三日目スタート
“オーヴナーンの村のえき”前に戻ってきた。
あのあと何度かモンスターを見たけど、ぜんぶ乗れるような大きさではなかった。結果ホウゴラウ二羽しか捕まえられなかったけど、2人乗りできるらしいので大丈夫っぽい。
夜明け前から活動してたから駅前に戻ってきてもまだ午前中だ。
観光客用の屋台もオープンしたところでいい匂いがしてる。
「アーン」
「よしよし、ちょっとおやつ買ってこような」
「それでしたら私が行ってまいります」
白犬は連れてきちゃった。
離れがたかったっていう欲望のままに抱っこしてる。
「あっ待ってちょうだい。お使いさせて悪いんだけど、この子達に鶏肉も買ってきてほしいの」
おねがい、と小銭を渡すディアナさん。
ディアナさんはさっきまで戦ってたホウゴラウ1号の毛並みを整えたりなんだり世話をして、かなりお気に入りみたいだ。友情育んじゃったんかな……。
しばらく待ってると白犬のまわりにちっちゃい光珠が二、三個寄ってきた。見えてるのか珍しそうに首を傾げてみてるのが可愛い。
あれ、おれこの夢の世界でだいぶ父性が発現してるな。
「……っ使徒様!」
街中からフレトラーさんの声。
振り向くと神々しく輝いちゃってるフレトラーさんが駆けてきた。
「まぶしっ。どうしたんですか、それ」
「まぁ! わたしにも見えるわ、精霊様よねっ!」
すごいすごい!とはしゃぐディアナさんと顔を青くしたフレトラーさんの温度差。
よくみるといろんな色の光球がフレトラーさんにまとわりついている。全身LEDつけてるみたいで目に痛い……!
すぐ間近にきたフレトラーさんがおれの足元にひざまずく。
「えっ、ちょ、なにしてるん「せ、精霊はいちおう聖属性とはいえこんなにも囲まれてるなど、わ、私は、め……召されるのでしょうか……っ!?」
ええー! 発想こわい!
いやでも死ぬの? おれに聞かれても知らないんだが!
「お、落ち着きましょうフレトラーさん!」
「精霊様に取り殺されるなんて聞いたことないわ。フレトラーさん、大丈夫よ」
「アーン」
白犬が鳴いた。
「あ」
「あら」
光球はゆっくり上昇して白犬のまわりを一回りするとふわりふわりと街中へもどっていった。
「フレトラーさん、なんか大丈夫そうですよ」
「…………」
やばい、呆然としてる。
ディアナさんはフレトラーさんの手元から「ありがと、もらうわね」と包みを引き抜き、焼き鳥を持っていってホウゴラウたちに与え始めてるし、ついでにおれにも中身のない饅頭をくれた。
白犬はふんふんと鼻を鳴らして饅頭ペロペロして一口食べ始めたた。
ピチピチと鳥の声が聞こえる……平和ダナー。
「サイコロ振るよぉー……」
若干震え声で宣言。
ディアナさんが微笑んで頷いてくれた。
フレトラーさんをみるとゆっくりと立ち上がるところだった。
「ふ、振りますね」
ぽい コロコロー
「「 4 」」
…………。ど、どうするこの空気。
「……4、ですね。使徒様、取り乱しまして申し訳ありません。もう大丈夫です。ホウゴラウに乗りましょう」
「お、おう」
紋章のついたホウゴラウはしゃがんで乗りやすくスタンバイしてくれてる。
ディアナさんは早速1号にまたがって喉元を撫でている。スカート型の鎧から伸びるいい感じにむちっとした脚がまぶしいぜ。
じゃあおれはフレトラーさんと2号にのるんだな。
「センジくん、センジくんはこっち。一緒に乗りましょう」
「え……えっ!?」
おれそんなに物欲しそうな顔してましたか!? 太ももも横目で見てたつもりなんですが!?
「体重差を考えると私がひとり、使徒様とディアナ殿が同乗するのがよろしいかと」
まじかよ神采配ありがとう。
「よ、よよ、よろしいので!?」
「ええ、後ろに乗ってちょうだい」
ギクシャクしながらホウゴラウ1号の尻に向かう。自動的にディアナさんのお尻も近づいた。
「おじゃましまう……」
か、噛んだ。そっとホウゴラウに乗ってバランスをとる。
「わたしに捕まってちょうだい。あともっと密着しないとあぶないわよ」
「ふあ、ふぁい!!」
ディアナさんの腰まであとちょっとってところまで近づいて、手は肩に置いた。汗ばんじゃうかと思ったけど緊張のせいて冷えてそれどころじゃない。
「使徒様、号令を」
「ハ、ハイ! イキマショー!」
どうしよう、こんなに女性と接近したことない!




