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207 ダンジョンに行こう3


「ここがダンジョン! いかにもって感じね」


 洞窟の入り口に受付がある。その隣の建物は冒険者ギルドの出張所だ。ここでダンジョンで取れたものを換金するらしい。入場料は大人1銀貨。子供3銅貨。とってもリーズナブルな値段だけどこのダンジョンで取れたものには税金がかかる。そう2割は税金で持っていかれる。そのために冒険者ギルドの出張所がここにあるのだ。


「ダイエット茶の種を売りたくない場合は、お金を払えば良いってことね」


「そういうこと。一応目安の値段が決まってるからぼったくられることはないわよ」


「ぼったくられることがあるの?」


「ここは冒険者ギルドの出張所だから大丈夫だけど、個人経営の買取屋がやってる所は要注意ね」


 エミリアもコレットさんもとっても詳しい。私は彼女たちに任せていれば大丈夫そうだ。

 早速入場料を払って中に入ることにした。


「ナナミは防御魔法バリアを魔物が現れたらすぐに張ってね」


「私、このナイフ位しか武器がないけど本当に大丈夫?」


「ナナミ、危ないからナイフは要らないわ」


 エミリアは私の持っている果物ナイフを見てカバンの中に入れておいた方が安全だと言った。でも手ぶらだと怖いので前に買った杖を取り出した。これなら歩くのにも便利だ。

 ダンジョンで初めに現れた魔物はスライムだった。なんというか小さくて可愛いので倒すのが申し訳ない気がしたが、エミリアが魔法で瞬殺した。手間取ると分裂して大変なことになるらしい。


「それよりナナミは魔物が出たらバリアだって言ったのにポヤポヤしてたら死んじゃうわよ」


 そうだったバリアはるの忘れてた。のびのびスライムを知ってるからついつい油断してた。魔物相手に油断は禁物だ。


一層から三層まではあっという間に終わった。コレットさんとエミリアの息が合っていてどんな魔物も瞬殺している。私はその間バリアの中で2人の戦いを眺めているだけ。ただ私を攻撃しようとした魔物は何故かバリアにあたった後跳ね返り攻撃を受けていた。攻撃された時はビクッとなったけど、バリアが壊れることもなくホッとした。

 エミリアもコレットさんもバリアの強度に安心したようで、その後は私を守ることも忘れて攻撃だけに没頭していた。いや、良いけどね。


「この辺りで夕飯でも食べましょう」


 ダンジョンにはいくつか魔物が寄り付かない場所があるらしく、そこで休憩を取ることにした。

 夕飯はエミリアの好きなハンバーガーとコーンのカップスープ。

 休憩場所他の冒険者もいて、中にはカップラーメンを食べてる人もいた。あれって私の店で買ってくれた物だよね。向こうもコレットさんに気付いたようで頭を下げていた。


「今日のうちに六層までは行っておきたいわね」


「そうですね。六層には寝れそうな場所もありそうだから、ここまでは進みましょう」


 エミリアもコレットさんもとっても元気だ。私は日頃の運動不足を後悔したくなるほど足がだるい。

 これはヤバイ。早めにアレを飲んでおこう。私は栄養ドリンクを鞄から出して飲んでおくことにした。


「ナナミ、一人で何を飲んでるの?」


「疲れたから、肉体疲労によく効くドリンクを飲んでるの。二人には必要ないでしょ」


 元気満々の二人が飲んだらついて行けなくなるよ。


「私たちだって久しぶりのダンジョンで疲れてるのよ。そのドリンク飲んでみたいわ」


「出来たら飲んでみたいです」


 渋々と二人にも栄養ドリンクを渡した。


「なんだか飲んだ途端に身体が軽くなった気がするわ」


「本当! これなら徹夜でも働けそうね」


 二人とも大げさ過ぎるくらい喜んでくれた。カップラーメンを食べてた集団がチラチラとこちらを見ている。コレットさんが常連客だと言うので栄養ドリンクを配った。


「なんだ! これは!」


「魔力が一気に回復したぞ!」


「よし! 四層に行くぞ!」


 魔力が回復したって言ってるけど本当かなぁ。これってこの間のクジで当たったただの栄養ドリンクなんだけど......。












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