オーダー9:期末テストを乗り越えよう!
ユーザー登録なしでも感想できるようにしました。
感想や評価、ブックマークをしてくれるとありがたいです!
もうすぐ鈴夏高校も夏休みに突入します。
でもその前に期末テストがあります。
赤点(30点以下)を3つ以上取った生徒は夏休みに補習を受けることになるのです。今日返された小テストが悪かった生徒は特に気をつけるよう、上杉先生は伝えました。その中で、アカネの小テストのテストの点数は14点であり、赤点の半分にも満たない点数だったのです。期末テストのことを知り、点数の悪いアカネはショックを受けました。そんなアカネをシズカと水彦ははげましました。
アカネ「補習なんてヤダ〜!もう最悪〜!」
シズカ「元気出してよアカネちゃん。」
水彦「そうだよ。それにまだ補習って決まったわけじゃないし。」
アカネ「そうだけどさぁ…。てかシズカと水彦は何点だったんだよ?」
シズカの小テストの点数は90点、一方の水彦は84点数でした。すると水彦の点数にアカネは驚きました。
アカネ「いやいやちょっと待って!シズカはまだ良いとして、アニオタの水彦がなんでこんな高得点取ってんだよ!?」
そう言う水彦に対し、水彦はこう言い返しました。
水彦「失礼だな!確かに僕は勉強よりアニメの方が好きだけど、勉強もちゃんとやってるよ!」
するとシズカがこんな提案を思いつきました。
シズカ「そうだ!みんなで勉強会をしようよ!みんなで助け合えば、30点くらいなんとかなるよ!」
水彦「シズカちゃんナイス!そうと決まれば、学校が終わった後、カフェチャーミーキャットに集合だね!アカネちゃんのためにも、期末テストを乗り越えよう!」
アカネ「心の友よ〜!こんなあたしのためにサンキューな!」
アカネは涙目になりながらシズカ達にお礼を言いました。そして学校も終わり、シズカ達は期末テストに備えた勉強会をするため、カフェチャーミーキャットに集合しました。
さらに勉強会には、しばけんくん、リスちゃん、マユ子も参加してくれました。
期末テスト期間のため、サッカー部はもちろん、
すべての部活がお休みなのです。
しかもマユ子の声優活動も今日は1日オフなのです。
するとそこへ、こねこちゃんと春人がやってきました。
こねこちゃん「みんな、差し入れだよ〜!」
春人「甘いものは脳と相性が良いからね!きっとテスト勉強にも役立つよ!」
その差し入れは、いちごタルトでした。勉強の前にいちごタルトを食べるシズカ達6人。甘酸っぱいいちご、とろけるカスタードクリーム、そしてサクサクのタルト生地が最高にマッチしており、シズカ達はテスト勉強のやる気がより出てきました。いちごタルトを美味しくいただき、さっそく勉強を始めようとするシズカ達。同じくアカネも自分のノートを開きました。すると…
アカネ「あっ!こ、これは…!」
しかしアカネのノートには変な落書きが書いてありました。その落書きはなんと、アカネの苦手なあきえの変な絵でした。しかもその落書きの下には、「滝林バーカ」と書いてありました。その落書きを見て驚くアカネ。そんなアカネの驚いた顔を見て様子を伺うシズカ。
シズカ「あれ?アカネちゃんどうしたの?」
アカネ「ううん!なんでもない!」
アカネは慌ててノートを閉じました。
そして心の中でつぶやきました。
アカネ「なんであんな落書き書いたんだっけ?あっ!思い出した!」
ついにアカネは思い出しました。今朝、あきえに怒られたため、ストレス発散のためにこっそりノートにあきえの悪口や彼女が変顔してるかのような下手な落書きを書いていたのです。もしこんな絵が見られたら勉強会は中止となり、みんなが自分のことを嫌いになり、挙げ句の果てには、あきえに落書きの件を報告されてしまうのではないか?アカネは心の中で不安になりました。
シズカ「どうしたのアカネちゃん?ノート開かないと勉強できないよ!」
アカネが苦悩している最中、シズカは何故ノートを開かないか心配していました。このままだと勉強を始められない。でもノートを開けばみんなに嫌われる危険性が。
苦悩の末、アカネは覚悟を決め、こんな行動を取りました。
バクっ!
一同「えっ!?」
アカネは落書きが書いてあるノートのページを切り取り、ボールのようにぐしゃぐしゃに丸め、なんとそのまま口の中に入れて飲み込んだのです。
こんな大胆な行動を見て、こねこちゃんやシズカ達はもちろん驚きました。
シズカ「アカネちゃん、どうしてノートの紙食べたの!?」
こねこちゃん「そうだよ!お腹が減ってるならまたケーキ食べさせようか!?」
何故ノートの紙を食べたのかアカネに聞き、心配する一同。みんなより汗をたくさんかいているアカネはこうごまかしました。
アカネ「これはその……最近知った暗記方法の1つだよ!問題が書いてあるノートの紙を食べることで、その内容を覚えることができるんだって!」
マユ子「あ、その暗記方法だったら私も知ってます!声優仲間の先輩も台本の紙を食べてセリフを丸暗記してました。」
リスちゃん「すごい暗記方法だね!」
しばけんくん「それを生でやってくれたアカネちゃんもすごい…!」
アカネの心の声「な、なんとかごまかせた…。」
なんとかみんなをごまかせたことができ、安心するアカネ。するとアカネは自分のノートを持ち、アカネにこう言いました。
シズカ「そうだアカネちゃん。良かったら私のノートの紙も食べて!これで点数が上がるなら嬉しいし。」
なんとシズカは、自分のノートも食べて良いと救いの手(?)を差し伸べてくれました。ですが落書きを隠すために仕方なくやったアカネにとっては、さらなる苦痛と言っても過言ではありませんでした。さらにそんなシズカの優しさに感動し、水彦やマユ子達もアカネの点数アップのために、自分達のノートを食べて良いと言ってきました。ですが一方のアカネは安心から一転、さらに追い詰められるハメになってしまったのです。
アカネの心の声だけ「ヤバいよまずいよ!ピンチの連続じゃんこれ!どどどどうしよう…!今さら滝林の落書きを隠すためだなんて言えっこない!」
さらに追い詰められてしまうアカネ。そしてアカネは覚悟を決めました。
アカネの心の声「くそ〜!もうどうにでもなれ!!」
シズカ「アカネちゃん?」
アカネ「……国語よ…!数学よ…!その他もろもろの教科のみんな!あたしに知識を分けてくれ〜〜〜〜〜!!」
と叫び、アカネはみんなのノートの紙を食べていきました。途中で食べるペースが遅くなってしまいますが、そこでこねこちゃんが紙1枚1枚に生クリームをかけ、甘く食べやすくしました。そして20分後、つらい顔をしながらアカネは、みんなのノートを完食しました。
そんなアカネの苦労も知らず、完食したアカネをこねこちゃんやシズカ達はほめたたえました。
シズカ「やったぁ!完食!」
しばけんくん「アカネちゃん、ナイスファイト!」
でも一方のアカネは涙目になりながら心の中で後悔していました。
アカネの心の声「もうおしまいだ…。ノートの紙ほとんどなくなっちゃったし…。全科目100パー赤点だ…。」
ところが期末テスト当日…
アカネの心の声「あれ?なんか余裕でどんどん解けるんだけど…。」
なんとアカネは期末テストの問題をどんどん解いていったのです。どうやらノートの紙を食べる暗記方法が役に立ったようです。そして数日後、期末テストが返されました。アカネはなんと見事、赤点を全科目余裕で回避したのです。つまりアカネは夏休み、補習を受けずに済むのです。アカネが赤点を回避したので、シズカ達は大喜び。
シズカ「すごいよアカネちゃん!」
水彦「85点に77点!この間の小テストとは比べ物にならないほど上がってるじゃないか!」
マユ子「これで安心して夏休みを過ごせますね!」
ですがアカネは、良い点を取ったにも関わらず、浮かない顔をしていました。そして…
アカネ「みんなごめん!あたし、みんなをだましていたんだ!」
なんとアカネは、シズカ達に頭を下げ、思い切って謝りました。さらにノートにあきえの悪口や落書きを書いてたことも、それを隠すために仕方なくノートの紙を必死に食べていたことも、洗いざらいシズカ達に正直に話しました。
アカネ「とまぁそういう訳なんだ…。滝林に言いつけるなり、ズッキーニを食べさせるなり好きにしてくれ!」
みんなをだました自分に罰を与えてほしいと、アカネは土下座をしながらシズカ達に頼みました。
すべてを知ったシズカ達はこう言いました。
シズカ「そんなことしないよ。アカネちゃん、ちゃんと話してくれたし。」
水彦「そうだよ!それにアカネちゃんがあんな大胆なことしなければ、君は補習を受けるはめになっていたからね。」
シズカ達は怒るどころか、アカネを許してあげました。
そんなシズカ達の優しさに、アカネは感動しました。
アカネ「みんな…。ホントにありがとう!もう今後、滝林の悪口や落書きは書かないようにするよ!それに紙を食べる暗記法も二度とやらないよ。
アカネはこれまでのことを反省し、やらないことをシズカ達に誓いました。これにて一件落着…
とはいかないようです…。
あきえ「聞いたわよ土方さん。あなた、そんなくだらないことをしてたのね。」
落書きの件を聞き、あきえが怒りをあらわにし、アカネ達に現れました。しかも、あきえの体から紫色で禍々しいオーラが飛び出ていました。あきえが突如現れ、驚くアカネ。
アカネ「ゲゲゲ〜!!滝林〜!!」
水彦「なんか滝林さんの体から怪しいエナジーがうごめいているんだけど!?」
あきえ「どうやら反省してるみたいだけど、念のために『もう二度と滝林あきえへの落書きや悪口は書きません』って書いた紙をあなたにたくさん食べさせてあげようかしら?」
あきえは不気味な笑みを浮かべながら、破り取ったノートの紙をアカネに食べさせようとしました。
アカネ「ふ、ふざけんな!せっかく反省したのに、アンタなんかに無理やり食べさられてたまるか!」
そう言い返し、アカネは慌てて教室を出て逃げました。
そんなアカネを激怒しながら追うあきえ。
シズカ「あれま…。」
マユ子「アカネちゃん大丈夫でしょうか?」
水彦「やっぱ悪いことすると天罰が下るんだな〜。」
廊下で追いかけっこをするアカネとあきえを見て、そんな会話するシズカ達。
あきえ「コラ〜〜〜!!待ちなさい土方さん!!」
アカネ「ノートを食べるのはもうこりごりだ〜!!」
廊下にて、あきえに追いかけられているアカネは涙目にながらそう叫びました。読者の皆さんは決してマネをせず、正しく勉強をしてテストに臨みましょう。
次回はどんなお話をやるかはまだ未定です。




