3
周りが見えない闇の中、小さな女の子が茶髪の女の人を追いかけて走っていた。
2人の距離はどんどん離され、周りの闇に引き込まれるように消えていく背中に小さな手を伸ばす。
まって、いかないで、おいてかないで
わたしをひとりにしないで‼︎
「…っ!…はぁ、はぁ…」
…なに今の夢、
夢に出てきた茶髪の女の人なんて知らない人のはずなのに…
何故かその人、に置いていかれるのが怖くて必死に追いかけた。
でも、私の手は届かなくて…
少し気持ちが落ち着いて、周りを見たら、まだ暗かった。
暗い中周りに誰もいないのが怖くなって、部屋を出た。
誰かしら1人くらいは、起きてると思うのだけど。
屋敷の警備があるから護衛の人はおきてるはずよね。
そう思い、玄関の方へ向う途中、声が聞こえてきた。
この声は…お父様とお母様かしら?
私は、玄関ではなくお父様とお母様の寝室に向かうことにした。
「アリアナの記憶は戻りそうか?」
お父様とお母様の話に、私の事が出てきて部屋の前で足が止まった。
「いいえ、まだ戻りそうもないわ」
「はぁ…もうすぐで入学式だというのに…」
「大丈夫ですわ、きっとアリアナは戻りますよ」
「そうだな。今のアリアナは今までとまるで違うから…」
ー…違う?…私はお父様とお母様が愛していたアリアナとは違うの?
優しくしてくれるのは、元に戻って欲しいから?
「……っ!」
そこから先は、あまり覚えていない。気がついたら自分の部屋にいた。
ー本当は私も薄々思っていた。私とアリアナは違うのじゃないかと。
みんなの話に聞くアリアナは明るくて、いつもみんなの中心にいる。
…私とは正反対
…そういえば、いつか私は消えるんだった
唐突に医者のおばあさんの話を思い出した。
もうここにいるのはやめよう。
ー優しい人達が沢山いて、温かいこの場所は、居心地が良すぎるから…




