表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/314

38 国王と公爵side




「陛下、こちらが例の少女の店で売ってる商品です」


ガーディナー公爵は国王陛下にオールド眼鏡やカップ麺等入った袋を渡した。


「ここには誰もいないんだから従兄上と呼んでほしいな」


「それはなりません。どこに耳があるかわかりませんから。」


ガーディナー公爵は首を振った。


「お前は堅くていかんな。ふむ。これがオールド眼鏡か。おーすごいな。確かに字がくっきりと見える。これを金貨1枚で買えるとは、我が国の特産品になるのではないか」


国王であるイーサンはオールド眼鏡をかけたまま頷いている。


「はい。このまま我が国にいて欲しいのですが.....」


「どうした。お前らしくもなく弱気じゃないか。おーこの飴も美味しいな。初めての味だーーということは、やっぱりナナミとかいうものは異世界人だったのか?」


「おそらく、間違いないかと。ーー最近では勇者が毎日通っているようです」


「今代の勇者はイルディア国にいるのではなかったか? 確か魔王退治の功績で伯爵の位を与えられ領主に任命されたとか聞いていたがどうしてこの国にいる?人違いでは?」


イーサン国王は首を傾げた。


「いえ、勇者と挨拶を交わしたことのある我が息子が断言しました。勇者タケルだと。部下たちがある男が最近店に入り浸っていると騒いでいた時、丁度息子がマジックショップナナミに買い物に行って、勇者に再会したようです」


「そうかクリスが断言したのか。魔王を退治した時のパーティーにクリスも呼ばれたのだったな。ということは間違いないだろう」


「その時家を買うと言ってたそうです。クリスが言うにはナナミに気があるから家を買うのではなく、ナナミの売ってるものと離れられない、離れたくないと言ったそうです。その時カップ麺を食べていたそうですが、ナナミと同じように"ハシ"というものを使って上手に食べていたそうです。おそらく同じ世界から来たのではと言ってました」


しばらく2人は黙り込んだ。考え込んでいるようだった。しばらくするとイーサン国王が


「家を買うと言ったのなら大丈夫だろう。自分の領地に連れて行くということではないのだからな」


と言った。


「そうですね。ただ勇者は我々とは比べものにならない位変わった魔法を使うということなので、監視は必要かと」


「ふむ。勇者は敵ではなさそうだが、何処に敵がいるとも限らない。これほどの商品を生み出す力だ。監視は必要だろうーーで、アンドリュー。ラーメン

はまだなのか? 持ってきたのだろうな」


イーサン国王は早く食べさせろとばかりに机を叩く。


「そろそろ持ってくるはずですが、毒味に時間がかかってるのでしょう」



イーサン国王がラーメンを食べれたのはそれからさらに10分後のことだった。残念ながら麺が伸びてスープも少なくなっていた。国王というのは因果な商売である。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ