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アンダンテ  作者: くるみもち
4/10

忙しい日

 俺の担当は朝の掃除、菓子の袋詰め、それから接客配膳、暇があればおしぼりの補充、調理場の簡単な手伝い、それから皿洗い。

 店長はいつも朝からケーキやら焼き菓子を焼いたり、料理の下ごしらえをしている。そして休日は花も売ってるらしい。

 準備が整えば、店内にゆったりとした曲が流れ、店の前に黒板のような看板が立つ。


 そして怒濤の1日が始まった。


 花に興味はなかったが、客からの評判は上々で「安い」「綺麗」「可愛い」などの言葉をよく耳にした。「いつもの花をブーケにしてもらえる?」などと言われれば店長が素早く俺から見ても可愛いブーケにしてしまうものだから、こいつはほんとうに何者なんだと言葉をなくす。

 だが無論その間、調理などが滞るので指示をもらいながら俺が動く。が、慣れないことばかりでもたついてしまう。

 そんなところも、笑って「ゆっくりで大丈夫」「こちらはいいから先にあちらへ」と常連の客に声をかけられる。申し訳なく思いながらも、言葉に甘える。

 甘えたあとは小さなチョコのサービス。

 これは店長に事前にそういったときにサービスでつけるように言われていた。客のなかには「これが楽しみだったりするから気にしないでね」などという人もいたくらいだった。

 客は店の外に並んでるわけでもないのに次々に入れ替わる。片付けた側から人が入るので休む間もない。

 かといって走ろうと思えば、店長に足を出され転びかけた。「走るな。ゆっくりでいいんだよ」と何事もないように落ち着いた顔でそんなことを言う。

 なぜ足を出した。

 その点については詳しく聞きたいところだが、聞いたところで一見真っ当な返事しか返ってこないことを知っているので言葉を飲み込んだ。


 ようやく客足が落ち着く。花もほとんど売れていた。


「お疲れ様。もう少ししたらまたお客さん入ってくるから今のうちに休憩しな」


 余裕の笑みで差し出されたいろんな具材を詰め込んだサンドイッチと紅茶を受け取る。


「どうも」

「ついでにその疲れきった顔もどうにかしてきて」

「……へいへい」


 適当に受け流しながら、隅に移動して簡易な木の椅子に腰掛けて食事をする。

 適当に詰め込んで作ったように見えるサンドイッチも紅茶もうまいのがなんとなくムカツク。

 バイトにくると、簡単なものだったり残り物をもらえる。客として来たことはないが味はとても美味しいのでとても助かっている。伝えたことはないけどな。



 休憩が終わるとアフタヌーンティーを楽しみにきた客の対応に追われ、店じまいにはぐったりしていた。

 相変わらず店長は涼しい顔をして、ぐったりしている俺を笑っている。

 そういうとこはほんと腹が立つ。



 でも、こんな忙しいのを一人でやってたのかって思った。

 そんで、なんとなく。

 こんな忙しいなら早く手伝いにこればよかった。

 ぼんやり思った。

鉄は熱いうちに叩け!

な、ノリで書いてます。

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