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182 編み物をしよう

  

 秋が短かったようで朝晩がとても寒くなった。去年と同じように百均で手袋や毛糸の帽子や耳当てを買って店に並べる。

 百均の画面で冬の用品を探していると毛糸玉の種類が豊富になっている。棒編みや鍵編みの本も何冊かあるからこちらも買って売ることにした。


「これって自分で編むの?」


 クリリは本を広げて読みながら尋ねてくる。本といっても三十ページくらいの薄い本だ。


「冬は外が寒いから家にいる事が多いでしょう? これでマフラー編んだり、セーター編んだり出来ると思うの」


「マフラーは簡単そうだけど、セーターとかいうのは難しそうだね」


クリリは棒編みの本を見ながら呟く。


「そういえばセーターって着てる人見たことないけど、この辺りでは着ないのかしら?」


「毛糸がこの辺りではあまりないからな。北のほうでは編み方は違うがセーターを着てる人もいるぞ」


 タケルは旅をしてた時に見たと言う。

 ガイアも冬は雪が積もるほど寒い。去年も手袋はよく売れたから、この毛糸も売れると思うがこればっかりは売ってみないとわからない。


「自分で服を手直しする人が多いから、きっと流行ります」


 コレットさんは毛糸を触りながら、自分だけのものっていいですよねと言う。私からするとこの世界には既製品の服がないので自分だけのものが多いと思うけど、服も手作りとはいえ同じ色で同じ形のものが多いそうだ。その点、マフラーや手袋を『マジックショップナナミ』で買った毛糸で手作りしたら色を変えるだけで自分だけのものが出来そうだと言う。


「でもこの本の説明だけで本当に作れるようになるかな」


 私はもともとセーターも作った事があるからこの本だけで作れるかどうかよくわからない。すごく丁寧に書かれてるから大丈夫だと思うけど.....。


「俺が試しに作ってみようか?」


 クリリが目を輝かせて私を見るのでやってもらうことにした。


「好きな毛糸で作ってみて! 上手にできたら見本でここに置くからね」


クリリは本をじっくり読んでからおもむろに棒針と毛糸を持って座ると編み始めた。本の説明は頭入ってるようで、一心不乱に編んでいく

 何を編んでるのかと思ったら帽子のようだ。初心者とは思えないほど速い。このまま行けば2時間くらいで完成しそうだ。


「冬の間に孤児院では鞄とか作って夏祭りのバザーで売ってるけど、最近は売れなくなってるから来年はこの毛糸で作ったものを売れないかなあ」


 クリリは来年の夏で売るバザーの事を考えてるようだ。本当にクリリは良い子だよ。でも夏に冬のものが売れるのかな.....。






















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