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97 ポッキンアイス


アイスクリームの売れ行きはぼちぼちだった。まだ気候がそれほど暑くないからと、宣伝されてないからだろう。口コミでどんどん広がっていくのを待つしかない。


「このポッキンアイスって一本ずつで売るんだよね。他のアイスとは形が全然違うけど値段も同じにするの? どうやって食べるの?」


クリリがポッキンアイスを取り出して尋ねてくる。


「他のアイスクリームは一個5銅貨で少し高めだから、このポッキンアイスは一個1銅貨で売ろうと思うの。まだ全然売れてないけどちょっとしたおやつに良いと思うよ」


私はポッキンアイスを受け取るとポッキンと折って2つに分けるとコレットさんとクリリに渡した。お客さんもいたので試食ですと言って渡すととても喜んでくれる。これも立派な宣伝です。


「折ったところで口切らないでね」


まず大丈夫だと思うけど一応注意しておく。


「あっ! ジャリジャリして美味しい。食べた後、キーンってするよ」


クリリが目を見張って驚いてる。


「冷たくて、すごく暑い時はアイスよりいいんじゃないかしら」


「これいくらなんですか?」


お客さんのひとりがおずおずと尋ねてくる。値段次第では買えないから当たり前の行動だ。


「ポッキンアイスって言うんですよ。1本1銅貨です」


2人で分けて食べたらひとりが半銅貨出せば買える。お手頃価格だからきっと売れるね。


「うわー。絶対買いにきます」


「私は買って帰るわ。高かったけど冷凍庫買ってよかった。今年の夏は魔物狩りも暑さに負けないでできそうよ」


「ポッキンアイスはそこまでじゃないでしょう?」


私が首を傾げる。このお客さんは冒険者だったらしい。


「このお茶とかジュースを冷凍庫で凍らせて持って行くつもり。マジック鞄が買えたらいいんだけどね。とても買えないから小さい冷凍庫買ったのよ。このペットボトル? とても便利ね」


なるほど。そういえばコンビニではペットボトル凍らせて売ってたよ。

みんないろいろ考えてるんだね。


「だったらこの塩飴もいいですよ。塩分なくなると熱中症で倒れやすくなりますからね」


「ねっちゅうしょう?」


あれ?この世界では熱中症ってないのかな?知らないみたい。


「グラングラン病のことじゃないか? 暑くなるとよく倒れるだろう。だいたいはポーションとかで治してるけど、だるさはなかなかとれないだろう。ポーションがないと死人も出るからな」


グラングラン病? 熱中症かどうかはわからないけどそれっぽいよ。


「夏場は塩分と水分はしっかりとったほうがいいですよ」


冒険者たちはポッキンアイスを10本とお茶とジュースを10本とカップラーメンと缶詰を数種類買ってくれた。


グラングラン病かあ。私も気をつけないと、異世界で病気になるのは勘弁だよ。














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