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202 無病息災だよね


 夕飯のかぼちゃのシチューはグラタン皿に入れた後パイ生地をかぶせてオーブンに入れた。焼きあがるのを待つばかり。マカロニツナサラダは机の上にドンと置いてある。

 ティーグルはエミリアが散歩に連れて行った。ティーグルの目がドナドナされる牛のようだったのが気になるが、最近は寝てばかりだったので「ファイト」っと手を振ってあげた。

 結局クリリへのプレゼントは何も思いつかなかったのでコレットさんに相談した。クリリは勉強のためにノートや鉛筆を買ってるらしい。従業員価格で売ってるけど結構大変みたいなのでノートやボールペンを贈る事にした。この店で売ってない百円コンビニで買ったノートとボールペンだから神様からの贈り物だと思ってくれるだろう。......大丈夫だよね。

 タケルにこっそり渡して夜中にクリリの枕元に置いて貰うように頼むとタケルもプレゼントを用意していることが判明した。タケルのプレゼントは参考書だった。そんなものプレゼントされて喜ぶのか疑問だけど、私のノートも勉強に関係してるから同じようなものかもしれない。プレゼントって難しいね。ちなみに私がプレゼントに参考書を貰ったら嫌がらせだと思うけどね。


「ナナミは何か欲しいものはないのか?」


 タケルがクリリへのプレゼントの袋をかたしながら尋ねてくる。


「欲しいものっていっぱいあるよ。漫画の続き読みたいし、コタツだって欲しい。でも手に入らないからね。タケルは欲しいものないの?」


 無欲な人間なんていないと思う。この世界にテレビがないのは残念だし、出来れば日本のアニメをもう一度見てみたい。Blu-rayデッキとか召喚出来ないだろうか? あっ、だめだ。電気がないんだった。


「そうだな。俺が欲しかったものはだいたい手に入ったから、これ以上は女神様に頼めないな」


 意外とタケルは謙虚だった。欲しいものなんていくらでも湧いてくると思うんだけどなぁ。

 でも私もこの世界で手に入るものは自分で買えばいいから、女神様に頼むほどではないと思っている。百均で買えるものも増えてるし、お米も手に入れたし女神様に頼むものって本当にないな。


「あえて言えば家内安全、無病息災、商売繁盛でも願っておこうかな」


「ああ、それいいな。この世界で病気になるとあっという間に死んじゃうからな」


 何それ、怖いよ。一年間なんの病気にもならなかったからこんなものだと思ってた。クリリやコレットさんも元気だったし。でもタケルが言うには、インフルエンザのような病気が流行すると治療薬がないからバタバタと死人がでるそうだ。ある意味魔王より恐ろしい。

 みんな健康で長生き出来ればいい。この世界の寿命がどのくらいか分からないけど、せめて事故や病気でタケルクリリという仲間達が死んでしまうのは嫌だ。寝る前にしっかりお願いしとこう。




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