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49 セルビアナ国ウータイ⑦



ウータイ焼きのにおいがすごいです。ソースの匂いにつられて列ができてます。これは繁盛しそうですね。ヨウジさんも奥さんも大忙しです。

私の方はというとすごいです。商業ギルドの宣伝の効果でしょうか。オールド眼鏡が飛ぶように売れていきます。さすがに貴族の方が直接、市場に並べないようで使用人の方が並んでいるようです。

値段高いのに大量に買う人もいます。


「この五目ごはんというのはどんな食べ物なんだ?保存食と書いてるが日持ちするのか?」


「このパックを開けなかったらひと月ふた月持ちますよ。ちょっと試食してみますか?」


タケルはひとつ温めて使い捨てのスプーンに五目ごはんをすくってお客さんに渡します。売り方が上手いです。


「温めて食べるものか。魔法がなくても温められるのか?」


「沸騰してるお湯で10分から15分茹でたら出来上がりです。その時はこのパックのままで茹でてください」


「便利だな。味も美味しいし、そうだな全種類30個買おう」


船乗りさんには保存食がやっぱり売れてます。特に試食した人は大量に買って行くようです。


意外にも船乗りさんが買って行くものは、タオルやフルーツの缶詰が多いです。タオルは場所が空いてたので穴埋めのように置いたのですが今日一番の売れ行きです。


市場というのはとにかく活気があります。店で売るのとは全く違って見えるのです。あちらこちらでお客さんを呼ぶ掛け声がしてますね。


「店で売るより回転が早いから、昼過ぎには終われますかね」


「まだまだ噂を聞いて現れるかもしれないから、なんとも言えないよ」


うーん。今日中に帰れたらいいか。売れるっていいことだよね。みんな喜んでるし......。



結局夕方近くまで売ることになりました。買った人がまた買いに来たりして列が途切れなかったからです。


ウータイ焼きも昼過ぎまで売ってましたが、材料がなくなったそうで帰って行きました。夕飯をお願いしときました。結局ウータイ焼きはタケルと交代で急いで食べたけど、ゆっくり食べたいですね。


次にセルビアナ国に来た時は観光するよ。商売も大事だけど異世界をもっと知りたいからね。




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