7 オールド眼鏡
トントン拍子で店を持つことが決まった。商業ギルドへの納税額は月に金貨5枚。店の規模で決まるとか言ってる。合計で金貨15枚。やっていけるかな? 少し不安になってきたよ。
「店は明日案内しますね。その後よろしかったら契約しましょう。今日は以上ですが、何か聞きたいこととかありますか?」
ショルトさんは眼鏡を外しながら聞いてきた。
「ないです。明日もこのくらいの時間に来てみます。ありがとうございました」
向きを変えてたらズラーッと列ができてる。いったいなんですか?
「お嬢さん、そのオールド眼鏡売ってくれないか」
一番前の列の人が頼んで来る。まさかとは思うけど、この列はオールド眼鏡を買うためのもの?
「そんなに慌てなくても、もうすぐ店を出すんだ。その時でいいでしょう」
ショルトさんが口を挟んでくれた。
「何言ってるんだ。所長さんが一番先に買ってたじゃないか。それに店を出すときに値が上がってたらどうする?」
そうだ、そうだ。と大合唱。値段あげるつもりないけど。
「仕方ないな。ナナミさん売る場所をこちらで作るのでお願いできますか?」
「はあ。それはいいですが・・」
金貨1枚もするのにみなさん大丈夫なの? とりあえず百均で100個買っておくことにする。女の人もいるようなのでフレームも変えてみる。
ショルトさんたちが用意してくれた机の上に商品(オールド眼鏡)を並べた。色とりどりのオールド眼鏡。三人づつで選んでもらって売る。
「本当によくみえるな」
男の人は何でもいいのかさっと選んで買うけど、女の人は色々気になるようで選ぶのに時間がかかってる。まあ、私も時間があるからいいけどね。100円のものを一万で売ってるので何も言えないよ。
2時間ほどで完売。どうやら商業ギルドの職員の方も買ってくれたようだ。たった2時間で100万円の儲け。いいのかな。
まあ、これで当分はお金の心配はしなくて良いから安心だけどね。
名前:倉田ナナミ/クラタナナミ
年齢:18歳
職業:学生
固有能力:生活魔法・治癒魔法・防御魔法・ユーリアナ女神様の加護
ギフト:百均
鞄:財布1・パン1・塩9瓶・塩4袋・塩コショウ9個・マヨネーズ9個・砂糖4袋・飴4袋
財布:1,325,400円(金貨132枚銀貨5枚銅貨4枚)