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77 リバーシ大会②


コレットさんとの買い物は午後からにして今からリバーシ大会の会場に行くことになった。

そこでこの大会の主催者であり、リバーシの豪華版を作ってるプリーモ商会の会長に会うことになっている。


「プリーモ商会って有名なの?」


私が聞くとクリリが目をくるくるさせて


「ナナミさん知らないの?」


と言った。そんなに有名なのかしら。


「プリーモ商会の会長はこの国の男爵になるが、元は庶民だ。名誉貴族ってやつだ。この国だけでなくプリーモ商会の商品はあらゆる国で販売されてるよ。会長はとっても優しそうに見えるが、油断するなよ。一代でここまでにしたんだ、ただの良い人なわけないからな」


そうだよね〜。タケルも勝手にリバーシの豪華版売ってるって怒って行ったはずなのに、反対に買わされて帰って来たんだから......。


「うんうん、わかってるよ」


タケルの分も私が頑張らないとね。


「なんか心配なんだよな。会長の方から会いたいって言ってくるとこからして、絶対なんかある」


タケルは心配症ですね。そんな大物が私に用があるとは思えないよ。多分リバーシの事じゃないかなぁ。



わーくまさんだぁ。プリーモ商会の会長ルイス・プリーモさんの第一印象である。獣人ってわけではない。熊のような人って事。


「君がナナミさんですか。まだ子供じゃないですか。タケル君が心配するわけですね」


子供扱いされても怒る気がしません。馬鹿にされてるわけじゃないって、わかるんですよ。

ルイスさんは先にこの間の事を謝ってきた。まさか勝手にリバーシを作ってるとは思ってなかったらしい。いつものように話を通してると思っていたということだ。これが本当のことかどうかはわからないけど、利益の10%貰えるのでもう気にしてないですよ。もともと私が考えたゲームじゃないですしね。私が気にしてないですよというともっと気にした方がいいですよと反対に注意されてしまった。


「大会にはタケルさんが出場すると思ってましたよ。店員の子供が出るとか。強いんですか?」


「はい。タケルだと勝って当たり前なとこあるから、クリリに出てもらう事にしたんです。賞金はクリリが頂きますよ」


「はっははは。それはどうですかな。私の従業員の中にも強いのがいますからわかりませんよ」


賞金は主催者のプリーモ商会が出すことになっている。

1位は白金貨10枚。2位は白金貨2枚。3位は金貨5枚。4位〜10位までが金貨1枚。

すごい高額な賞金です。これ目当てに大勢の人が登録してるようです。リバーシもバンバン売れてます。

大会に出場するには参加費用として銀貨2枚かかるので、クリリの分はマジックショップナナミの代表として出場するのだから私が払った。

クリリは2年後に王都の学校に行きたいと言っている。頭がいいから奨学金で行けるってタケルは言ってるけど、金持ちの子供が多い学校だからお金が必要な事もあると思う。だから是非ともこの賞金を手に入れて欲しいのだ。自分のお金だったら遠慮なく使えるでしょ。


「大会が終わったら是非ともまた話がしたいですね」


ルイスさんに言われます。社交辞令でしょう。


「そうですね。今度は食事でもしながらお話したいですね」


私も社交辞令で返事しましたよ。礼儀ですからね。タケルは頭を抱えてます。どうしたんでしょうね。











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