オーダー2:鈴夏町の愉快な仲間達
シズカがカフェチャーミーキャットで働き始めてから数日が経ち、シズカは、カフェの看板娘として、人気者になっていました。しかもあのタヌタロウ親子もカフェの常連客として、すっかりこねこちゃん達と親しい仲になっていました。
シズカ「ありがとうございました!」
タヌタロウパパ「おう!また来るぜ!」
タヌタロウ「こねこちゃん、今日もフレンチトースト美味しかったよ!」
こねこちゃん「ありがとう!バイバーイ!」
気に入ったフレンチトーストを食べたタヌタロウ親子は今日も満足しながら帰っていきました。
すると…
アカネ「チョリース!」
水彦「来たよ、シズカちゃん!」
そこへ、シズカのクラスメイトで友達の土方アカネと
大倉水彦が来店しました。アカネは赤髪でポニーテールの女の子です。男勝りで荒々しい性格ですが、根は友達想いの優しい女の子です。
もう1人の水彦は水色の髪をした普段は大人しい男の子。でもアニメや特撮、声優が大好きで、それに関することで熱く語ることもあります。
春人「この子達がシズカちゃんの友達かい?」
シズカ「はい!土方アカネちゃんと大倉水彦くんです!」
2人はカウンター席に座り、アカネはリンゴのなめらかケーキ(正式名称:リンゴのガトーインビジブル)、
水彦はさくらんぼと生クリームのチョコケーキを注文しました。こねこちゃんは、注文された2つのケーキをアカネ達に差し出しました。アカネ達はそれぞれのケーキを食べてみました。アカネが食べているリンゴケーキは、チーズケーキのようになめらかさとリンゴのシャキシャキとした食感がベストマッチしていました。
一方、水彦が食べているチョコケーキには、みずみずしいさくらんぼと生クリームがチョコケーキの美味しさをさらにアップしていました。
アカネ「これマジで美味しい!シズカの言ってたとおりじゃん!」
水彦「すごい!通常の3倍の美味しさだ!」
シズカ「でしょでしょ♪」
こねこちゃんが作ったケーキの美味しさに、アカネ達も大満足していました。すると、こねこちゃんがアカネのポニーテールを見つめ、触りたい気分になっていました。
こねこちゃん「アカネちゃん、髪触っていい?」
アカネ「え〜、やだ。」
あっさり断れてしまい、落ち込むこねこちゃん。
少し可愛そうだと思ったシズカはアカネを説得しようとしました。
シズカ「アカネちゃん、愛情表現だと思って少しくらい触らせてあげたら?」
アカネ「仕方ないなぁ。じゃあ5秒だけな。」
こねこちゃん「わーい!ありがとう!」
やっと触ることを許してもらい、大喜びするこねこちゃんは、ほっぺたでアカネのポニーテールをスリスリしました。一方のアカネちゃんは、早口で秒読みしました。
アカネ「5、4、3、2、1!はいタイムアウトー。」
こねこちゃん「後3分!」
アカネ「欲張るな!」
5秒経ちましたが、やっぱりもっと触っていたいこねこちゃん。するとさらに、こねこちゃんと同じくらいの大きさの1匹のハムスターと金髪の青年が来店してきました。
ハムスターさん「邪魔するで〜!」
元太「よ、はる!」
春人「ハムスターさんに元ちゃん!いらっしゃい!」
来店したのは洋食専門店グリルひまわりのオーナー兼シェフのハムスターさんと弟子の志村元太でした。
ハムスターさんは関西弁を喋り、荒々しい性格ですが、彼の作る料理は絶品なのです。可愛らしい声をしていますが、一応おじさんです。
弟子の元太もチャラいですが、彼も料理上手で、その腕前はハムスターさんにも認められるほどです。
春人とは幼馴染で、お互い「はる」、「元ちゃん」と呼び合う仲でもあります。しかもこの2人、カフェチャーミーキャットの常連客でもあるのです。
ハムスター「こねこちゃん、いつもの2つ、頼むで!」
こねこちゃん「ショートケーキ2つね!」
こねこちゃんは、ハムスターさん達が毎回頼んでいるイチゴのショートケーキを用意し、差し出しました。
こねこちゃん手作りのショートケーキの美味しさは、
ハムスターさん達の仕事の疲れも癒したのです。
ハムスターさん「かぁ〜うまい!やっぱスイーツだけは、こねこちゃんと桜子ちゃんには敵わんわ〜!」
こねこちゃん「やったぁ!またハムスターさんに褒められた!」
するとハムスターさん同様、ケーキを美味しそうに食べている元太は、ふと水彦のカバンのチャックに付いているアニメキャラらしき女の子のストラップを見て、水彦に話しかけました。
元太「それってもしかして、フォックスヘブンズのモモカちゃん!?」
水彦「はい。僕、メンバーの中ではモモカちゃんが1番好きなんですよ!しかも担当の声優さんも好きな人ですし!」
元太「え、ウソ、マジで!?実はオレもあのアニメ見てんだよ!ちなみにオレ、ツネ子ちゃん推し!」
水彦「そっちか〜!妹ポジションのモモカちゃんも可愛いけど、主人公でリーダーのツネ子ちゃんも良いですよね〜!」
水彦と元太は、大人気アニメのフォックスヘブンズの話題で意気投合しました。
ちなみにフォックスヘブンズとは、キツネの耳としっぽが生えている5人の女の子が世界の平和ために戦うという内容のアニメです。ついつい大声で語り合う水彦と元太。
ハムスターさん「お前ら店の中では静かにせんか〜!!」
すると怒ったハムスターさんは、ジャンプし、強烈な回し蹴りを水彦達に炸裂し、その後、さらに水彦達に説教しました。
ハムスターさん「同じ趣味で盛り上がるのは別に悪くないでぇ!でもなぁ、他のお客さんのことも考えんかい!」
水彦、元太「す、すみませんでした…。」
ハムスターさんの挌闘技からの説教により、水彦達はすごく反省しました。説教も終わり、ケーキを食べ終えたハムスターさん達は、新しく思いついた料理を試しに食べてほしいと、こねこちゃん達を試食会に誘いました。
試食会は明日の日曜日に行い、その日はお店を貸し切りにするそうです。
こねこちゃん達5人は快く誘いに乗りました。
そして次の日のお昼、こねこちゃん達5人は、今日だけ貸し切りのグリルひまわりに来店しました。
5人が来店した時にはすでにテーブルに料理が5人分置かれていました。その料理はチキンラタトゥイユというオリジナル料理でした。
チキンラタトゥイユとは、トマトで煮込んだナスやズッキーニの中に、さらに鶏肉を入れた料理です。
そのチキンラタトゥイユを見たアカネは、絶望に満ちたようなガッカリした顔をしていました。
そのチキンラタトゥイユにも、普通のラタトゥイユ同様、ズッキーニが入っており、アカネは、ズッキーニが苦手なんです。
アカネ「うぇ〜…ズッキーニだ…。」
シズカ「アカネちゃん、ズッキーニ嫌いなの?」
アカネ「当たり前だろ!あんなのただのキュウリのニセモノだよ!それにまずいし!」
自分の嫌いなズッキーニの悪口を言った後、さらにアカネは、イスに座った状態で、かっこよく(?)ポーズをしながらこう言いました。
アカネ「やっぱズッキーニよりキュウリっしょ!」
ちなみにアカネは、キュウリの方がズッキーニより美味しいと思っているだけで、キュウリはそんなに好きではないようです。するとハムスターさんはアカネに対し、こう言いました。
ハムスターさん「えぇから食うてみぃ!ワシをしんじてくれや!頼む!」
ハムスターさんにどうしてもと頼まれ、アカネは恐る恐る、それ以外の4人はワクワクしながらチキンラタトゥイユを食べてみました。
優しい味のラタトゥイユに鶏肉が加わり、濃厚さとジューシーさが大幅にアップしていました。
こねこちゃん達は美味しいと大喜び。
さらにアカネも驚きながらこう言いました。
アカネ「あれ!?チキンとトマトの味がすごすぎてズッキーニの不味さが全然感じない!てかこれめっちゃ美味しい!これ絶対人気出るよ!」
嫌いなズッキーニが入っているにも関わらず、チキンラタトゥイユをすごく気に入ったアカネ。
するとハムスターさんはチキンラタトゥイユの美味しさの秘密を教えてあげました。
ハムスターさん「せやろ?野菜の甘みと肉のジューシーさが補い合っているから美味しさが倍増されるんやで!」
さらに元太もこんなことを言い、ハムスターさんをフォローしました。
元太「そうだぜ!料理に可能性に限界はねぇ!」
でもハムスターさんは、嫌いなズッキーニを入れた料理を進めたことをアカネに謝りました。でもアカネは、チキンラタトゥイユを気に入ったので、もう気にしてはないそうです。
こねこちゃん「ハムスターさんの新しい料理、すごく美味しかった!私ももっと美味しいケーキを作れるようにがんばらなきゃ!」
春人「さすがこねこちゃん!そのいきだよ!」
こねこちゃんは、チキンラタトゥイユを気に入り、自分ももっと美味しいケーキを作れるよう張り切りました。
一方、張り切るこねこちゃんの姿を見て、シズカは、
心の中でこうつぶやきました。
シズカの心の声「今でも美味しいケーキを作れるのに、さらに腕を上げようとするなんて…私もこねこちゃんや春人先輩の役に立てるようにもっとがんばらなきゃ!」
シズカもこねこちゃんを見習い、よりバイトをがんばる決意をしました。
その後、新メニューであるチキンラタトゥイユは、たちまち人気料理となり、グリルひまわりの新たな看板メニューとなったのです。
でも一方、チキンラタトゥイユ以外のズッキーニ料理は、そう簡単には克服できないアカネなのでした。
アカネ「やっぱズッキーニ無理〜!」
今回は1話よりコメディ要素多めでお送りしました。
ちなみに僕も水彦くんのようにアニメ好きで、アカネちゃんのようにズッキーニが苦手です。まぁともかく、
3話も楽しみに待っててください。