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265 アニマルキットに挑戦


 チクチク、チクチク、チクチク。


「はぁ」


 チクチク、チクチク、チクチク。


「ふぅ」


 チクチク、チクチク、チクチク、チクチク。


「何やってるんだ?」


 タケルが思わず声をかけるくらいには、私のため息が多かったらしい。


「見てわかるでしょ」


「わからないから聞いてる」


 うーん。確かにまだわからないかなぁ。羊毛フェルトのアニマルキット。百均で売っていたから思わず買ってしまった。残念ながらオオカミはなかったので、オオカミ色のフェルトも買った。


「これでクリリを作ってるの」


「マスコット人形か?」


「まあそんなものかな。でもこれが意外と難しくって」


 友達が針で刺すだけだから簡単だと言ってたんだけど、自分でやってみると思うようにいかない。針が悪いのか? 道具のせいにしたいけど彼女は同じ百均の針でチクチクと簡単に猫やら犬やら作っていたんだよね。


「そうだなあ。まだ何を作ってるかもわからないからな。本当にオオカミになるのか?」


 タケルが何気に失礼なことを訊いてくる。自分でもわかってるけど人に言われるとイラッとする。

 頭の中にイメージはあるのに形にすると歪んでくる。これってこのまま続けて大丈夫?って聞きたい。ダメってわかってたら無駄な時間なんてかけないんだけど....。


「こうやってチクチク刺していくだけだから、簡単にできると思ってたのに....何がいけないの?」


「クリリにやってもらうわけにもいかないよな」


「クリリには内緒だよ。びっくりさせたいんだから」


 確かにクリリなら上手に作ってくれそうな気がする。本を見ただけでセーターも作ってたし、器用なんだよね。でもこれはクリリにプレゼントするものだから内緒で作りたい。


「アルビーはこういうの得意なんじゃないか?」


 タケルに言われるまで気づかなかったけど。アルビーは編み物が得意だし、これはまだやったことないけど作れるかもって思う。今日はお休みだから明日聞いてみようかな。


「それでアルビーの部屋は作れそうなのか?」


 アルビーで思い出したのかタケルが尋ねる。アルビーはもうじきここで働くことになる。孤児院を出ないといけないからここに住んでもらうんだけど、部屋がない。それでどういう風に増築するか、付き合いのある大工さんに聞いてみた。


「話し合った結果、隣と繋げた部分に部屋を作ってもらうことにしたの。三階にしてもいいんだけどね」


 防御の魔石を使って、夜に泥棒よけをしているんだけど、三階になるとすごく魔石が高くなる。繋げた部分に部屋を作った場合は両方の家の魔石を使えるから新たに魔石を用意しなくても良いみたいなんだよね。

 防御の魔石のことはすっかり忘れていたんだけど、この魔石の補充は忘れないようにとタケルに忠告された。うっかり忘れていて被害にあう店があるそうだ。わたしはそれを聞いて青くなった。明りの魔石と違って存在すら忘れていたのだから。慌てて確認しに行こうとしたら、タケルが大丈夫だと言ってくれた。これまではタケルが補充していてくれていたそうだ。日本と違って強盗も多いから気をつけないと。自分の身は自分で守る。出来ることを放棄して強盗に入られても、誰からも同情してもらえない。『馬鹿だねえ』と言われて終わりだ。

 店にあるものは少々盗られたところで痛くも痒くもないけど、エミリアさんやアルビー傷つくことは困る。まあ、エミリアは返り討ちのするだろうけどね。


「ありがとうタケル。これからは私も気をつけるね」


「そうしてくれ。俺も気をつけるが二人で気をつけた方がいいからな」


「初めての共同作業だね〜」


「いや、なんか違うだろそれ。言葉の使い方間違ってるぞ」


 タケルと話している間にもチクチクしていたけど、オオカミには程遠い出来だ。

 やっぱりアルビーと一緒にはじめっからやり直した方が良さそうかな〜。


この「アニマルキット」私は挑戦したことがないです。

でも私の友人に得意な人がいて、百均の材料でいつもチクチクと作ってます。

ツイッターの方に載せてるアメリカンショートヘアーも彼女の作品です。次はクリリ作ってくれないかなぁ〜!


感想いつもありがとうございます。

返事が遅れていて本当にすみません。

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