93 ドッジボールを広めよう
ショルトさんが久しぶりに店に来た。ちょうど相談したい事あったから良かった。
「いらっしゃいませ」
「珍しいですね。店に出てるなんて」
ショルトさんも珍しく今日は丁寧な言葉使ってますよ。あっ、後ろに人がいたのか。
「今日はコレットさんが休みなんです。久しぶりに店に出ると売れるものも把握できていいですよ」
ショルトさんと一緒に店に来た人は珍しそうに商品を眺めている。誰かな? どっかで見たことある顔なんだけど思い出せない。
「この方はプリーモ商会の息子さんでアルヴィン・プリーモさん。マジックショップナナミにどうしても連れてきてほしいって頼まれたんだ」
ん? わざわざショルトさんに頼まなくても普通に来ればいいのに。変な人だな。でもルイスさんに似てるから見たことある顔だったんだ。
「君がナナミさんですか? 若いというか、幼いって感じですね」
なんか超失礼な人ですよ。
「ナナミさんはこう見えても18歳になるんだから幼いは褒め言葉にならないですよ」
クリリがちょっと怒ったように言ってくれた。ありがとうクリリ。
「すみません。正直過ぎるのがダメだっていつも父親に怒られてるんですがなかなか直らないんです」
謝ってくれたけど、全然反省してないよ。ルイスさんも大変だね。
「今日は何か買いたいものでもあって来られたんですか?」
「いえ、今日はナナミさんに話したいことがあって来ました」
「話ですか?」
「そうです。ああ、このボールがドッジボールに使ってるボールですか」
アルヴィンさんは急に走り出してボールを掴んだ。ボールが欲しいのかなぁ。そんなことないよね。
「実はこの度ドッジボール促進委員会というのができまして、その会長が私です。ドッジボールを広めたのはナナミさんなのに会長が私というのも変なのですが、どうぞよろしくお願いします」
ドッジボール促進委員会? よろしくされても困るけど、ショルトさんを見ると頷いてるのでここは仲良くしといたほうがいいみたい。
「私は何もできませんがこちらこそよろしくお願いします」
「それで1番のお願いがこのボールです」
「ボールですか?」
「はい。このボールをプリーモ商会に売っていただきたい」
アルヴィンさんはボールを売って欲しいそうです。どういうことなのかな。




