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249 異世界から召喚? 1


今日はエミリアが私のために異世界から私の望むものを召喚してくれるというので、休みなのにタケルも店に来ていた。


「それでナナミは何を召喚してもらうつもりなんだ?」


一年に一回しか異世界のものを召喚できないとエミリアが言っていたが、タケルはカレーもどきを召喚した時から頼んだことはないらしい。あてにならないと見限ったようだ。それでも私が召喚してもらう物は気になるようだ。


「ずっと考えてるんだけど何がいいか決まらないのよ。もちろん欲しいものはたくさんあるけど一年に一回しか召喚できないんだから後悔しないようなものって思うとこれっていうのが思いつかないの」


「見たこともないものを召喚させるつもりなら、詳しく説明しないと俺の時みたいになるからな。鍋いっぱいに、くさい匂いをさせた◯◯◯が召喚されて周りから苦情殺到で大変だったんだ…思い出したくもない」


タケルが遠い目をして語っている。カレーを鍋いっぱいに召喚してもらうつもりだったのに…と嘆いているけど一年に一回しか召喚できないものにカレーを選ぶタケルもどうかしていると思う。きっとタケルの説明に問題があったんだよ。

もったいない、もったいない。


「そうね。見たこともないものはやっぱり無理な気がするわ」


「そんなぁ。ここに住む時になんでも召喚するからって言ったのに忘れたわけじゃないよね」


「もちろん、約束は守るけど見てないものは失敗するかもしれないって言ってるの。失敗したらまた一年後になるから慎重に選んだ方がいいわよ」


失敗してもキャンセルはできないし返品もできない。失敗したらもったいないからよく考えた方がいいよね。

スマホが欲しいけど新品を貰っても意味がない。新品だとカメラにしか使えない。


「そうだ。ナナミはスマホ欲しがってただろ。スマホだったら実物があるから召喚しやすいだろ」


タケルも同じことを考えたようだ。時々私が貸してもらってるのも煩わしいのかもしれない。


「タケルのスマホは色んなものをダウンロードしてるからいいけど、新品だと何もはいってないし電話機能も使えないから微妙なのよ…かと言って他人のスマホを召喚してもらうのもアレだし…うーん。本当に何を頼もうかしら」


欲しいものはたくさんあるのに頼めるものがない。車があったら便利だけど道路が整備されてないしガソリンもない。電子レンジが欲しいけど電気がない。洗濯機や掃除機は魔法の方が便利だからいらない。日本にいるときはル◯バが欲しかったんだけどなぁ〜。


「そうそう、生き物はダメだからね」


召喚って勇者とか召喚する大きな召喚もあるのに生き物はダメなんだ。勇者も生き物なんだけど、召喚にも種類があるのかな。


「生き物ダメなんだ」


「こっちの生態系が変化すると大変だから禁止されてるの」


生態系って……私たち異世界人は大丈夫なのか心配になってきたよ。いわゆる外来種になるんじゃないかな。それとも女神様に連れてこられた私たちは大丈夫なのだろうか。ん? でもタケルは女神様に連れてこられたわけじゃないからどういう扱いになるんだろう。


「ねえ、エミリア。私たちの存在は大丈夫なの?」


エミリアは私とタケルを見て首を傾げる。


「落ち人と勇者様については暗黙の了解みたいなのがあるみたい。よくは知らないけど…」


タケルが勇者として紹介された時に説明があったらしいけど、エミリアはあまり興味がなかったので聞かなかったらしい。でもタケルは自分のことだから聞いているだろうと思ったらまるで聞いていなかった。


「こっちの食事があまりにもお粗末でショックを受けてたからなんか色々と説明してたけど頭に入らなかった。まあ魔王退治の時にまだ王宮の食事はマシだったってわかってさらにショックを受けるんだけどな」


魔王退治の教育の時も魔王を退治したら帰れると思っていたから魔王を退治するために必要な情報以外のことは詳しく聞かなかったらしい。


「結局この地で暮らしていく事になったんだからその時にでも聞けばよかったのに」


「魔王退治がすめば勇者なんて用済みだからわざわざ教えてくれる者はいない。自分たちの敵にならないように領地を与えてそれでおしまいだ」


タケルの勘違いじゃないかなと思う。領地を与えてくれてあのはそれだけの働きをしたからだし、用済みだなんて誰も思っていないと思う。エミリアだってタケルのために一度はカレーを召喚しようとしたみたいだしね。

うーん。それにしても何を召喚してもらうかなぁ〜。


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