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シクナカルワ村~グァマーツァの街

うーそーだー信じられんしー


大きな村だから休もうねってお話してたじゃん!

しっかり通りすぎられたんだが???


まじかよー …うぷっ


「使徒様! ワイルドウルフが止まりません! 言うことをきかぬようです!」

「あい……そおですね……あい……」

「センジくん!? 聞こえてる!? やだ! 顔色がひどい!」

「使徒様ー!」



ディアナさんの心配です!慌ててます!って声がきこえるかわいい。しかしそんなことより気持ち悪さがいよいよだ。いよいよ決壊するぞ……



「あなた僧侶なんだから治癒魔法使えるでしょう!?」

「むっ! しかし私は……いや、仕方あるまい! 使徒様、失礼致します!! 癒しの光よ彼のものに救済を!!」


ドスドス!


えっなに痛いんだけど!? 思わず見ればフレトラーさんが杖を持っておれをつついてきてる。

杖の先にはオレンジ色のガラス玉みたいな飾りがついてて、それをおれの脇腹に当ててくる! ワイルドウルフの走る振動に合わせてドスドスしてくるぅ!


「なっ、ちょ、やめてくださいなんなんすか!?」

「申し訳ありません! 治癒魔法を当てております!」


魔法かな!? 物理っぽいけど!?


でもよくみたらオレンジ色の玉は発光してるようだし、フレトラーさんも真面目な顔してる。

ここでいう魔法ってぶつけないといけないやつなの?必然的なやつなんかな……


「体調はどう? 苦しくない?」


右からつついてくる男と、左から心配してくれる美女。バランスはとれてるな。

ディアナさんは本当にやさしいひとだ。ワイルドウルフをすぐ横につけておれの顔色をみつつ並走してくれる。跳ねるように走るからおっぱいがぶるんぶるんして……じゃない、体調はどうなんだおれ。


「あれ、ほんとだ、気持ち悪さがなくなってます!」



すごいぜ魔法! ほんとにあるんだな魔法!

そこからは定期的に気持ち悪くなったらフレトラーさんにドスドスしてもらった。


とはいえシクナカルワ村からは森を抜け整備されてるらしき街道を走るので、道はかなり平らかだし上下運動の激しさは減ってかなり楽になった。ワイルドウルフたちのスピードがあがったし走りやすいんだな。


ちょっと余裕ができたから顔を上げて景色をみると、街道とはいえアスファルトは敷かれてなくて整備して土をならしただけみたいだ。あれからふたつほど通りすぎた村も「名画・落ち穂ひろい」みたいな格好の人と畑と雰囲気だった。森の中より規模は大きかったとおもう。


ただっぴろい平野が広がってて遠くに森か丘か、とにかくこんもりとした形が平野を囲むようにいくつもみえる。さらに奥には山影もあるけど、街道はそちらにはひとまずつながってないようだ。


ちなみにワイルドウルフは村で止まってなんかくれなかった。声かけてちょっと毛を引っ張ってみたけど効果なし。ヘッヘッて口を開けて楽しそうに走り続けてる。

そろそろ日が暮れそうな気配もあるしトータルで2、3時間は走ってると思うんだよな。元気そうだけどどうなんだろ、心配だぜ。



「使徒様、グァマーツァの街です!」



前を見れば、たしかに今までの村とは違って石で作ったちょっと高そうな門とレンガっぽい低い壁がみえた。

よっしゃ今度こそ止まろうか! 止まりたい……!


「ウルフくん街らしいよ、村じゃないよ、止まろうぜぇー」


むにむに。腕を伸ばして頬をむにる。

乗っててなにしても噛まれたり嫌がられなかったからこんなこともできちゃうんだぜ。愛着わいてくるぅー。


説得するようになんどもウルフくん、ウルフくん、と優しく声をかける。

するといままで変化のなかったワイルドウルフたちがスピードを落としだした。


「おっおっ? 止まるかも!」


テッテッと速度を調整してだんだんと歩くようになり、そして門の五メートルまえあたりで止まった。



「ウルフ!」


なんておりこうなんだ!!


「ようやく止まりましたな」

「このまま走り続けられたらどうしようって思ってたわ」


ワイルドウルフから降りて撫で回す。気持ち良さそうに目を細めるのを見てるともう飼うしかないって気持ちになる。ちょっと大きすぎるけどその大きさもかわいく思える。


「ワイルドウルフってペットとしてメジャーです?」

「センジくん、それはまたあとで。衛兵さんよ」


ごわごわの毛をモフモフしてて気づかなかった。

門前に立ってた二人の衛兵がやってきた。


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