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196 チーズバーガーを食べよう

   

「美味しいでしょう? スープにミルクが入れてあるからコクが出て味に深みが.....ってなんでみんな顔が歪んでるのよ」


 ふ〜。期待した私が馬鹿だった。

 確かにスープにミルクを入れるなんて今まで行った国にないことだけどね。狙いはいいけど、塩気がなさすぎるよ。でも身体にはいいのかな?

 私はカバンから塩コショウを取り出してスープにかける。それを見てタケルも塩コショウを出す。

 これだけでも大分美味しくなった。

 クリリは何も言わずに食べている。クリリは基本的になんでも食べる。前に味が無くてもお腹いっぱい食べれるだけで幸せだって言ってた。聞いてるだけで涙が.......。

 そっとクリリのスープにも塩コショウをかけてあげる。クリリのシッポがパタパタ揺れる。


「ちょっとなんで私のにはかけてくれないの?」


 エミリアが喚くけど、味に深みが出て美味しいって言ってたからエミリアにはいらないと思ったのよね。私はカバンからまた塩コショウを出してエミリアのスープにもかけた。


「へ〜塩とコショウを入れただけでこんなに味が違うのね〜」


「まあな。でもミルクを入れたり工夫してるのが気に入ったよ。そのうちポテポテを使ってポテポテのポタージュスープとか作りそうだな」


 この店の料理人ならそのうち作るに違いない。ただ塩はこの国でも高いのか、あまり使われていないようだ。

 エミリアがパンも注文しようとした時タケルが止めてたからパンも固いのかな。


「でもこのスープだけでいいの? 私のおごりだからって遠慮しなくていいのよ」


 エミリアはタケルの食欲を知ってるからか遠慮されてると思ったようだけど、タケルが遠慮するわけない。固いパンを食べたくなかっただけだと思う。


「ナナミ、ハンバーガー」


 スープを食べ終えたタケルが私を見て言う。


「えっ? エルフってお肉ダメなんじゃないの?」


 ハンバーガーって肉使ってるけど良いのだろうか。キンピラのライスバーガーにしようか。


「ナナミもタケルと同じことを言うのね。初めて会った時に私がお肉を食べたのを見て目を丸くしてたのよ。エルフが肉を食べないって頭から信じてたみたい。笑っちゃうわよね〜」


 どうやらこの世界のエルフはお肉も食べるらしい。私とタケルのエルフのイメージがおかしいのかも知れない。

 肉が食べれると聞いたのでチーズバーガーをカバンから出して配った。

 エミリアは初めてのチーズバーガーに目を丸くして喜んだ。


「これまで食べた物の中で一番美味しい!」


 小さい身体に似合わずタケルと同じ五個食べ終わってもまだ食べたそうな顔で私のカバンを見つめていた。






 


 







 






 










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