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二日目おつかれさまでーす

「はえー……あれは、まさか世界樹!」


ファンタジー界では鉄板のなんかすごい木 “世界樹” では!


「いいえ、使徒様。あれは精霊の巣です」

「巣」


精霊って巣に住んでるんだ。


「別名で精霊樹と呼ばれていますが、たいていは土地に自生している雑木が元になっています」

「もとはただの木ってこと?」

「はい。精霊がその力をそそぎ結晶化させて成りますが、精霊の数が多いほど木も大きくなるといわれています」

「精霊様のおうちなのね。クリスタル製なんて素敵」


ディアナさんは女性らしくキラキラしたの好きみたいだ。頬を紅くさせてうっとりと精霊樹をみつめている。


「本日はこちらの村に泊まりましょう。教会がありませんので一般の宿に泊まることになりますが、よろしいでしょうか」

「あっはい。おれのお金足りますか?」

「大丈夫です」


にこりと笑むのに不信感しかない。


「……宿はディアナさんが決めてください」

「ふふっ、わかったわ。任せて」




ディアナさんが決めたのは精霊樹に近いが、裏通りにある小さな宿だった。古いらしいが一階は食堂で、二階の客室も狭くとも清潔に掃除されていた。


おれたちは前金で三部屋をとり、その一階で早めの夕食をとることにした。


「センジくん、精霊様は見れた?」


透明なブドウみたいな見た目の貝料理をとりわけながら、ディアナさんが期待した顔で聞いてくる。


「あーいえ、ぜんぜん。精霊って人の形してるんですか?……ありがとうございます」


貝料理、味なし!

いやフルーツソースの味はするけど、貝自体の味はない。


「人の型をとることもありますが、ふだんは発光するオーブで存在するようですね」


蒸かした芋を食べつつフレトラーさん。


「明日、朝早くに精霊樹まで行ってみましょうよ。見られるかもしれないわ」


ディアナさんはほんとう精霊が好きみたいだ。うきうきしてて可愛い。


「精霊ってもしかして乗れませんかね」


変幻自在なら乗れる大きさになったりしないかな。


「せ、精霊にですか? ……四大精霊ならあるいは可能かもしれません」

「四大精霊?」


なにそれレアっぽい。


「火水風地のよっつの四大魔素からひとつに突出した精霊様をいうわ。大精霊ともいわれるわね。オーヴナーンは水の精霊だったはずだけど……大精霊様かしら?」

「ここは魔力も豊富な土地だ。そろそろ大精霊のひとりやふたり居るかもしれない」


「じゃあ明日は早起きして精霊樹みて大精霊を探す感じで?」

「そうですね。村のとなりには森がありますからそこで捜索しましょう。昼までに出立し、オズタハクナワラ国境まで行けると良いのですが」


「あっもう次の国なんですか?」

「カーノアクルアは大きな国ではありませんからね。それに使徒様のお選びになった従魔たちも速いので、オズタハクナワラ国に入ればほどなくアンタルミーニにつきますよ」


まじか。もう少しかかるのかと思ってた。

これは明日の従魔選びは重要だな。ノリで大精霊とかダメかもしれないから、ちゃんと速いか見極めないといけなさそうだ。




朝。


日が出てるか否かくらいでディアナさんが部屋をノックしてきた。まさか夜這いとかいうあれか!? って思ったけどぜんぜん違かった。


「観光客が少ないうちがいいかと思って」


気恥ずかしそうにしてるディアナさん。急いだらしくていつも綺麗にまとめられてる髪の毛もストレートにほどいたままだ。


うむ。良い、許す。


「使徒様、大精霊の気配などは感じられますか?」


フレトラーさんは僧侶だからな。朝の女性の色気になにも感じないらしい。あとなんだったらもう朝の筋トレも済ませてたらしいよ。


「うーん……木の中がちょっとキラキラしてるぐらいです、精霊っぽいのは」


精霊かどうか、おれにはわからないけど。


クリスタルの精霊樹は薄暗い朝靄のなか、青くふとい幹の内部をより青い光の珠を泳がせていた。幻想的っちゃ幻想的。


「えっセンジくんみえてるの!?」

「なんと……さすがは使徒様! 精霊を難なく見破るとは」


見破るって。悪役に使うような言い方だな。


「精霊は些細とはいえ悪戯をしますので」


「ううーん……見えないわぁ……んー」


ディアナさんは精霊樹に顔を近づけて目細めたり片目でみたりしてる。



「では、精霊樹もみたことですし森へ向かいましょうか」


使命を忘れない男フレトラーさん。


名残惜しそうなディアナさんを連れて村のすぐ隣にある森に足を踏み入れた。


森のなかもクリスタルの木や光る花があって独特の雰囲気がある。それにすごく静かだ。


「モンスターいるんすかね?」

「んん、どうかしら……ここら辺はあまり来たことないの」

「そろそろ日が出ますね」


朝日がのぼってきた森は見渡しやすくなった。


「明るいより夜のほうがキレイにみえますねー」


イルミネーションみたいだったもんねーと話かけたとき、


「アンアーン」


足元にちっちぇ白いのがいた。


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