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オーダー12:対決!マーメイド女学院(後編)

ユーザー登録なしでも、感想できるようにしました。

感想や評価、ブックマークをしてくれるとありがたいです!

カバ美ちゃんが住んでいるお屋敷の広いリビングにて、

こねこちゃんチームとモモネコちゃんチームによるスイーツバトルが開始されようとしていました。

中にはあきえ、水彦など、見物客も少なくはありませんでした。


こねこちゃんのチームには、こねこちゃん、春人、シズカ、あきえ。

一方のモモネコちゃんチームには、モモネコちゃん、アオネコちゃん、ウサギちゃん、クロギツネちゃん。

それぞれの4人で協力し合い、カバ美ちゃんが一番美味しいと喜んだスイーツを作ったチームの勝ちとなります。


ちなみにモモネコちゃんチームにいるウサギちゃんはマーメイド女学院高等部1年の白いウサギの女の子。

4人目のクロギツネちゃんは高等部2年で黒い毛並みに耳毛としっぽの先っちょが白いキツネの女の子です。


ドベさん「お集まりの皆様、大変長らくお待たせいたしました!これより、鈴夏高校とマーメイド女学院による、チーム対抗スイーツバトルを行います!」


ドベさんは大きく、高らかにスイーツバトルの開催を宣言しました。その後、ドベさんは簡単なルールを説明しました。


ドベさん「本対決は4VS4のチーム戦!チームワークが勝利のカギとなります!」


カバ美ちゃん「私の喜ぶスイーツなら何を作ってもOKよ!みんながんばってね〜!」


ドベさん「それでは皆様お待ちかね!愛と勇気と絆のスイーツバトル!」


モモネコちゃん、アオネコちゃん、ウサギちゃん、クロギツネちゃん「レディ〜〜〜!!」


こねこちゃん、春人、シズカ、あきえ「ゴォーーーー!!」


あきえ「って何言わせるのよ!」


両チームとドベさんの掛け声、さらにあきえのノリツッコミと共にスイーツバトルがついに開始されました。

両チーム、さっそくそれぞれ設定されたキッチンに向かい、それぞれのオリジナルスイーツ作りに取り掛かりました。


あきえ「はっ!」


あきえは自慢の包丁さばきで、色んなフルーツを華麗に切りました。


クロギツネちゃん「せいっ!」


一方、マーメイド女学院のクロギツネちゃんもあきえと同じくらいの包丁さばきで、板チョコを雪のように細かく切りました。


あきえの心「なんて包丁さばきなの!認めたくはないけど、見事ね。」


クロギツネちゃんの心の声「彼女の腕前、想像以上ね。かなり楽しめそうだわ。」


あきえとクロギツネちゃんはお互い心の中で、お互いの実力を認め合ってました。さらに他のマーメイド女学院チームの3人もそれぞれの分担作業を軽々とこなしていました。


ウサギちゃん「ミックスミックス〜!」


モモネコちゃん「良いね良いね〜!」


アオネコちゃん「美味しくなるですの〜♪」


ウサギちゃんはボールの中のパンケーキの生地を楽しそうに混ぜ、モモネコちゃんはその混ぜた生地をフライパンで焼いてパンケーキを作り、アオネコちゃんは優しく微笑みながらあずきを煮ていました。


一方、鈴夏高校チームのみんなは…


春人「うん!中々良いんじゃない?」


春人は生クリームをかき混ぜていました。


春人「こねこちゃん、味見良いかい?」


こねこちゃん「うん!どれどれ〜。」


こねこちゃんはスプーンでボールの中のクリームひとすくいし、一口味見しました。


こねこちゃん「美味しい!すごいよ春人くん!」


春人「良かったぁ…。」


作った生クリームで、こねこちゃんが喜び、春人は安心しました。春人の特訓の成果が報われた瞬間です。

味見を終え、こねこちゃんはさいばしを使い、ガラスの器の中の卵の黄身とお砂糖を混ぜる作業を再開しました。


シズカ「こねこちゃん、準備OKだよ!」


こねこちゃん「は〜い!」


こねこちゃんは混ぜた卵を四角いフライパンに流し込みました。さらにシズカはさいばしを使い、しばらくして焼きあがった卵をクルクルと巻きました。なんとこねこちゃんとシズカは玉子焼きを作っていたのです。

こんがりキツネ色に輝く玉子焼きが見事に完成し、

こねこちゃん、春人、シズカの3人は大喜び。


こねこちゃん「すごい!美味しそうだしキレイだね!


シズカ「えへへ。玉子焼き作りには自信があるんだ。」


春人「よぉし!この調子で最高のオリジナルスイーツを完成させよう!」


こねこちゃん、シズカ「おー!!」


盛り上がるこねこちゃん達3人。

するとイライラしていたあきえが怒り出しました。


あきえ「あなた達いい加減にしなさい!ふざけている場合じゃないでしょ!少しは緊張感を持ちなさいよ!」


あきえは、こねこちゃん達のほんわかさに腹立っていたのです。今の鈴夏高校チームの状況を見て、モモネコちゃんとウサギちゃんはこうつぶやきました。


ウサギちゃん「ありゃりゃ。ケンカし始めちゃったよ。」


モモネコちゃん「もっと優しくしてあげれば良いのに。」


スイーツ作りそっちのけで、こねこちゃん達に説教をするあきえ。するとシズカはあきえに対し、こう言いました。


シズカ「確かに私達、ちょっと調子になりすぎてたかも。でも厳しい感じにやるのは、そんなに大切なの?」


あきえ「え?」


続いて春人もあきえに意見を言いました。


春人「せっかくのみんなで力を合わせてやるスイーツ作りなんだ。あきえちゃんも楽しくやっても良いんじゃないの?」


さらにこねこちゃんも…


こねこちゃん「シズカちゃんと春人くんの言う通りだよ!それにあきえちゃんもは厳しすぎるよ!そんなんじゃみんなをまとめるクラス役員失格だよ!」


ところが、こねこちゃんだけ悪気はないとはいえ、悪口を言っているになってしまいました。


シズカ「こねこちゃん、そこまで言わなくても!」


こねこちゃん「え?」


一方、客席にいるアカネと水彦もさっきのこねこちゃん

についてつぶやきました。


アカネ「こねこちゃんのヤツ、滝林のげきりんにふれちまったな。」


水彦「まぁ言ってることはある意味正しいけどね。」



あきえ「私がクラス役員失格ですって?あなたに何が分かるのよ!」


これには当然あきえは、すごく怒りました。

ところがその直後…


あきえ「と言いたいところだけど、今回ばかりは、こねこちゃん達のやり方に賛同した方が良いみたいね。でもやるからにはマーメイド女学院に絶対勝つわよ!私達のスイーツで、あの子達をギャフンと言わせましょ!」


なんとあきえが素直になり、鈴夏高校チームのチームワークがさらにアップしました。


こねこちゃん「あきえちゃん、ありがとう!」


春人「さ、試合再開と行こうか!」


アオネコちゃん「あ!こねこちゃん達のチームが持ち直したようですの!」


モモネコちゃん「そうこなくちゃね!」


鈴夏高校チームが持ちこたえたことに答えるかのに、

マーメイド女学院チームもさらにやる気を出しました。


両チームはさらにアップしたチームワークを駆使して、

それぞれのオリジナルスイーツを作っていきました。

そして数分後、両チームのオリジナルスイーツがついに完成しました。


モモネコちゃん「いっちょ上がり!」


こねこちゃん「こっちもできたよ!」


鈴夏高校チームは玉子焼きとフルーツたっぷりでアイスクリームも入った玉子焼きパフェ。

マーメイド女学院チームはチョコとあずきとろける和風チョコあずきパンケーキを完成させました。


カバ美ちゃん「まぁ!どちらもすごく美味しそうね〜!」


2つのオリジナルスイーツにカバ美ちゃんは大感激。

まずカバ美ちゃんは、和風チョコあずきパンケーキを食べてみました。一口食べ、幸せそうな顔をしながら、カバ美ちゃんは感想を言いました。


カバ美ちゃん「雪のようにとろけるチョコとあずき…しかもなめらかなチョコソースがパンケーキの美味しさをさらに引き立ているわ…!まさに食べる芸術!!」


次に玉子焼きパフェを食べるカバ美ちゃん。

こちらも一口食べただけで幸せな顔となり、カバ美ちゃんは感想を言いました。


カバ美ちゃん「ただでさえ甘くて美味しいパフェに、なんとなんとあの玉子焼きまで加わっている…!これぞまさしく和と洋による甘みのスーパーコラボ!!」


どちらも気に入ったカバ美ちゃんは、その後も2つのオリジナルスイーツを交互に食べ、あっという間に完食しました。そしてついに、判定の時が訪れました。


ドベさん「それではお嬢様、判定をお願いいたします。」


ところが、カバ美ちゃんの様子が変でした。


カバ美ちゃん「こんなに美味しいスイーツ…どっちかなんて選べないわ…。よってこの勝負、どっちも勝利〜〜〜〜〜!!」


なんとカバ美ちゃんは、2つのオリジナルスイーツのあまりの美味しさに、まるでロケットのように勢いよく飛び出し、天上を突き破り、そのまま空の彼方へと飛んで行きました。


ドベさん「お嬢様ーーーーー!!」


アオネコちゃん「ミュミュミュ〜!カバ美ちゃんがロケットになっちゃったですの〜!」


ウサギちゃん「すごヤバ〜!」



なんだかんだありましたが、鈴夏高校とマーメイド女学院によるスイーツバトルは引き分けで終わり、こねこちゃん達とモモネコちゃん達はお互いを褒め称えました。


こねこちゃん「今日楽しかったね!またやろうね!」


モモネコちゃん「もちろん!次は負けないんだから!」


アオネコちゃん「それにしてもパフェに玉子焼きなんて大胆だったですの!すごいですの!」


シズカ「実は一度やってみたかったんだぁ!」


するとあきえがいないことにクロギツネちゃんは気付きました。


クロギツネちゃん「あら?滝林さんがいないわね。」


春人「あ、そういえば。」


水彦「そういえば滝林さん、さっき黙って帰っちゃたみたい。」


こねこちゃん「え〜!あきえちゃんひど〜い!」


シズカ「もっとお話したかったね。」


アカネ「にしてもプライドの高いあの滝林を素直にするなんて…こねこちゃんとシズカと春人パイセン、マジで最強トリオかもな。」


と、こねこちゃん達3人を見てそうつぶやくアカネ。

一方、夕日が輝く空の下、1人家に帰っていくあきえ。

歩きながらこうつぶやきました。


あきえ「まさかこの私があんなことを言うなんて…これ以上あの子達のそばにいたら、あの子達の甘さがうつっちゃいそうだわ。…いや…もううつっているのかもしれないわね。」


今回の一件により、あきえにもこねこちゃん達の持つ、

優しさやケーキ作りを純粋に楽しむ心が少しだけ芽生えたのでした。





数日後、フランス


桜子「あら、春くんとこねこちゃん、結構楽しくやってるみたいね。」


フランスでスイーツ作りの修行をしている春人の姉の桜子のもとに、こねこちゃんの手紙が届いていました。

写真も付いており、その写真にはこねこちゃん、春人、シズカ、アカネ、水彦、ハムスターさん、元太の7人が写っていました。こねこちゃん達の楽しい様子を知り、桜子も幸せな気分になっていました。


桜子「安心したらやる気がさらに上がってきちゃった!今日もがんばっちゃうんだから!」




前回と今回を通しての前後編はいかがでしたか?

次回も楽しみに待っててください!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 2話構成でボリュームがあって、登場人物も多くてにぎやか、クールビューティーのクロギツネちゃんも登場、途中はらはらしましたがいつも通りの安心できる結末。加えて桜子さんも登場して、読者サービス…
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