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192 異世界でスケートをしよう

  

「クリリ君、どうせならマウンテンバイクで走ってる所を見せてくれないか」


 急に現れたプリーモさんはクリリに頼んでいる。先刻までマウンテンバイクを買い取ろうとしてたのからどこかで見てたのかと思っていたが、話を聞いただけでマウンテンバイクがどのようなものか理解しているわけではないようだ。そんなものに白金貨20枚も出そうとするなんて‼︎ 何を考えてるのか.....。


「プリーモさん、ホテルの方は順調ですか? 温泉プールはさすがに使えなくなったと思いますが、どうなりました?」


 クリリを追って外に出ようとしていたプリーモさんに声をかけた。気にはなってたけど中々プリーモさんと会う機会がなかったので忘れないうちに聞くことにした。


「タケル様から聞いてませんか? タケル様から聞いたスケートを採用して、スケート靴もユダナ国から取り寄せた所です。まだまだこの国には浸透されてないスケートですが、これを機会に一気に広めて行く予定です」


 スケート! この世界にもスケートがあるとは思わなかった。きっと先代の勇者様か日本から連れてこられた人たちが広めたのだろう。


「温泉プールの湯を止めて氷魔法で一気に凍らせたんですよ。ところでナナミさんはスケートを滑れますか?」


「小さい頃に習ってたからジャンプも二回転...一回転くらいならできます」


 情けないけど一回転出来れば良い方かなぁ〜それも最近はスケートしてないからできるかどうか.....。

まあ、実際にジャンプできるかどうかは分からないからいっか。


「おお〜〜それは素晴らしい。是非スケートのオープンの日には皆の前で滑ってください」


「へ?」


 プリーモさんに、にこやかな顔でとんでも無い事を提案された私はぶんぶん首を振って断わる。


「いえ、店の方が忙しいので無理です。無理ですよ」


「『マジックショップナナミ』の定休日にしますから是非皆さんでいらしてください」


「わ〜い。スケートなんて初めてだから楽しみだよ〜」


 クリリ〜空気読もうよ〜。タケルに助けてもらえないか視線を向けたが、


「へ〜ナナミって滑れるのか。絶対滑れないと思ってたよ」


と感心したように頷いてる。

 いや、滑れるよ。本当だって。ただあんまり期待されるとプレッシャーで失敗する事ってあると思うのよね。なんか逃れられる良い方法ないかしら。

 そうだ、コレットさんがいるじゃない。コレットさんは女の人だしスケートなんて興味ないだろう。


「スケートなんてなん年ぶりかしら。ノエルと一緒に行きたいわ。休みが取れるか聞いてみないと」


 なんとコレットさんはスケート経験者らしい。詳しく聞いてみると幼い頃にユダナ国に親戚を訪ねて両親と行った事があるそうだ。夏でも涼しいユダナ国は一年の半分以上は雪で覆われているという。

 そのような国は往々にして暖かく豊かな国を戦で我が領土にしようとするのかと思っていたが、ユダナ国はとても豊かな国で反対に狙われることもあって軍事にも力を入れているそうだ。石炭も豊富に採れ、鉱石が採れる鉱山も多い。ユダナ国では差別もあまりなく、獣人も暮らしやすい為獣人の多くはいつかはユダナ国で暮らしたいと夢見てるとか。

 ユダナ国に行ってみたいけど今はスケートだよ。コレットさんまで乗り気だと断れそうにない。せめて練習したいなあ〜。

 どうするべきか考えている間にクリリを連れてプリーモさんは居なくなっていた。


「ナナミ、練習しに行くか?」


 タケルのしては珍しく私の気持ちが通じたらしい。


「練習できるところがあるの?」


 近場にあるのなら教えて欲しい。でもプリーモさん曰くこの国初のスケートリンクを作るっぽいこと言ってたからこの国にはないはずだがプリーモさんが知らないだけであるのだろうか?


「練習するなら本場に決まってるだろう? 次の定休日はユダナ国に行こう。知り合いもいるから紹介するよ」


 いや、確かに行ってみたいと思ったけどユダナ国って遠いよね。ああ、転移魔法で行くのか。だったらクリリも連れて行こう。クリリは運動神経抜群だからスケートもすぐできるようになるはず。そしてホテルのスケートリンク開催初日にはクリリに滑ってもらおう。うん良い考えだ。

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