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216 倉庫を改造しよう


 クリリは私たちがダンジョンにいる間、いかに女性のお客様が大変だったかを語った。最後の辺は泣き声になっていた。きっとからかわれたんだろうなって思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになった。確かにクリリには荷が重かろう。

 本当はもっとたくさん化粧品やファッション関係の小物を置きたいけれどスペースがないのが現状だ。それに化粧品についてはコレットさんなら対応できるけど、クリリにはどれが似合うかと聞かれてもサッパリわからないようだった。


「口紅の色なんてどれつけても大して変わらないのになんであんなに時間かけて選ぶんだ?」


 これはタケルが言ったセリフだ。その横でクリリも頷いていた。まあ私も女子力がないのでどっちが似合ってるかなんてわからない。でも尋ねる人の大部分はどっちを買うか決めてるのだ。背中を押して欲しいだけ。だから訪ねてくる人が欲しがってるのがどっちなのかを見極めることが出来れば良いだけなんだけど.....男にはわからないよね。


「ねえ、ナナミ。ファション関連は分けて売ったらどうかしら?」


 エミリアは百均のファッション関係のアイテムがお気に入りだからもっと数を増やして欲しいと最近はうるさい。でもこの規模の店舗で分けて売るのは難しい。


「場所がないから無理だって」


「うん、ここでは無理だっていうのはわかるわ。だから隣の倉庫の前側を店舗に改造できないかしら。そんなに広くなくていいから、残った部分は今まで通り倉庫でいいでしょ?」


 確かに良い考えかもしれない。前側を少しだけ店舗にして、残りの部分はティーグルの部屋にしてもらえばティーグルも寂しくないだろう。元々ティーグルの部屋用に買った倉庫だ。


「でも従業員を増やさないと無理ね」


 店舗を分けたら従業員も増やさないとやっていけないだろう。それに光熱費とかリフォームのお金とか結構物入りだ。採算がとれるだろうか?


「あっちはわたしに任せて。コレットさんみたいなパートさんを雇ってもいいし、売れないようだったら私一人でも出来るわ」


 エミリアの夢は雑貨屋さんの経営者だったらしい。いくらでもできそうなのになんで今頃?って尋ねると、


「今までは売りたい商品がなかったの。人に自信を持って勧められる商品って意外とないのよね。私なりに色々な街に行って集めてたんだけど、店を出せるほど集まらなかったの」


と語ってくれた。


「店を構えるとなるとたくさん商品がいるし、品切れが続くとお客様も離れていくものね」


 コレットさんもエミリアの話に頷いている。店を持つって大変な事なんだなとエミリアの話で気づかされた。私はその場で買える百均があるからなんとか商売もうまくいってるけどね。

 

「でもそれだと私の店であってエミリアの店じゃないのにいいの?」


「いいのいいの。私がみんなに勧められる商品を私のレイアウトで売っていけるんだもの。これは売れるって思ってたものを売った時の感動ってサイコーよ」


 エミリアさんって話がうまいのよね。いつの間にか引きずられれるっていうか。これは早めにショルトさんに相談した方が良さそうだ。安くリフォームしてくれる人を紹介して貰わなくっちゃ......。









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