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5 商業ギルド2


ショルトさんは肉を食べ終わると今度はマヨネーズを開けてくれというので開けてあげた。


「これは野菜にかけるドレッシングの一つです」


 食べ方を説明すると今度は野菜を出してきた。キュウリに似た野菜だ。マヨネーズをかけて食べている。


「美味い。これは売れるぞ」


 ほっとした。どうやらマヨネーズは売れるらしい。一通り味見をして満足したのかショルトさんは口を拭いて紙を取り出した。


「ナナミさんはギルドカードをまだ作っていませんのでカードを作りましょう。こちらの紙にご記入してください」


 紙はごわごわしてるし、万年筆のようなペンはとても書きにくいがなんとか記入していく。出身地はジャパンにしておいた。ショルトさんは私が記入した紙を目を細めながら遠ざけて見ている。どうやら老眼らしい。


「眼鏡かけないんですか?」


「眼は悪くない。遠くまで見えるから眼鏡は必要ないですよ。それに眼鏡は高価ですからね。なかなか買える人はいませんよ」


 どうやら眼鏡は高価らしい。老眼の人の眼鏡はないようだ。私はステータスを出して百均を呼び出した。そこから老眼鏡を3個ほど買うことにした。鞄から老眼鏡を一つ取り出してショルトさんに渡した。


「オールド眼鏡です。近くがみえにくい人が使うものです」


 老眼鏡っていうと嫌がる人がいそうだからオールド眼鏡にしておいた。ショルトさんは眼鏡がよく似合った。


「これはよく見える」


 とても嬉しそうだ。みんなも老眼鏡に興味があるのかわらわらと集まってきた。特に年配の女性と男性はとても興味がありそう。


「所長、そんなに見えるんですか?」


 ショルトさんって所長さんだったんですね。びっくり。受付してるから平社員だと思ってたよ。


「ああ。ぼやけてた文字がはっきり見える。これは売り物ですか?」


「はい。市場で売ることは考えてなかったんですが、このオールド眼鏡もたくさん在庫があるので必要な人がいるようでしたら売っていきたいですね」


 全然考えてなかったけど、欲しい人がいそうなんで頷いておく。


「いくらですか?」


 困った。値段なんて考えてなかったよ。眼鏡が高いって言ってたけど老眼鏡だし1000円くらいかな。私は人差し指を一本立ててショルトさんを伺った。


「白金貨1枚か。買おう」


「え?白金貨って何ですか?違いますよ。そんなにしませんよ」


 白金貨なんて知らない単語が出てきたので慌てて否定した。


「金貨1枚でいいのか? 金貨10枚で白金貨1枚だから、かなり安いぞ。そんなに安くていいのか? 間違えてるんじゃないか?」


 なんだかショルトさんの言葉が砕けてきてる。なるほど金貨10枚で白金貨1枚になるのか....。でも100円の商品なんだからそんなに高く売るのもなぁ。でも銀貨1枚(1000円)っていうともっと騒ぎそう。うん。ここは金貨1枚ってことにしよう。


「間違えてません金貨1枚です」


 ショルトさんは金貨3枚出してきて


「3個欲しい」


と言ってきます。

 え?今買うんですか?びっくりです。私は鞄から残りの眼鏡を出して渡した。

初めて売れたのは塩でも砂糖でもなく老眼鏡だった。本当は銀貨1枚で売るつもりだったんだけどね。


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― 新着の感想 ―
[一言] 他の小説もそうだが、物を売る前に市場価格調べんのな?
[一言]  オールド眼鏡w 老眼鏡といっしょやーん 商品名に「リーディンググラス」とか「シニアグラス」とか、もうちょっとカッコつけた名前ついてなかったのかな?
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