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172 ティーグルとまたたび

   

「ティーグル、ただいま〜」


 フテ寝しているティーグルに挨拶をしたが、ため息をつかれただけで無視される。これはとても拗ねてる。行く前に納得してくれたはずなに......。


「お土産買ってきたよ〜お土産だよ〜」


 お土産という言葉に反応したのか片目だけ開いた。やっぱりティーグルって人間の言葉を理解してるよね。

 猫じゃらしをプラプラさせる。ティーグルが顔をあげてうずうずしてるのがわかる。でも、そんなのに騙されないぞという強い意志で必死に我慢しているようだ。


「どうやらご機嫌斜めのままだな」


 タケルは椅子に座ってモウモウの辛味焼きを食べている。炭火で焼いた香ばしい匂いにティーグルの視線が......。お土産は食べ物のほうが良かったのでは。


「あれはダメだよ。とっても辛いんだからね」


 クリリがあれは食べれないよ〜と言いながらティーグルの頭を撫でた。するとティーグルはシャッと鋭い爪を出してクリリの手を払う。クリリは危険を感じたのか素早く手を退ける。クリリだから避けれたけど私だったら流血沙汰になるよ〜。


「あっ、危ないだろ」


 ティーグルはプイと顔を背ける。困ったなあ。自分を置いて行ったクリリにも腹を立ててるようだ。

 もう百均で売ってたまたたびの木しかないけど、これで機嫌が直るかなあ〜。


「それってなんなの?」


クリリが不思議そうな顔でまた木を見る。


「猫が喜ぶものだよ......多分」


 使った事がないので自信はない。ねこにまたたびって話は聞いたことあるけど、どうなるのかは知らない。


「ティーグルには小さくない?」


 普通の猫用だからかなり小さく見える。


「確かに小さいかも......。そうだ! 袋の中には五本入ってるから全部あげよう。小さいから数で勝負だね」


 袋を開けただけでティーグルが起き上がる。 私はまたたびの木を五本重ねて持つとティーグルの目の前に突き付けた。右に左に手を動かす方向にティーグルもフラフラ〜っと.....。


「「か、可愛い」」


 ティーグルその後、酔っ払いのようなトローンとした目になり、床をゴロゴロと転げ回りハイ状態になった。木をかじりながら口のまわりはよだれだらけ。あっ、床にもよだれが......。またたびの木を五本もあげたのは失敗だったかもしれない。

 機嫌が直ったようだから、まあ、いいかぁ〜。










 







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