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24 タオル


 何がいけなかったんだろう。うん。やっぱりあれだ。うん。私は悪くない。うん。これは絶対あれだよ。


「ショルトさんが悪い」

「俺は悪くない」


ん?言葉が重なったよ。


「何言ってるんですか。ショルトさんが悪いですよ。食べるもの以外って言うからです」


 そう、私はショルトさんの忠告通り食べ物ではない《タオル》にしたんだから悪くないですよ。


「確かに食べ物じゃなかったけどな、あんなのは反則って言うんだ。俺ももらって帰っただろ?そしたら嫁に20枚頼まれたよ。こんな便利なものはないってな。水分を吸収するのがいい。色もイロイロあるしな」


 なんか始めの頃と別人のように言葉使いが悪くなったショルトさんです。まあ、いいですけどね。肩が凝らないほうが付き合いやすいから。


「タオルは売るつもりなかったんだけど、そういう訳にもいきませんね」


 せっかくタオルを買うために並んでいる人がいるのだから、売りませんとは言いにくい。


「あたりまえだ。嫁に俺が怒られる」


 そこなんですか?怖い怖いとつぶやくショルトさんは無視して、タオルをいろいろ選んでから棚に並べていきます。ついでにハンドタオルも置いていきます。


「この小さいのはなんだ?」


「ハンカチがわりに使えるものです。値段も大きいのと小さいので変えて売ろうかと思ってます。普通サイズのは4銅貨でハンカチタイプは2銅貨でどうでしょう」


「安くないか?」


「そんなものですよ」


 原価100円なんですからこんなものです。赤字にならなければいいと思います。


「うーん。しばらくしたら落ち着きますかね。本読む暇もないのは困るんですけど」


「人雇ったらどうだ? ナナミはもっと常識を学んだほうがいい」


 ショルトさんがさりげなく失礼なこと言ってます。


「探しといてやるよ。が、とりあえず今日は1人で売るしかないな」


「はい。頑張ってタオル売ります」


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