもそんなアヒル校長の目の前に、妖怪の1種であるカッパが現れました。
アヒル校長「あびょ〜〜〜〜〜ん!!」
いきなりカッパが現れ、アヒル校長は翼を広げ、ビックリした時のあびょ〜んポーズをしました。
さらにその直後、アヒル校長は気絶してしまいました。
エミ「あれはカッパです!」
カッパ「お前ら、オレと相撲しろ〜い!」
カッパがこねこちゃん達に襲いかかろうとしました。
水彦「カッパが向かってくる!」
こねこちゃん「ここは任せて!それっ!」
こねこちゃんは、おこしの巾着袋から、黒と黄色の2色でスイートポテトのように丸みがある焼きティラミスをカッパの口の中目掛けて投げつけました。
カッパ「お、美味しい〜♪」
焼きティラミスの苦味が多少ありつつ、甘く美味しく、
エミの言ってた通り、カッパはあまりの美味しさに、大人しくなりました。
こねこちゃん「良かった、喜んでもらえて!」
春人「まずは1人!」
レトくん「さぁ、このまま快進撃と行こうじゃないか!みな、僕に続け〜!」
一同「お〜!!」
見事カッパを大人しくさせ、こねこちゃん達は妖怪調査を続行しました。
アヒル校長「あびょ…あびょあびょ…。」
気絶したアヒル校長を忘れ…
調査の最中、レトくんの妖怪レーダーの探知能力により、トイレの花子さんや動く人体模型など、様々な妖怪と遭遇したものの、こねこちゃん手作りの焼きティラミスの美味しさにメロメロになり、たちまち改心しました。そして調査開始から30分近く経ち…
シズカ「もう12体はなんとかなったね。」
アカネ「そんじゃあそろそろ撤収するか!」
ほとんどの妖怪を大人しくさせ、帰ろうとするみんな。
ところがレトくんは妖怪レーダーを見て驚きました。
レトくん「みんな待ってくれ!体育館付近に反応が1つある!しかも大物だ!」
「大物」というワードを聞き、エミは心の中でこうつぶやきました。
エミの心の声「大物…まさか…!」
水彦「とにかく行ってみよう!」
こねこちゃん達は校庭に出て、体育館へと向かいました。体育館の近くには、なんと身長3メートルほどある大きく凶暴な犬の妖怪がいました。
エミ「あれは鈴夏町最強の妖怪・暴君犬です!」
暴君犬「ガーハッハッハッ!オレ様の子分達を退けるとはやるじゃねぇか!だがオレ様は子分達のように甘くはないぞ!」
こねこちゃん「これでも食べて〜!」
エミ「待ってください、こねこちゃん!」
こねこちゃんは、他の妖怪同様、暴君犬にも焼きティラミスを投げつけ食べさせるこねこちゃん。
暴君犬「けっ!子分達のように甘くはないと言っただろ?オレには甘いもんは通用しないぜ。」
こねこちゃん「あびょ〜ん!!」
ところが暴君犬は焼きティラミスを食べてもメロメロにはなりませんでした。それを見て、こねこちゃんは、アヒル校長のようにあびょーんポーズをしながらビックリしました。エミの解説によれば、暴君犬は甘い食べ物を食べても大人しくならない体質の持ち主なのです。
暴君犬は地面すら砕くほどの強力なパンチをどんどん炸裂し、こねこちゃん達に襲いかかってきました。
リスちゃん「アカネちゃん、ケンカ強いんでしょ!?なんとかしてよ〜!」
アカネ「イヤイヤ、さすがアイツ、あたしの倍以上は強いっしょ!」
ケンカに自信のあるアカネも、さすがに暴君犬の相手は無理みたいです。
レトくん「諸君、安心したまえ!僕にはまだ強力な手札が残っている!見よ!」
余裕の表情を見せるレトくんは右手に持ったリモコンのボタンを押した瞬間、どこからか遠隔操作で、自転車とホバークラフトが合体したような乗り物が猛スピードでやってきました。
水彦「なんかSFっぽいのキタ〜!!」
レトくん「これぞ自転車型小型戦闘機・ホバーファルコン号だ!さぁ行くぞ〜!」
レトくんはホバーファルコン号に乗り込み、空気の力で進みながら、暴君犬に勇敢に立ち向かっていきました。
レトくん「電撃ビーム砲、発射!!」
暴君犬「ぐわぁぁぁ!!」
ホバーファルコン号から発射されたビームをくらい、暴君犬はふっ飛ばされました。でもフラフラになりながらも、暴君犬は立ち上がりました。
暴君犬「ま、まだだ…。たかが人間と動物なんぞに劣ってなるものか!」
エミ「もうやめなさい!勝負はつきました!」
すると暴君犬の前に、今度はエミが立ち塞がりました。
暴君犬「偉そうなことを言うな小娘!」
エミ「この姿を見ても、そんな態度が取れますか?」
と言ったエミはメガネを外しました。するとその直後、
頭に猫耳、顔に猫ひげ、こしとお尻の間に2本のしっぽが生えてきました。なんとエミも妖怪だったのです。
シズカ「エミちゃんって妖怪だったの!?」
水彦「しかも猫耳少女!?」
こねこちゃん達はエミの正体に驚きました。
しかも何故かあの暴君犬も驚いていました。
暴君犬「あ、あなた様はもしや!」
エミ「私が大妖怪猫神の娘・エミです!」
エミは妖怪の中でももっとも偉いと思われる猫神の娘だったのです。それを知った途端、さっきまで凶暴だった暴君犬は土下座をしました。
暴君犬「初めましてエミお嬢様!先ほど失礼な態度を取ってしまい申し訳ございませんでした!」
アカネ「あの暴君犬がひざまづきやがった。」
リスちゃん「さすがはお嬢様。」
エミ「謝るならこの方達に謝りなさい。」
エミはこねこちゃん達に謝罪するよう、暴君犬を説得しました。ですが暴君犬はこう意見しました。
暴君犬「ですがこいつらはオレ達妖怪の脅威になる存在ですよ!仲良くなる価値なんてありませんよ!」
文句を言う暴君犬に対し、エミはこう言い返しました。
エミ「ですが人間や動物にも、優しい心を持つ者もいます!中には怖いものが苦手にもかかわらず、勇気を振り絞り、私のお手伝いをしてくれた人もいます!」
シズカ「エミちゃん…。」
エミの熱い言葉を聞き、シズカは微笑みました。
エミ「そんな憎しみの心のままでは、いつまでたってもみんな仲良くなれませんよ!」
暴君犬「お嬢様、オレが間違っていました。そして人間に動物達よ、すまなかったな。」
エミの説得により、ついに暴君犬は改心し、こねこちゃん達にも謝罪しました。
エミ「皆さん、私の正体をだまっていてすみませんでした。」
シズカ「別に気にしてないよ。それに本当の姿の方も可愛いよ!」
エミの正体が妖怪であっても、こねこちゃん達はちゃんと友達として受け入れていました。
こねこちゃん「ねぇねぇ、エミちゃんも妖怪のみんなも今度、カフェチャーミーキャットに遊びに来てよ!焼きティラミスや色んなスイーツを食べさせてあげるよ!」
エミ「本当ですか?是非行きます!」
こねこちゃん達にカフェチャーミーキャットに誘われて、エミ達はお喜び。そして次の日。
タヌタロウパパ「こんちくわ〜!ってなんじゃこりゃ〜〜〜〜!?」
タヌタロウ「オバケがいっぱいだ〜!」
来店してきたタヌタロウ親子は、カフェチャーミーキャットでお茶しているエミや暴君犬達妖怪に驚きました。
こねこちゃんがケーキを食べている途中のエミにこう言いました。
こねこちゃん「エミちゃん、昨日のお礼に今度は私がエミちゃんのあごをなでなでしてあげるね!」
エミ「よろしいのですか?ではお言葉に甘えて。」
今度はこねこちゃんがエミのあごをなでました。
エミ「ゴロニャ〜ン♪」
エミは猫妖怪なので、あごをなでられ、こねこちゃん同様に猫なで声をあげました。カフェチャーミーキャットは妖怪達にとって憩いの場所になったのでした。
次回は中間テストの勉強でアカネちゃんが大ピンチに!?