195 エルフ、エミリア
「いや、全然残念じゃないから」
タケルが彼女を抱き起こしながら弁解(?)する。どうやら私の心の中のセリフは聞こえていたらしい。
「俺、ロリコンじゃないし」
まあ、確かに130センチの女の子じゃどれだけ可愛くても相手にならないか。う〜ん、でも後五年でとっても綺麗になりそうだけどね。
「ロリコンって何?」
「ああ、もういいから離れろエミリア。ナナミ、この子はエルフのエミリア。こんなだけど俺たちよりずっと年上の68歳だ。」
68歳! それならロリにはならないのでは...いや見た目がアレだからやっぱりロリになるのか?
「エルフが結婚出来るのは80歳くらいかららしいから年齢は上だけどまだまだガキだ」
「ふん。小さいからって馬鹿にしないでよ。私の方が人生経験は上なんだからね!」
はぁ〜エルフって本当にいるんだ。顔も小さいし色も白くて本当に可愛い。カホ様も美人さんだったけどカホ様とは違う美しさだ。
「あの狼の子、凄いね〜」
狼の子ってクリリの事? うん。クリリは凄いよ。エルフにもクリリの凄さが分かるんだね。
クリリは私たちの視線に気づいたのかジャンプをやめて戻ってきた。
「ナナミさんどう? あれで良かった?」
「クリリは凄いよ〜あれならプリーモさんも喜んでくれるよ」
クリリの頭をポンポン叩いて褒めてあげると嬉しそうだ。さりげなく耳も触った。ピクピクして可愛いよ。
「クリリって言うの? 私はエミリア。よろしくね」
エミリアもクリリの頭を撫でようとしたけど、クリリは見事に彼女の手だけ避けた。
「よろしく」
クリリとエミリアは同じくらいの背丈だ。自分は年上だってクリリにも胸を張って言ってるけど、クリリはジロジロとエミリアを見て頭を傾げてる。
「本当に私の方が年上だって。背だって私の方が高いでしょう」
「背は俺の方が高いよ。年上だって言うんなら年上らしい所を見せてよ。でないと信じられないね」
どっちもどっちだよ。背だって同じにしか見えない。
「むう。タケル、クリリに言ってよ。私の方が年上だって」
エミリアはタケルに助けを求めた。
「俺に助けを求めてどうするんだ。年上らしい所をみせたらいい」
「年上らしい所? わかったわ。みんなにお昼ご飯をおごるわ」
年上らしい事がお昼をおごることってなんか違う気がするけど、張り切ってるみたいだから任せるか。ユダナ国のご飯ってどんなものか楽しみ。