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211 ダンジョンに行こう7


『ダイエット茶の種』のある十四層は日本でいうゴキのデカバージョンが沢山いる所だった。


『カサカサ、カサカサ』


 テカテカと黒光りした羽。見てるだけでテンションが下がってくる。

 エミリア曰く、これっていう武器もない虫なんだけど数だけは次から次へと出てくるから、倒すまでに時間がかかってとっても疲れるそうだ。

 一匹でもー見逃せば数分で元の数に戻ってしまうから絶対に一気に全部始末しなければならない。やっぱりゴキはゴキだね。

 私は初めから戦う気はないので、バリアを張って大人しくしてた。だけど敵はそれを許してはくれなかった。私のバリアに果敢にも向かってくるのだ。

 ゴキの奴は私のバリアにあたってはグシャ。あたってはグシャと潰れて.....バリアはゴキから出た白いもので汚れていき....うぅぅ、気持ち悪い。


「エミリア、早く片付けてよ。とてもじゃないけど耐えられないよ」


 エミリアはゴキには触りたくないようで火の魔法で倒している。

 コレットさんは自分の剣に「ごめんね。後で綺麗にしてあげるから」と謝りながらゴキをバッサバッサと切る。私はバリアの中で「ひゃー」と言いながらもゴキのグシャっと潰れる姿をシッカリと目に焼き付けていた。

 最後の一匹をエミリアが魔法でやっつけた時はホッとした。エミリアがもう大丈夫と言ってくれたけれど本当に湧いて出ないかしばらく待ってからバリアをといた。

 ゴキの死骸はしばらくすると跡形もなく消えるが、なぜかゴキがこぼした白い液体のようなものは地面に残っていた。それがパッと光ったかと思うと植物の種のようなものが沢山、地面に転がっていた。


「えっー! まさかこれが『ダイエット茶の種』なの?」


 私は衝撃で倒れそうになった。すごく苦労をして(私はバリアを張ってただけ)手に入れた『ダイエット茶の種』がまさかゴキから吐き出されたものから作られた物だったなんて。こんなお茶飲む気がしないよ〜!


「うわ〜沢山採れたわね。でもこれを育てるのが大変だわ」


 エミリアがどこに植えようかと首を傾げて考えている。


「それだったらタケルの領地がいいわ。あそこは土地も広いし、今私の国の野菜や果物も栽培してるのよ」


 私の家の庭に植えられたくなくてタケルの領地を推薦した。


「何言ってるの。何のためにタケルに黙ってたと思うの。アイツはね〜前にこのアブラブラー(ゴキのこと)と戦って私が『ダイエット茶の種』を回収しようとしたら横から超高温の火魔法で種を消滅させたのよ。消滅よ! 許せないわ」


「アーソノキモチオナジニホンジントシテワカルヨ」


 どうやらこの世界には小さなゴキは存在してないらしく、私とタケルの気持ちは二人には通じなかった。

 結局、タケルに見せたらまた消滅されるとうるさいので、私の前に買ったまま忘れている家の庭に植える事になった。世話はエミリアがするというので任せる事になったけど、エミリアっていつまで居座る気なんだろう。

 まさかとは思うけど、本当はタケルの側にいたいとかじゃないよね。む〜、それはないか。

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