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40 ラーメンの食べ方



「このちゃんぽんというのは美味しいな。これもカップ麺なのか?」


「そうですね。カップに入った麺でカップ麺ですよ。これが麺です」


これと麺を指して教えます。


「ところで君たち2人が使ってる棒は何なのだ。フォークとは明らかに違うが、どうしてそのように上手に食べれる?」


クリス様が不思議そうに聞いてくる。


「これは箸と言ってフォークの代わりです。この方が慣れてるから、私には食べやすいんですよ」


「そうそう。かえってフォークで食べろって言われたら困るな」


タケルも答えます。

クリス様はまだ何か聞きたそうに口を開いたが、言葉を飲み込んでちゃんぽんを音を立てずに上品に食べだした。

タケルもクリス様がフォークで上手にたべるのを見て驚いている。これが生まれながらの貴族というものなのだろうか......。でもラーメンはすすって食べたほうが美味しいと、私は言いたい。


「あっ、そうだ。クリス様はこの辺りに売家がないか知らないか?」


「売家ですか? 誰が住むのですか?」


「俺に決まってるだろ」


どうやらタケルは本当にここに住む気です。大丈夫なんでしょうか。


「タケル様は領主になったと聞きましたが、何かあったのですか?」


「何もないよ。あそこは領主代理がいるから時々様子を見に帰ればいいさ。ーーそれよりこのラーメンやカレー、醤油たちとは離れて暮らせないよ。やっと見つけたんだから」


動機が不純です。食べ物のために暮らすところを決めるって、男としてどうでしょうか? カッコよくないですよね。ほらクリス様も呆れて口が開いたままになってますよ。


「ほ、本気なんですか?」


「もちろんだ。間取りは風呂もつけれる広さが欲しいな」


「風呂を取り付けるのですか?」


「ああ。そのつもりだがこの街で風呂を取り付けるのは難しいのか?」


「いえ、我が家にもついてるので頼めば大丈夫でしょう。品物さえ王都から運んで貰えば、ここの職人で取り付けられますよ。何年か前に我が家のも新しいのにやりかえてるんで大丈夫です。こちらで手配しましょうか?」


「ぜひ頼むよ」


「私のも一緒にお願いできますか?」


ついでにお願いしてみます。ショルトさんから家主さが風呂の取り付けを了承してくれたと返事が来たんです。他にもこの店の裏の部屋のところに簡易キッチンを取り付ける事も了承してもらえました。


「ナナミさんもですか?」


クリス様が驚いてます。


「はい。風呂が好きなんです」


「そうですか。だったら急いで頼みましょう」


「おいおい、クリス様。俺のも忘れないでくれよ。後、家の方もな」


「わかったよ。執事のセバスチャンに聞いておくよ」



「執事さんがいるのですか?


「はい。こちらの邸にはセバスチャン、王都の邸にはヤンとまあ、2人います」


やっぱり貴族様はすごいです。執事が普通にいるんですからね〜。


「できれば簡易キッチンも取り付けたいので、それも同じ人で大丈夫ですか?」


私は簡易キッチンのこともお任せすることにしました。


「簡易キッチンならすぐ取り付けてくれるでしょう。風呂と違って在庫があると思いますよ。手配しておきます」


「よろしくお願いします」


トントン拍子で決まりました。これで風呂が近づいてきます。やっぱり風呂に浸からないと、疲れが取れない気がします。


クリス様はちゃんぽんと五目ごはんを食べ終えると、早くしろという私たちの視線に耐えかねたのかすぐに帰って行った。






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