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200 早い者勝ち

 プリーモさんはエミリアとクリリのスケートに喜んだ。私が演出した音楽に合わせて踊り、トリプルアクセルと言うジャンプをする二人は素晴らしかった。

 毎日やってくれって言われたけど、丁重にお断りした。

 これでも私達は忙しいのだ。『マジックショップナナミ プリーモ店』の方にも顔を出し、冬用の商品がどの位売れてるか確認し、レストランの方へは客としてお昼を食べに行く。

 エミリアはゴルギーのカレーライスを食べたと思ったら、ピザや唐揚げも頼んでる。タケルとどっこいの食欲だ。


「ゴルギーの肉が食べれるとは.....カレーだけでも美味しいのに....コラボさせるとは.....」


 お子ちゃまエミリアはカレーライスが好物だと言ってるが、お水が手放せない。水があっという間に無くなるから、2リットルのペットボトルを渡す。


「エミリア様までこの地に住むつもりですか?」


 エミリアが食べ終わるのを待ってプリーモさんが口を開く。プリーモさんはエミリアが勇者一行の一人だってすぐに気付いた。


「丁度良い住み処が見つかったから、しばらくはここで過ごすつもりよ」


 プリーモさんもクリス様もタケルも渋い顔だけど渋い顔をしたいのは私の方だと思う。

 エミリアは基本的に自分の事は自分でするから手はかからないんだけどクリリと仲が悪い。クリリを自分の子分とでも思っているのかどこに行くにも連れて行こうとする。

 クリリを助けてあげたいが私がエミリアにかなうはずもないから(力が異様に強い)引っ張ってもあっさり連れて行かれる。流石に仕事の邪魔はしてる訳ではないから文句もあまり言えないのだ。


「流石にエミリア様までこの田舎の街に住むとなると何かあるのではと思われるのですが....」


 私はそこまで考えたことなかったけど勇者がこの街に住んでる事も良くないらしい。何しろタケルはよその国の伯爵なのだから。


「だったらタケルが自分の領地に帰ればいいでしょ。私はここが気に入ったの。絶対にどこにも行かないわよ」


 魔王退治が終わった後、エミリアはあちらこちらと放浪していたが、ユダナ国のスケートに魅せられてここ何年かはユダナ国で暮らしていた。このガイアの街にもスケート場はあるし、今まで食べた事のないものが沢山ある。一昨日に教わったリバーシはまだ誰にも勝ててない。特にクリリにコテンパンに負かされて悔しくて仕方ないと言ってるから勝つまではここを離れないだろう。


「俺の住んでた国では早いもの勝ちって言葉があるんだ。俺の方が先に住んでたんだから、出て行くのはエミリアだ。それに俺はこのガイアに土地も家も買ってる。エミリアみたいな居候とは違う」


「居候ですって〜。何よ、ナナミを守るつもりがあるんだったらタケルがここに住めば良かったのよ。残念だったわね。もう余ってる部屋はないわよ。これこそ早い者勝ちよ!」


 バチバチと言う音が聞こえそうな位睨み合ってる二人。何しろこの二人はとっても強いからケンカなんて事になったら私の店が危ない。

 クリリも危険を感じたのか私の後ろに隠れてる。ちょっとプリーモさんまで隠れないでよ!












 




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